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最終更新日:2022年10月14日

おうたいきのうふぜん黄体機能不全

こちらの記事の監修医師
麻布モンテアールレディースクリニック
山中 智哉

黄体機能不全

概要

黄体機能不全とは、黄体からのプロゲステロンの分泌不全により、黄体期(排卵が終わってから月経が開始するまでの期間)の短縮や機能性出血などを伴い、不妊や流産の原因となりうる疾患です。黄体とは、女性の卵巣にて黄体ホルモンを分泌し、受精卵が子宮内膜へ着床する事や妊娠を維持するために重要な役割を果たすものになります。

原因

黄体機能不全の原因は、様々なものがあり、代表的な1つとして脳下垂体という脳の中枢部分から分泌されるホルモン量が減ることが原因として発症します。脳下垂体に機能異常がある場合に黄体機能不全に繋がる可能性があります。また、卵巣自体の異常等によって、卵胞の発育が不十分になり黄体の移行が不完全となり、黄体ホルモンの分泌不全が生じることがあります。もう1つの代表的な原因としては、子宮内膜の黄体ホルモンに対する反応が悪くなることで、黄体機能不全と同様の症状が生じることがあります。黄体ホルモン自体は問題なく分泌されていても、子宮内膜が反応しないままだと正常な状態にならず、黄体機能不全になることがあります。その他には、喫煙や精神的なストレスといったものから同様の症状を示すこともあります。

症状

黄体機能不全は、基礎体温で症状の確認ができます。高温期の期間が通常よりも短くなる・高温期と低温期の体温差が見られないといった所見が、黄体機能不全において認められます。また、基礎体温以外にも、月経周期が極端に短くなったり、黄体期の不正出血を認めたり、生理前特有の胸の張り・身体の熱っぽさを感じられなくなったりといった症状が出現することもあります。

検査・診断

黄体機能不全は、3種類の診断方法があります。1つ目は、基礎体温からの診断になります。高温相が10日以内であること、低温相と高温相の平均温度差が0.3度以下であること、高温相において体温が下降する状態などから黄体機能不全と診断されます。2つ目は、血中黄体ホルモン(プロゲステロン)濃度からの診断になります。基礎体温が高温相であって、排卵後5日目から9日目までの黄体期中期にあたる血中プロゲステロン濃度が10ng/ml未満が黄体機能不全と診断されます。3つ目は、子宮内膜日付診からの診断になります。黄体期中期に子宮内膜を採取して、プロゲステロン分泌に伴う組織学的な変化を評価することで診断をします。以前は、この方法が標準的診断方法とされていましたが、近年では不確実なことも多く存在し、標準的診断方法からは外れています。

治療

黄体機能不全の治療は、排卵が起きている場合には、黄体ホルモンの補充療法となります。排卵障害が原因となっている場合には、排卵誘発剤を用いて、排卵が順調に起きるように促します。妊娠を希望していない方の場合、必ずしも治療が必要なわけではありませんが、無月経となっている方の中で、排卵が起きていないことが原因である場合には、黄体ホルモンの補充によって月経を起こすことができます。

予防/治療後の注意

黄体機能不全は、日常的な予防として普段から身体を温める対策をするのが大切になります。生姜・山芋・山椒など身体を温める効果のあるものを摂取するのも良いでしょう。黄体機能は、妊娠には欠かせない機能になります。無理な生活習慣(過激なダイエットなど)・ストレス・頑張りすぎることも、敏感な女性の身体には負担がかかります。そのため、適度な運動・バランスのとれた食生活、適正体重を心がけましょう。治療後においても、身体の冷えや免疫機能の改善・自律神経の調整といった全身のメンテナンスが大切になってきます。

こちらの記事の監修医師

麻布モンテアールレディースクリニック

山中 智哉

【経歴】
1998年 山梨大学医学部 卒業
2002年 同大学医学部大学院 卒業
2019年 麻布モンテアールレディースクリニック 開院

[資格]
・医学博士
・日本産科婦人科学会専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・米国ISFN認定サプリメントアドバイザー
・点滴療法研究会認定医

[所属学会]
・日本産科婦人科学会
・日本生殖医学会
・日本卵子学会

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