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最終更新日:2021年10月2日

ししついじょうしょう(こうしけっしょう)脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症(高脂血症)

まとめ

血液中の中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常がある状態を脂質異常症(高脂血症)といいます。従来は中性脂肪高値、もしくはLDL(悪玉)コレステロール高値を「高脂血症」としていましたが、HDL(善玉)コレステロール低値でも問題があるとして、2007年以降はこれら3つの条件に当てはまる場合を「脂質異常症」と呼んでいます。自覚症状がなく、治療せず放置する人も多いですが、血管内部に増加した脂質溜まると動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な疾患を発症するため、早期対策が必要な疾患です。

この病気の原因

脂質異常の原因は、遺伝的要素、過食、脂肪分の多い食事、運動不足、ストレスなどがあります。近年、食の欧米化が進み動物性脂肪の多い食事を摂る機会が増えたことや、クルマ社会で慢性的な運動不足のため、脂質異常症の発症が増加しています。コレステロール高値の原因には脂肪分の多い肉や卵、乳脂肪分の多いバター、チーズ、即席麺などの過剰摂取がいわれます。中性脂肪高値の原因は、果物や甘いお菓子、アルコールの過剰摂取といわれます。また、喫煙は善玉コレステロール低値となり、脂質異常になりやすいです。運動不足で体内の消費エネルギーが減少すると、脂質代謝の悪化要因となります。脂質異常症は成人以降の食生活の問題、運動不足、体重増加などで発症する人が多いとされます。

主な症状

脂質異常症の自覚症状はほとんどなく、定期検診などで数値異常が見つかり、疾患に気付かれます。そのため、脂質異常症を原因として発症する動脈硬化は「沈黙の病気」といわれます。脂質異常症には甲状腺機能低下症、副腎皮質ホルモンの分泌異常、糖尿病、腎臓病、肝臓病などの疾患をきっかけとして発症する場合があり、各疾患の治療を行う際の検査で脂質異常症が判明します。

検査/診断の方法

採血により中性脂肪値、コレステロール値を測定します。中性脂肪は食後数時間かけて上昇するため、午前中に朝食を抜いた状態で採血し、正確な数値を出します。脂質異常症の診断基準は、LDLコレステロール140㎎/dl以上(高LDLコレステロール血症)、HDLコレステロール40㎎/dl未満(低HDLコレステロール血症)、中性脂肪150㎎/dl以上(高中性脂肪血症)のいずれかに当てはまる場合です。他疾患の併発を疑う場合は、その疾患に応じて検査を追加します。

主な治療方法

年齢、性別、高血圧・糖尿病の有無、喫煙習慣、家族歴を参考に治療目標を設定し、治療します。食生活の改善により、数値を改善します。2020年の厚労省の発表で、脂質異常症の重症化予防のため、コレステロール摂取量は1日200mg未満が望ましいとされました。動物性油脂より魚や植物性油を多く摂取する、コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く摂取する、トランス脂肪酸の過剰摂取を避ける、アルコール量を控える、などによりコレステロール量を調整します。また、ウォーキング、水泳、サイクリングなど1日30分以上の有酸素運動も推奨されます。食事や生活習慣に配慮しても数値改善が見込めない場合、内服治療を行います。動脈硬化の傾向がある人、糖尿病などの疾患を発症している人はは早期改善が必要であり、コレステロール・中性脂肪低下薬を服用します。

治療後に注意すべき点/予防対策

脂質異常症は自覚症状がなく、健康診断で自身の数値を把握することがが大切です。日頃から暴飲暴食は避け、適度な運動を行い、規則正しい健康的な生活を送りましょう。

治療に適した診療科目

内科 循環器内科 糖尿病・代謝内科

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