卵巣がん

最終更新日:2021年10月12日

らんそうがん卵巣がん

卵巣がん

まとめ

卵巣がんは、子宮の両脇にある卵巣に発生する悪性腫瘍である。発生箇所により、表層上皮性、胚細胞性、性索間質性などに分類され、90%以上が上皮性とされる。かつては欧米人に多く発症し、日本人の発症率は低いとされていたが、食事の欧米化により近年は日本人にも増加している。閉経前後、妊娠・出産未経験の女性、母や姉妹が卵巣がんを発症している場合、発症リスクが高いとされる。若年女性にも多く発症し、初期段階は自覚症状がほとんどなく、女性は誰でも注意が必要な疾患である。手術により可能なかぎり腫瘍を切除し、抗がん剤による化学療法により治療する。

この病気の原因

卵巣がんは複数の要因が重なり発生するといわれる。遺伝的関与は約10%とされるが、母や姉妹など近親者に卵巣がん発症者がいる場合は、発症率が高い。子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患、多のう胞性卵巣症候群などの基礎疾患も卵巣がんの原因となることがある。その他、長期間のホルモン補充療法、肥満、食事などの生活習慣、排卵誘発剤の使用も発症要因と考えられる。さらに排卵回数が多い人ほど卵巣がんの発症率が高いとされ、妊娠・出産経験が少ない人、閉経が遅い人は発症率が高い傾向にある。

主な症状

下腹部違和感、下腹痛、腹部膨満感、不正出血、便秘、頻尿、食欲不振などの症状がみられることもあるが、特徴的な初期症状はほとんどない。症状が進行し、腹腔内の臓器にがんが転移すると、腹部や胸に水が溜まり、腹部全体に張りがある、息切れするといった症状がみられることがあるが、症状を自覚して受診した時点で、すでにがんが進行していることが少なくない。卵巣がんは婦人科検診で偶然発見されるか、腹水、胸水など卵巣がんが他の臓器に転移して症状を自覚することのいずれかが多く、早期発見は難しい。

検査/診断の方法

腟に指を入れ子宮・卵巣の状態を調べる内診、お尻に指を入れ直腸やその周囲の異常を調べる直腸診、超音波検査、CT・MRI検査を行う。その他、血液検査にて腫瘍マーカーを調べることがある。がんを発症すると腫瘍マーカーは異常値を示す。卵巣がんの場合はがんの可能性を判断するとともに、転移・再発の指標、治療効果の判定にも腫瘍マーカーを使用する。卵巣は直接外から組織を採取できない臓器のため、良性/悪性の判断は、手術にて腫瘍を摘出し、顕微鏡で調べる病理検査を行う必要がある。

主な治療方法

がんのステージ(重症度)や発症年齢、合併症の有無など状態に応じて治療法を決定するが、基本的に外科的手術と抗がん剤治療を組み合わせた治療を行う。広範囲に転移し、手術でがんを切除できない場合、先に抗がん剤による治療を行い、がん細胞を小さくした後に手術することが多い。卵巣がんは抗がん剤の治療効果が高いといわれる。再発率は高く、術後に化学療法を行い、再発を予防することがある。手術では通常、卵巣・卵管・子宮・大網の切除を行うが、さらに後腹膜リンパ節、腸管、脾臓などを切除することもある。将来出産を希望する女性は、治療にあたり医師らと十分な相談のうえ、治療法を選択することが大切である。脳や骨などへの転移の予防するため、高エネルギーのエックス線などでがん細胞を小さくする放射線治療を行うこともある。

治療後に注意すべき点/予防対策

初診に適した診療科目

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