統合失調症

最終更新日:2021年10月2日

とうごうしっちょうしょう統合失調症

統合失調症

まとめ

統合失調症では、幻覚や妄想、まとまりのない思考や行動、意欲の欠如などの症状がみられる。以前は「精神分裂病」と呼ばれていた。脳神経のネットワークがうまく機能せず、脳内のさまざまな情報や刺激を統合することが難しくなることで発症する。根本的な発症原因は不明だが、発症しやすい要因を持つ人が、生活する上での過度のストレスなどがきっかけで発症すると考えられる。病型は3つに大別され、意識低下や感情の平板化が中心で、思春期から青年期にかけ発症する「破瓜(はか)型」、極度の緊張や奇妙な行動を特徴とし、青年期に発症する「緊張型」、幻覚や妄想が主体で30歳前後に発症が多い「妄想型」がある。罹患率は100人に1人と高率である。治療介入の時期が予後に影響する。

この病気の原因

明確な発症原因は不明だが、脳の神経伝達物質のバランスが崩れることが発症に関係すると考えられる。このほか、遺伝、環境因子などの要因も考えられているが、検証されていない。いくつかの危険因子が重なると発症するとされ、もともと発症しやすい脆弱性があり、ストレスの多い環境因子などが重なり発症すると考えられる。

主な症状

健康な頃に見られなかったものが表れる陽性症状と、健康な頃に見られたものが失われる陰性症状がある。陽性症状は幻覚や妄想が多く、特に幻聴が多い。突然興奮して叫ぶなどの症状が見られる。陰性症状は意欲低下、感情表現の減少、周囲への無関心がある。また、日常生活に影響する認知機能障害も見られる。認知機能障害では、情報を選択して注意を払う選択的注意、過去の記憶と比較する比較照合、物事を分類し概念化する概念形成の各能力に低下が見られる。本人は症状を自覚せずに言動を行うことが多く、人間関係などに悪影響を及ぼす。

検査/診断の方法

本人および家族に妄想・幻聴などの症状の有無や、発症後の継続期間などの詳細な問診をとる。生育歴、既往歴、家族歴などを確認し、判断材料とする。診断基準として、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類である「ICD-10」と、米国精神医学会の「DSM-5」が用いられることが多い。統合失調症と症状が似た疾患があるため、CT、MRI、血液検査などで鑑別診断を行う。

主な治療方法

急性期、慢性期、症状消失後の維持期の段階によってそれぞれ異なる治療を行う。急性期は抗精神病薬などで症状を抑える薬物療法を行う。なお、緊急時は電気けいれん療法を行うこともある。慢性期は社会生活機能の回復を目標に、薬物療法と並行して心理社会的療法を行う。心理社会的な治療には心理教育や生活技能訓練、作業療法などで、症状に応じて疾患の自己管理法を身につけ、社会生活機能のレベル低下を予防する訓練などを行う。適切な薬物療法と心理社会的療法を行えば回復がみられるが、再発しやすい疾患であるため、服薬中止すると1~2年以内で50%以上が再発するとされる。再発予防のため、維持期治療には長期間の服薬が必要である。

治療後に注意すべき点/予防対策

統合失調症の症状は多種多様であり、発症後すぐに疾患に気付かれないこともあるが、発症後できるだけ早急に診断し、治療を行うことで予後良好の確率が高くなる。再発を繰り返すことが多く、症状が治まっても自己判断で減薬・服薬中止しないようにする。再発予防のため薬物療法を続けながら、疾患を自己管理することが必要となる。

初診に適した診療科目

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