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最終更新日:2022年7月6日

はいえん(こども)肺炎(子供)

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝 先生

肺炎(子供)

概要

肺が、さまざまな原因によって炎症を起こしてしまった状態が肺炎です。肺炎の症状としては、発熱、咳、痰、胸痛、呼吸困難などが挙げられます。子どもの肺炎の原因は、主に、細菌、ウイルス、マイコプラズマなどの微生物です。子どもの場合でも発熱、咳(せき)などの一般的な症状が現れますが、抵抗力が弱いため、呼吸が苦しそうな場合や脱水がみられたら早急に受診し、症状が3日以上持続する場合も受診しましょう。治療は原因によって異なりますが、抗菌薬の投与や対症療法、重篤化した場合は酸素吸入や点滴などが必要となるなど入院治療を行う場合もあります。

原因

子どもの肺炎の原因は、主に、細菌、ウィルス、マイコプラズマなどの微生物です。抵抗力の弱い1歳未満の子どもでは、インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などが原因でかかる細菌性の肺炎が多いと言われています。1歳以上から2歳未満の子どもでみられやすいのはRSウィルスやアデノウィルス、インフルエンザウィルスなどによるウィルス性肺炎です。6歳以上で割合が増えるのがマイコプラズマやクラミジアが原因の非定型肺炎です。60~70%の肺炎は細菌によるものですが、RSウィルス や インフルエンザは毎年秋から冬になると流行し、特にRSウィルスは1才以下の乳児の70%がかかると言われています。マイコプラズマ肺炎は、学童期にかかることが多く、4年に一度大流行すると言われています。また、風邪に引き続いて起きる肺炎(続発性肺炎)の主な原因菌の多くは肺炎球菌という細菌です。

症状

子どもの場合でも発熱、咳、痰などの一般的な症状が現れますが、食欲低下・胸痛・腹痛・嘔吐という症状が現れる場合もあります。痰が増えて酸素の交換が上手くできなくなり、息苦しさを感じます。肺炎の咳は、痰(たん)が絡んだ湿った咳の場合が多く、乾いた咳は少ないといわれています。肺炎になると、ゼーゼーと呼吸音がすることがあります。また、腹痛やお腹の動きが悪くなって嘔吐しやすくなる場合があります。一般的に細菌性肺炎よりウイルス性肺炎のほうが重篤化しにくいですが、RSウイルスが原因で且つ1歳未満の赤ちゃん場合は重篤化して命にかかわることがあります。マイコプラズマ肺炎など細菌性肺炎では抗菌薬が効きにくい場合(薬剤耐性菌)もあります。細菌のなかでも黄色ブドウ球菌が原因と考えられる場合は、膿胸(肺内や肺の外側など胸腔内に膿がたまる病気)になり重篤化しやすいため、要注意が必要です。クラミジア肺炎では高熱が出ることは少なく、咳が数週間続きます。そして、子どもの場合、咳が出ていると、うまく食事や水分をとることができずに脱水を起こすことがあります。尿回数や量が少ない、尿の色が濃い、普段と比べて肌にハリがない、唇が乾くなどは脱水症状の可能性があります。肺炎のような症状が出てから3日ほど経過しても症状がまったくよくならない場合は、子どもが元気だったとしても受診してください。3日経っていなくても、顔色が悪く呼吸が苦しそうなど、症状が急激に悪化してぐったりしている場合や脱水が疑われる場合は早めに受診をして、適切な治療を受けることをすすめます。

検査・診断

熱の推移、呼吸症状、聴診所見などから総合的に判断して診断します。経過が長い、症状が強いようであれば、画像検査で確認する必要があります。

治療

細菌性肺炎の場合には、抗菌薬が有効です。軽度なら通院して自宅で抗菌薬を服薬、安静で改善しますが、高熱が続いたり、脱水症状を起こしているような場合は、1~2週間程度入院して抗菌薬の点滴や酸素吸入をすることもあります。ウィルス性の肺炎の場合は、基本的には対症療法になります。咳止めや気管支拡張剤を使用します。免疫力の低下による二次感染を防ぐために抗菌薬を使うこともあります。非定型肺炎の場合にも抗菌薬を使います。入院治療が必要なケースは大きく分けて2つあります。1つ目は酸素欠乏状態に陥っており、酸素投与が必要なときです。2つ目は脱水症状があるときです。好きなものも食べられない、飲み物が飲めないなどの理由で身体の水分が不足し、尿も出なくなってしまうときは、水分を点滴する必要があります。抗菌薬が飲めない場合には注射の抗菌薬を使う必要性もあります。

