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最終更新日:2022年4月7日

ぱーそなりてぃしょうがいパーソナリティ障害

こちらの記事の監修医師
和クリニック
前田 佳宏

概要

パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで、社会生活を行う上で様々な葛藤が出現し、本人が苦しんだり、周囲に影響を及ぼしてしまう状態です。感情のコントロールができない、ものの考え方が著しく周りと異なるなどの症状によって、対人関係を構築することが難しくなります。パーソナリティ障害には10種類のタイプが存在し、自己像(自分自身に対するイメージ)と他者やストレスに対する反応によって分類することが可能です。パーソナリティ障害は他の精神疾患を合併している場合も多く、精神疾患によってパーソナリティ障害が隠れてしまっていることもあります。おおよそ10%の人が何らかのパーソナリティ障害に該当することも知られています。基本的に男女差はありませんが、パーソナリティ障害の種類によっては、男女いずれかに多くみられるものもあります。

原因

パーソナリティ障害は、遺伝子による先天的な要因と環境的な要因の相互作用によって起こると考えられています。生まれつきパーソナリティ障害になりやすい傾向の遺伝子を持つ人も存在します。環境要因も遺伝的な要因と同程度に影響を与えることが知られています。パーソナリティ障害のタイプは3つのグループに分類され、A群には妄想性パーソナリティ障害、統合失調質パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害、B群には境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、C群には依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害が存在します。

症状

パーソナリティ障害のタイプやグループによって症状は異なります。Aグループは、奇妙または風変わりな様子を特徴とします。不信と猜疑心、他者への無関心、奇妙または風変わりな思考などが挙げられます。Bグループは演技的、感情的、または移り気な様子を特徴とします。反社会性、衝動的、注目を集めたい衝動、自尊心が高いなどです。Cグループは不安や恐れを抱いている様子を特徴とします。対人の接触を避ける、他者への過剰な依存、完璧主義、柔軟性のなさ、協調性の欠如などの特徴が出現します。以上のような特徴を持つことで、社会生活や対人関係の構築が難しくなり、自分だけではなく周りに影響を及ぼすことになります。

検査・診断

特定のパーソナリティ障害の診断は、DSM-5に障害別に記載されたパーソナリティ特性の診断基準に基づいて行われます。患者さん自身に病識がなく、検査や問診を行うことが難しい場合もありますが、その一方で、自分の行動に悩みを抱えて積極的に治療を希望する人もいます。パーソナリティ障害には、不安や抑うつ、適応障害などの精神疾患が合併することが多く、必要に応じて検査を追加していきます。

治療

パーソナリティ障害の治療には精神療法(精神分析・認知療法など)が行われます。治療を行うためには、患者本人が積極的に治療に参加することが必要であり、自分自身に起こる 心理的反応のパターンを理解することで治療がより効果的になります。薬物治療そのものがパーソナリティ障害に効果があるわけではなりませんが、抗うつ薬や抗不安薬、抗精神病薬を適切に投与することで、合併症の症状を和らげることが可能であり、過敏さや興奮を抑制するなど、一部のパーソナリティ障害の特性を緩和することもできます。

予防/治療後の注意

パーソナリティ障害を持つ人は、自身の考え方や物事に対する反応がどうしても少数派となります。他者との違いに苦しんだり、自分のことを分かってもらえない辛さを他者への不満として爆発させることもあります。しかし、患者さん本人が疾患そのものを認識できないことも多く、しばしば病識の欠如がみられます。患者さん本人が受け入れて治療を行わないかぎり、治療の有効性は高くなりません。周りのサポートを借りて、本人にパーソナリティ障害を受け入れてもらうことが重要です。

こちらの記事の監修医師

和クリニック

前田 佳宏

〇診療科 : 精神科、心療内科

《 経歴 》
2013年島根大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科に入局。三枚橋病院、東京警察病院にて一般精神科臨、国立精神・神経医療研究センターにて薬物依存症の臨床にも携わった。都内のクリニックにて児童精神科専門外来やトラウマ専門外来にも従事した。
精神分析や認知行動療法、家族療法の他に、BSP、BCT、EST、IFS、CPT、TF-CBTなどトラウマケアの各種技法や、漢方、睡眠医学、愛着などの視点も取り入れ、患者さんに適切な治療を提案する。

治療に適した診療科目

精神科 心療内科

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