オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

健康経営取材企画 第三弾 協栄金属工業株式会社

  • TOP
  • コラム
  • 健康経営取材企画 第三弾 協栄金属工業株式会社
2023年2月3日

健康経営は、一番大切な「ふるさとを守ること」を達成するための「手段」

今回取材にご協力いただいたのは「協栄金属工業株式会社」様。社会情勢の変化から経営難に陥りましたが、健康経営も取り入れた抜本的な組織改革と働き方改革で、黒字経営に転換。現在では危機に強い企業体質へと生まれ変わった企業です。

健康経営とは

健康経営とは、経営的観点から、企業に所属する従業員等の健康管理を行うことです。従業員が心身ともに健康でなければ、欠勤や退職により生産性の低下につながることもあります。従業員の健康にさき回って投資し、人財を大切にすることこそが企業を成長させる重要な要素の一つであるという考えが、いま改めて支持されています。

イシャチョク健康経営取材企画では「健康経営」に取り組んでいる企業をオンライン取材し、実際にどのような活動をしているのか深掘りしてお話をうかがい、ご紹介しています。お金をかけず小さな事から始められている事例も多いので、ぜひこうした事例をひとつのヒントに、皆様も一緒に健康経営の第一歩を踏み出してみてください。

会社の略歴・事業について

当社は1972年(昭和47年)に、島根県雲南市で創業しました。当時、過疎化が進んでいた地域で、前年の1971年に企業誘致を行ないましたが、約8か月で敢え無く倒産。そのときから「他人に頼らず自分たちの力で頑張ろう」という気運が高まり、「株主の力」「地域の力」「社員の力」の「3つの力を足して栄える=協栄」という名前で会社を立ち上げました。

広い工場と120台以上の機械を保有しており、金属製品製造業を主に、自社製品の企画製造だけでなく、全国の企業とも取引を行なっています。県内外の外注ネットワークも活かしながら製造しており、厨房機器や農業機器、医療機器や建築資材、自動車部品など約5000種類もの製品に当社の製品が使用されています。

なぜ健康経営に取り組もうと思ったのか

当社が健康経営に取り組んだのは、そうしなければ会社が存続できないという切実な課題があったからです。

創業から今までさまざまな危機がありました。バブル崩壊・リーマンショック、直近ではコロナショックがあります。特にリーマンショックでは赤字経営に陥り、賃金カット、人員削減、長時間労働によって労働災害も頻発し、抜本的な改革が迫られていました。2010年に私・小山が代表取締役社長に就任し、組織全体をあげて大改革に取り組みました。健康経営は2012年頃から取り組み始め、今も継続して力を入れています。

具体的には職場環境の改善を図るための設備投資や、ストレスチェックの実施、コミュニケーションの活性化など、項目は多岐に渡ります。設備投資は私が就任してから12年間で約4億5000万円をかけました。

また当社の特筆すべき点として、障がい者雇用を積極的に行なっています。障がいを持つ従業員でも、能力にあった仕事を選別して職場環境の見直しを行うことで、健常者とも変わらないパフォーマンスを発揮してくれます。さらには一人一人が人を気遣う企業風土が育まれたことで、障がいを持つ方だけでなく全員が働きやすい職場環境へと変化しました。

健康経営に取り組まれて、どのような影響(効果)が生まれたか

危機に強い会社になりました。コロナショックが始まった2020年以降も黒字経営を維持し、今年は創業以来最高の水準で売上が推移しています。

また、定期的に行なっている従業員向けのストレスチェックですが、高ストレスの割合が2017年に20%あったのに対し、2022年は9.1%まで改善されています。これに伴い、労働災害に関しても今では表彰されるほど少なくなっています。

離職率も、障がい者雇用を機に大幅に改善へと転換しました。新卒も毎年採用しており、現在は29歳以下が81名中28名と34.6%。高齢者の多い過疎地域の田舎ですが若手も多く、活気のある職場となっています。

今後新たに取り組まれようとしている健康経営について

今後も従業員の安全を第一に考え、今ある取り組みに関しても常にアップデートして継続していきます。現状、業務が忙しくなっているので特に身体的負担を軽減できるような施策に力を入れていきます。

私が好きな言葉で「一番大事なものがはっきりすると、それ以外は手段になる」というものがあります。当社が一番大事にしていることは「ふるさとを守ること」です。健康経営はその手段の一つであり、健康経営を取り入れることで魅力ある会社に成長させ、地域の魅力を高めていくことが使命だと考えています。

これからも自分だけが良ければいいというのではなく、地域とともに成長・発展していく企業を目指して邁進したいと思います。

今回ご協力くださった企業はこちら

協栄金属工業株式会社
島根県雲南市掛合町掛合1865番地
https://www.kyoei-kakeya.jp/

←戻る