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厚労省COVID-19手引き、3カ月ぶり改訂 検査や治療の最新情報を追加

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2020年12月11日

厚生労働省は12月4日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き第4版」を発表した。9月4日の第3版から3カ月ぶりの改訂となり、検査や治療などの最新情報が追加された。

入院中の二次性細菌・真菌感染症合併の注意情報

 「臨床像」では二次性細菌・真菌感染症に関する項目が新たに追加された。欧州では細菌感染症合併症リスクが入院時3.5%から入院中15%に増加し、人工呼吸器管理が必要な重症例で侵襲性肺アスペルギルス症の合併症リスクが3.2~33%と高くなるなどの報告が記載された。

妊娠後期の有症状例では重症化リスク上昇

 新たに「妊婦例の特徴」に関する項目が追加された。改訂前は「妊娠とCOVID-19と重症化との関連は不明」としていたが、「妊娠中に感染しても基礎疾患(高血圧や糖尿病、肥満)がなければ、同年齢の女性と同じ臨床経過をたどる」に変更された。ただし、日本産婦人科医会や米国での有症状妊婦2.3万例の解析等によれば、妊娠後期の妊婦は重症化しやすいとの報告が記載された。

 「症例定義・診断・届出」の項目では、発熱症状がある人の相談や医療機関受診に関して追加された。発熱したときはかかりつけ医へ電話相談、もしく地域の受診相談センターへの電話相談を推奨するとした。

 「病原体診断」の項目では、COVID-19診断の際の各種検査の適応や、症状発現からの時間、無症状・有症状の有無および医療機関での検査態勢ごとに想定される場面の対応について、詳細情報が追記された。

中等症例へのステロイド使用は呼吸不全の有無がポイント

 「重症度分類とマネジメント」の項目では、中等症患者へのステロイド使用に関して掲載された。呼吸不全なし(中等症I)では予後悪化の可能性があるため、「現時点では酸素投与の必要のない患者にステロイドを投与すべきではないが、継続使用中の場合は中止の必要はない」との見解が示された。一方、呼吸不全あり(中等症II)ではステロイド早期使用を推奨、力価別に推奨用量を記載した。デキサメタゾン6mgは10日間の使用を推奨、代替としてプレドニゾロン40mg、メチルプレドニゾロン32mgも使用可能とした。

治療薬としてアドレノメデュリン、イベルメクチン、バリシチニブを追加

 この他、国内臨床試験中の治療薬として、アドレノメデュリン(血管拡張性ペプチド)、イベルメクチン(抗寄生虫薬)、バリシチニブ(JAK阻害薬)が新たに記載された。

自己採取検体は「マスク・手袋」での取り扱いOK

 「院内感染対策」の項目では、検体採取時の個人防護具について記載された。鼻咽頭拭い液・鼻腔拭い液取り扱い時はフェイスガード、サージカルマスク、手袋・ガウンを着用、鼻腔拭い液・唾液の自己採取検体を取り扱い時はサージカルマスクと手袋の着用を推奨した。

死後のケアに関して

 「死後のケア」の項目では、遺体からの感染リスク対策が具体的に示され、「感染対策を行いつつ、遺族が病室で別れの時間を設けるもできる」とした。

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