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最終更新日:2021年10月6日

へんけいせいしつかんせつしょう変形性膝関節症

変形性膝関節症

まとめ

変形性膝関節症は膝関節の軟骨が摩耗して強い痛みが現れる慢性疾患である。初期段階は歩き始めに痛みがあっても休息すると治まるが、年齢につれて進行し、悪化すると安静時にも痛みがあり歩行困難となる。発症の最大原因は加齢だが、肥満、O脚、閉経後のホルモンバランスの変化も発症に関わる。また、布団の上げ下ろしや正座・あぐらにより膝に負担をかけやすい生活習慣や、軟骨がもろく傷みやすい遺伝的要素も発症に関与するとされる。発症率は女性の方が高い。

この病気の原因

他疾患や怪我をきっかけとして発症することもあるが、最大の原因は加齢であり、年齢とともに徐々に関節の軟骨がすり減り、削れることで表面が荒れ、慢性的な炎症や変形が起こる。膝関節には常に体重の4~6倍の負荷が掛かるため、肥満も発症原因である。その他、膝の内側に極端に負荷が掛かるO脚や、閉経後のホルモンバランスの変化で骨が脆くなることが発症に関与する。布団の上げ下ろしや畳での正座・あぐらをかく日本人の生活習慣は、ひざを大きく曲げる動作が多いため、変形性膝関節症になりやすいという報告がある。O脚で肥満ぎみの高齢女性は注意が必要である。また、軟骨が脆く傷みやすい遺伝的要素も発症の原因となる。

主な症状

発症初期は階段の上り下り、歩き始め、長時間の歩行、イスから立ち上がるときなどに痛みを感じるが、休息をとると痛みがやわらぐことが多い。発症中期では、歩くと常に痛みを感じ、ひざがこわばり、曲げ伸ばしの動作がつらくなる。また、膝に水(関節液)がたまる・腫れる・熱を持つなどの症状も現れる。O脚が悪化することもある。さらに悪化すると、関節の軟骨が失われ骨が直接擦れるため、立つ、歩く動作が難しくなり、膝の変形が進行する。

検査/診断の方法

問診で痛みの種類を確認し、関節の可動域、腫れ・痛み・変形・O脚の有無を触診で確認する。エックス線検査にて骨と骨の隙間の狭さ、部分的に骨が硬くなっている場所、骨の明らかな変形の有無を調べる。初期段階ではエックス線検査で異常が確認できないことがあり、MRI検査にて半月板(太ももの骨とすねの骨の間にある、膝への負担を防止するクッションの役目を果たす部分)の損傷などを調べ、前段階の変形性膝関節症の診断を行うことがある。

主な治療方法

治療では膝の軟骨の退行を防止し、可能な限り進行を予防する。関節が変形し始める初期では、痛みのため体を動かさずにいると筋肉が減少して症状が進行するため、適切な靴を履き平らな場所でウォーキングする、入浴で十分温めた後にひざを伸ばすなどの運動療法と温熱療法を行う。肥満は痛みが悪化する要因になるため、体重の5%を目安に減量指導を行うことがある。痛みが強い場合は、痛み止めの内服薬や関節注射を行うことがある。症状が進行し、運動療法などで治療効果が得られない場合は、年齢と弛緩の進行度により、膝関節の表面を取り除き人工関節に置き換えて関節の可動域を改善させる人工関節置換術などの手術を行う。

治療後に注意すべき点/予防対策

正しい歩き方をマスターするとお尻の筋肉である大臀筋と股関節を閉じる働きをもつ筋肉の内転筋が鍛えられ、膝の痛みの予防になる。背筋を伸ばし、歩幅を大きく取り膝が自然と伸びるよう、かかとから着地するように歩く。簡単なストレッチで大臀筋、内転筋、太ももの前の筋肉の大腿四頭筋を鍛える。正座やあぐらなどひざに負荷をかける座り方をやめる。肥満の場合は減量する。

治療に適した診療科目

外科 整形外科 リハビリテーション科

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