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【第5回】オンライン診療が「診療報酬は安い」のに「むしろ儲かる」納得の理由

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2021年12月11日

コロナ禍により「オンライン診療」のニーズが高まっていますが、本格的に導入しているクリニックは多くありません。導入しない理由は様々ですが、やはり最大のネックは「診療報酬の安さ」でしょう。しかしオンライン診療の導入こそ、クリニックの経営状況を改善する切り札になり得ることをご存じでしょうか。実際に導入した医師が、知られざるメリットを解説します。

患者さんがいない「閑散時間」こそ収入増のチャンス

診療科や患者層、地域の特性によっても大きく異なりますが、一般的なクリニックは、午前中のほうが混み合うものです。

一方、平日の15~17時くらいは、比較的閑散としていることが多いといえるでしょう。特に新型コロナウイルスの感染拡大後は、受診控えによって午後の診療時間に患者がほとんど来ず、診療時間を短縮している医療機関もあるようです。

こうした閑散時間でオンライン診療を行えば、クリニックの収入増が実現できるでしょう。

例えば、フレックス制などの柔軟な勤務態勢を取っている企業では、休憩を自分の裁量でずらして取ることができるところもあります。こうした企業に勤めている人は、会社の昼休みを使って午後診を受けることが可能なのです。

また、育児や介護の関係で、午後ならオンライン診療が受けられるという人もいます。こうした患者をターゲットとすることで、閑散時間を有効活用できるのです。

オンライン診療なら土日・夜間診療のハードルもクリア

そしてオンライン診療なら、診療時間帯を柔軟に設定することも可能です。

このところ、患者のニーズに合わせて土日や夜間に診療を行う医療機関が増えました。私の院でも月・水・木・金曜日だけでなく、土曜日の9~19時と、日曜日の9~12時にも診察を行っています。

しかし、土日や夜間に開院しようとする場合、スタッフの協力を得づらいケースがあります。特に家庭をもっている看護師の場合、土日や夜間の勤務はかなり嫌がられます。

そのために給与の割り増しなどを行えば、人件費の増大につながってしまうでしょう。

その点、オンライン診療なら最小限の人員で実施可能ですし、場合によっては医師1人だけで行うことも不可能ではありません。患者と医師の合意さえあれば、早朝や深夜に診察することもできます。

地域特性などの事情で土日・夜間の診療ニーズが高いのに、看護師や事務スタッフの確保ができず、平日のみ開院しているクリニックは少なくありません。

しかしオンライン診療なら、そうしたハードルを越え、土日・夜間の診療が可能になります。

診療圏は通常「クリニックから15分以内」が限度だが…

私の院は、和歌山県南東部の新宮市にあります。

しかし、来院患者の在住地域は新宮市だけにとどまりません。太地町や那智勝浦町、串本町といった隣接地帯はもちろん、和歌山県西部の田辺市、三重県南部の熊野市や尾鷲市、奈良県南部の十津川村などからもたくさんの患者がやってきます。なかには、車で3時間ほどかけてわざわざ来院する人もいるほどです。

ただし一般的なクリニックの場合は、徒歩や公共交通機関、車などを使って15分以内で到着できるエリアが診療圏となります。

一方、オンライン診療を取り入れれば「15分以内」という診察圏の枠を取り払うことが可能です。もちろん、厚生労働省がオンライン診療の算定条件として「緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関が対面による診察が可能な体制を有していること」と定めていますし、経営改善のためにはオンライン診療を受けた患者を外来診療に誘導して「二重取り」をする必要がありますから、あまりに遠い患者をターゲットにするのは無理です。

しかし、通常の診療圏を超えた層を「見込み患者」として掘り起こすことができるのです。

また、競争の激しい都市部のクリニックにとって、オンライン診療でエリアを超えた集患ができる点は魅力です。これまで、多くの患者は「自宅から一番近いクリニックに行けばいい」と考えがちでしたが、オンライン診療の普及により、「実際に来院するのは数回に1度だから、多少遠くても、評判のいいクリニックを選びたい」という考え方に切り替わる可能性があります。

このように、オンライン診療にはたくさんのメリットがあります。診療報酬の安さなどのマイナス面だけに目を奪われるのではなく、幅広い視野でとらえてみましょう。すると、オンライン診療導入がプラスになることがお分かりいただけると思います。

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