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新型コロナによる川崎病患児の増加見られず

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2021年2月15日

欧米では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大に伴い、川崎病患者数の増加や川崎病に類似した症状を伴う小児の重症例が報告されていた。国内の実態調査のため、日本川崎病学会(会長=東邦大学教授・高橋啓氏)は同学会運営委員所属施設を対象に、川崎病患者数と患者に対する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査の実施状況などを調査した。調査結果からはSARS-CoV-2による川崎病患者数の増加は見られなかったことがわかり、結果は学会サイト上で報告された。

前年と比べ川崎病患者は半減

 同学会は2020年5月に学会運営委員所属施設における、①2~4月の川崎病患者数および重症患者数が平年並みか減少傾向であった、②COVID-19で川崎病の合併例は確認されなかった、と報告した。第40回同学会(2020年10月)では、川崎病経過中にSARS-CoV-2検査陽性となった患児2例の報告があった。

 その後、COVID-19のさらなる感染拡大が懸念されたため、2020年11月4日~12月30日に学会運営委員54人を対象に、委員所属施設における川崎病患者数と川崎病患者に対するSARS-CoV-2検査の実施状況についてアンケートを行った。

 その結果、川崎病の急性治療による入院患者数(回答17施設)は2019年1~4月で316例、5~10月で395例、2020年1~4月で266例、5~10月で194例となり、前年比で2020年5~10月の時期は半減したことが明らかとなった。

 川崎病患者に対するSARS-CoV-2検査についての回答は、「全員に実施」5施設、「呼吸器症状がある場合に実施」5施設、「実施せず」3施設、「その他」4施設、「無回答」2施設であった。選択肢以外の実施方針は「発熱や咳嗽があり、他県への移動や接触があったとき」「濃厚接触者、川崎病患者、疑いがあるとき」「川崎病疑いや不全型など川崎病の診断の手引きを満たしていないときや川崎病の診断がついていても、それ以外の症状があったとき」「原則非実施だが、呼吸器症状のあるときは実施する予定」などであった。

 SARS-CoV-2検査方法の回答は、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)9施設、PCR+Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP)4施設、PCR+抗原検査3施設、LAMP、PCR +LAMP+抗原検査、PCR+抗体検査は各1施設であった。

陽性率は川崎病以外と大差なく

 2020年1~10月、小児患者1,680例にSARS-CoV-2検査を行ったところ陽性者は41例だった。川崎病患者99例のうち陽性は2例、川崎病以外の患者1,581例のうち陽性は39例であった。川崎病患者、その他の患者の間の陽性率に大きな違いはなかった。

 結果より、同学会はSARS-CoV-2により川崎病患児の増加はみられないと結論し、外出自粛、マスク着用、手洗い励行などの衛生意識が向上した状況下では他の感染症と同様、罹患者数が減少したことから、川崎病が感染をきっかけに発症する疾患であるとしたこれまでの考え方が支持された」とした。

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