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骨盤内感染症(PID)【イシャチョク】

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最終更新日:2022年12月3日

こつばんないかんせんしょう骨盤内感染症(PID)

こちらの記事の監修医師
藤東クリニック
藤東 淳也

概要

骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory diseases : PID)は、腟や子宮頸管にいる微生物が、子宮体部、子宮内膜、卵管、卵巣といった上部生殖管に連続して感染し、その周辺組織に感染がおこった状態をいいます。PIDには、内膜炎、卵管炎、卵巣炎、腹膜炎、卵管・卵巣膿瘍などが含まれます。早めに受診して治療を受けると、回復は早いですが、治療時期を逸すると、更に奥に菌が侵入して肝臓の表面に菌が到達することがあり、肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)を起こすおそれがあります。また、有症状の PID に罹患した女性のおよそ25%が、異所性妊娠(子宮外妊娠)、不妊、慢性骨盤痛などの後遺症を経験するとされていることからも、早期診断・治療が重要です。

原因

骨盤内感染症(PID)、骨盤内炎症性疾患は、感染しているパートナーとの性交によって感染することが多いです。一般的に、35歳未満の女性で起こりやすい疾患であり、初経前、閉経後および妊娠中に起こることは稀です。過去に骨盤内炎症性疾患や、細菌性腟症、性感染症にかかったことがある人は、PIDを発症しやすいとされています。また、子宮内避妊装具(IUD)の長期留置や、腟炎、細菌性腟症、子宮頸管炎、複数の性的パートナーの存在、腟洗浄の常用などは、淋菌やクラミジア感染症によるPID発症の危険因子となります。その他にも嫌気性菌、腸内細菌科細菌、B群溶連菌などの細菌が関与するとされており、これらの細菌は単一または複数菌で感染を起こすと考えられています。

症状

骨盤内感染症(PID)は、典型的には、突然の下腹部痛と骨盤内臓器の圧痛で発症します。月経中〜終了直後の下腹部痛が典型的であり、性交時痛、帯下(おりもの)の増加・色の変化を伴う場合もあります。下腹部痛は両側性であることが多いです。発熱は PID の約半数でみられ、不正性器出血は 約1/3 でみられます。しかし、症状の程度は様々であり、軽度であることも多く、無症状である場合も少なくありません。

検査・診断

骨盤内感染症(PID)の診断のためには、婦人科での内診や超音波検査、血液検査、子宮頸管からの細菌培養検査、クラミジア、淋菌の検査(核酸増幅法)、腹部の単純レントゲン検査、骨盤・腹部のCTやMRI検査などが行われます。

治療

骨盤内感染症(PID)の治療は、抗菌薬の経口投与や、場合によっては点滴により抗菌薬を投与します。ほとんどの場合は通院治療ですが、48時間以内に病状が軽快しない場合や、症状が重度で高熱がみられる場合、嘔吐があり経口抗菌薬を内服できない場合、経口抗菌薬が無効であった場合、妊娠が疑われる場合や妊娠している場合などでは、入院加療が必要となることもあります。また、抗菌薬を使用しても膿瘍が消失しない場合には、膿を排出する処置を行うことがあります。

予防/治療後の注意

骨盤内感染症(PID)の予防は、女性が健康を保ち、妊娠できる身体を維持する上でとても重要です。下腹部痛や発熱、帯下の以上や不正出血などが、特に月経中または月経後に多くみられる場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。もし急激な下腹部痛や高熱を伴う場合で、歩くことができないような状態の場合などは、救急車を呼びましょう。さらに、抗菌薬での治療が終了した後、たとえ症状が軽快していたとしても、感染が完治したことを医師が確認するまでは、性交を控えるようにしましょう。PIDは性行為によって感染しますので、セックスパートナーは全員、淋菌感染症やクラミジア感染症の検査を受け、必要があれば治療を受ける必要があります。また、パートナーの協力を得て、コンドームなどの避妊具を使用しましょう。PIDは、診断と治療が適切であれば完治する可能性が高い病気ですが、症状が治まらない場合は、再度医療機関の受診を検討しましょう。

こちらの記事の監修医師

藤東クリニック

藤東 淳也

〇アクセス:広島県安芸郡府中町茂陰1丁目1-1
〇診療科 :産科・婦人科

《経歴》
医療法人双藤会 産科・婦人科 藤東クリニック 理事長・院長
1993年4月 東京医科大学病院 産科婦人科学教室 研修医
1994年5月 中野総合病院 産婦人科 医員
1995年6月 戸田中央産院 産婦人科 医員
1995年11月 東京医科大学 産科婦人科学教室 研究員
1997年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
1999年3月 東京医科大学麻酔科学教室
1999年7月 東京医科大学八王子医療センタ- 産科婦人科医長
2002年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
2002年5月 米国カンザス大学医学部 細胞生物学教室へ留学
2004年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 講師
2004年11月 東京医科大学病院産科婦人科学教室 医局長
2008年6月 県立広島病院 婦人科部長
2010年6月 産科・婦人科 藤東クリニック 院長
2015年11月 医療法人双藤会 理事長

【資格】
日本産科婦人科学会専門医
医学博士
細胞診専門医
バイオインフォマティクス認定技術者
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
婦人科腫瘍専門医
母体保護法指定医
新生児蘇生講習会専門コース修了