健康経営取材企画第二弾　リップルネット株式会社

社員一人一人の業務比重が大きい中小企業だからこそ、健康経営は大きな効果を生む

今回の取材にご協力いただいたのは「リップルネット株式会社」代表取締役、丸山敏昭社長。健康経営のきっかけとなった1人の社員の声を大切にし、スマートフォン連動の機器によるストレスチェックや尿酸値改善のためのウォーキングなどを実施しています。

健康経営とは

健康経営とは、経営的観点から、企業に所属する従業員等の健康管理を行うことです。従業員が心身ともに健康でなければ、欠勤や退職により生産性の低下につながることもあります。従業員の健康にさき回って投資し、人財を大切にすることこそが企業を成長させる重要な要素の一つであるという考えが、いま改めて支持されています。

リップルネット株式会社様では、先述したストレスチェックのほか、経営者自ら残業削減や有給取得率100パーセントの達成を掲げています。もちろん目標を掲げるだけでなくしっかりと達成もしており、有給消化率は3年連続で100パーセントを達成。社内の禁煙化にも大変意欲的に取り組んでおり、灰皿の撤去やオフィス内を全面禁煙として、なんと喫煙率0パーセントを維持しています。

ほかにも、健康相談窓口を設けたり、勤務時間内の運動時間を設けたりすることで、行動を制限する仕組みだけでなく「自ら健康に気を遣う仕組み」を実現していらっしゃるそうです。今回は、そんなリップルネット様の健康経営意識についてお伺いしていきます。

イシャチョク健康経営取材企画では「健康経営」に取り組んでいる企業をオンライン取材し、実際にどのような活動をしているのか深掘りしてお話をうかがい、ご紹介しています。お金をかけず小さな事から始められている事例も多いので、ぜひこうした事例をひとつのヒントに、皆様も一緒に健康経営の第一歩を踏み出してみてください。

会社の略歴、事業について

当社は2007年に創業しました。建設業、製造業のコーポレートサイトからリクルート専用サイト、サイト制作に伴う動画の制作、ならびにチラシ・パンフレットなどの販促ツールの制作や広告デザイン全般も取り扱っています。また、制作するだけでなく、制作したサイトや販促ツールをどのように運用していくか、またインターネットを経営にどう活用していくかといった「運用」の情報を発信するセミナーも行なっています。

なぜ健康経営に取り組もうと思ったのか

きっかけは1人の社員でした。「今日は病院に行ってきます」と言った社員に「どこか悪いのか」と尋ねると、心療内科で安定剤をもらっているとのことでした。社員がそのような体調不良を抱えながら仕事をしていたことに気が付かず、大きなショックを受けました。制作業務は作業が夜まで続くこともありますし、室内にずっとこもっていて外に出ないことも多かったのです。

しかし、あるとき縁があって「健康経営に取り組んでいるチーム」の存在を知り、勉強会に参加しました。まさに自分が感じていた課題に向き合った内容で、すぐさま会社にも導入することにしました。

健康経営に取り組まれてから、社内にどのような影響（効果）が生まれたか

健康経営を意識したころから、さまざまな取り組みを行いました。「太陽を浴びよう」「食事を見直そう」「夜まで残らないよう残業を見直そう」などの声かけから始まり、週に1回は全体MTGで健康について話をしたり、定期的に社員目線を取り入れたセミナーを開催したりしています。

自分自身も健康経営アドバイザーの資格を取りました。最初は「社長が何か始めたな」くらいに思っていた社員も次第に意識が変わり、今は私を含め社員みんなが、以前よりも明るく元気になっていると感じます。

社員から自発的に「こんなことをやってみてたい！」とアイデアが出てくることもありますし、「健康」というキーワードを通してコミュニケーションが増えました。

経営面からみると、健康経営は非常に効率が良い取り組みだと思います。中小企業は社員一人一人の業務比重が大きく、本人や家族が病気になってしまったら彼らの業務をフォローするのにも大きなコストがかかります。病気にならないうちに対策することは、会社にとっても利益に繋がります。

今後新たに取り組まれようとしている健康経営について

社外から講師を招き、健康についての勉強会を開催しようと思っています。例えば「便の見方」など、自分の身近なところから健康意識が高められるような内容にしていきたいですね。

また女性特有の体の悩みについてもみんなで学ぶ機会を設けたいです。今は働き方も多様化しており、当社でもリモートワークの社員が増えてきましたので、ゆくゆくはワーケーションの導入なども検討していきたいですね。

健康経営は「やって終わり」ではなく、継続することが重要です。当社でも時代と共に変化する価値観やニーズを把握しながら、社員が健康に働ける環境づくりを、考え続けていきたいと思います。

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