予防/治療後の注意

薬剤耐性(抗菌薬が効きにくい)肺炎球菌も増えているため、肺炎を予防するため、接種時期がきたら肺炎球菌ワクチンを接種しましょう。免疫機能の低い乳幼児は特に注意が必要なため、ワクチンによって病気をあらかじめ予防することが重要です。家庭でのケアについては、空気が乾燥していると咳が出やすくなりますので、適度な湿度(60%前後)を保つようにしましょう。また夜、寝る時に体を横にすると咳がひどくなるようなら、呼吸が楽になるよう上半身を起こした姿勢をとらせます。寝ている間に痰が絡んで、ひどく咳き込むようなら、横向きに寝かせて背中を軽くトントンと叩いたり、喉が湿っていたほうが痰の切れが良くなりますので、こまめに水分をとることは大切です。

こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝 先生

【学歴 】
私立駒場東邦中・高等学校(1982-1988)
昭和大学医学部医学科(1988-1994)
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科(熱帯医学専攻)(1998-2003)
長崎大学熱帯医学研究所(1999)
(Diploma in Tropical Medicine)
タイ王国マヒドン大学熱帯医学部(2001)
(Diploma in Tropical Medicine & Hygiene; DTM&H)
バングラデシュ国下痢症疾患研究所(2002)
(Workshop on Emerging and Re-emerging pathogens)
連合王国ロンドン大学公衆衛生・熱帯医学部(2005)
(Travel Medicine Short Course)

【職歴】
東京慈恵会医科大学付属病院 臨床研修医(1994-1996)
東京慈恵会医科大学付属柏病院・第三病院 小児科助教(1996-1998)
東京慈恵会医科大学付属病院 感染制御部 診療医員(2003-2004)
国立国際医療センター(現:国際医療研究センター)国際医療協力局 厚生労働技官(2004-2005)
国立国際医療センター病院 国際疾病センター(現:国際感染症センター)厚生労働技官(2005-2010)
外務省 在ベトナム日本国大使館 一等書記官兼医務官(厚生労働省より出向)(2007-2009)
国際協力機構(JICA)感染症顧問医(2009-2017)
厚生労働省羽田空港検疫所 非常勤医師(2011-2019)
東京医科大学病院 感染制御部・渡航者医療センター 准教授(2010-2018)
東京医科大学病院 感染制御部 部長(2013-2015)
東京医科大学病院 感染症科 診療科長(2013-2015)
東京医科大学病院 国際診療部 部長(2016-2018)
一般病院・診療所 非常勤医師(2017-2019) 東京都(杉並区、新宿区、葛飾区、世田谷区、千代田区、調布市)、神奈川県(横浜市、川崎市)、千葉県(松戸市、流山市)、埼玉県(所沢市、三郷市、蕨市、羽生市、吉川市、上尾市)、栃木県(真岡市)、群馬県(渋川市)、茨城県(古河市)、山形県(庄内町)、岩手県(奥州市)、北海道(旭川市、釧路市、月形町、江差町)、熊本県(天草市)

【役職】
日本感染症学会評議員
日本熱帯医学会評議員
日本化学療法学会評議員
日本渡航医学会評議員
日本臨床寄生虫学会評議員
日本小児科医会国際委員長
国際協力機構海外協力隊派遣前訓練 感染症講師
株式会社 わらべや日洋ホールディングス釧路工場 嘱託産業医
株式会社JM 嘱託産業医
社会福祉法人ちとせ交友会 嘱託医
株式会社 電通 感染症対策アドバイザー
東京都三鷹市 感染症対策アドバイザー
認定資格
日本感染症学会認定感染症専門医・指導医
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本医師会認定産業医
日本感染症学会推薦インフェクションコントロールドクター(ICD)
身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
国際渡航医学会認定医(CTH® )
米国熱帯医学会認定医(CTropMed® )
一般旅行業務取扱管理者
PADIスクーバダイビングインストラクター(OWSI)
日本臨床内科医会認定医(~2013)日本人間ドック学会認定医(~2014)日本温泉気候物理医学会温泉療法医(~2015)日本化学療法学会抗菌化学療法指導医(~2017)

治療に適した診療科目

内科 呼吸器内科 神経内科 呼吸器外科 小児科 耳鼻咽喉科

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