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コロナ下で超過死亡6万、平均余命1年短縮

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2021年2月15日

 英・University of OxfordのRidhi Kashyap氏らは、世界保健機関(WHO)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック宣言が出された2020年3月~11月20日のイングランドとウェールズにおける超過死亡を推定した。「超過死亡は5万7,000例以上で、平均余命が1年短縮した」とJ Epidemiol Community Health(2021年1月19日オンライン版)で発表した。また、2020年末に超過死亡はさらに増加し、12月時点では6万3,000例近くに上ったと推定した。

パンデミック前と比較し超過死亡は15%増

 著者らは過去10年間の死亡率の動向と2020年の全死亡者の死因を比較し、2020年の超過死亡の推定から死亡率に対するCOVID-19パンデミックの影響を調査した。年齢層(0~14歳、15~44歳、45~64歳、65~74歳、75~84歳、85歳以上)ごとの検討や、、死亡者データから平均余命を算出し、過去の平均余命との比較を行った。

 イングランドとウェールズの2020年3月~11月20日の死亡者は43万6,102例で、超過死亡は5万7,419例〔95%予測区間(PI)5万4,197-6万752例〕と推定され、ベースラインより15.1%増加した。さらに、2020年の最終5週間では超過死亡が約5,000例増加し、12月末までのデータでは6万2,750例の超過死亡があったと推定された。超過死亡は全年齢層で女性より男性が多く、5万7,419例中、男性が3万1,791例(55.4%)だった(図)。

図. 2020年パンデミック宣言後のイングランドとウェールズにおける累積超過死亡

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(J Epidemiol Community Health 2021年1月19日オンライン版)

秋から増加に転じる

 超過死亡の多くは高齢者であり、75~84歳ではベースラインより17.2%、85歳以上では13.7%増加していた。また、45歳以上と若年退職者の死亡もベースラインを大きく上回っていた(それぞれ17.6%、16.0%)。15歳未満では超過死亡がみられなかった一方で、15~44歳ではベースラインを上回る超過死亡(652例、6.2%)がみられた。

 高齢者人口の大部分は女性だが、パンデミック中の死亡率は男性に高率にみられた。ベースラインからの超過死亡の増加は男性で16.8%(95%PI 15.4-18.0%)、女性では13.6%(同12.2-14.9%)であった。超過死亡の推移は第一波の終わり(6月)の累積超過死亡は5万3,937例と推定され、夏季は増加せず10月から再び増加に転じていた。

前例のない平均余命の短縮

 平均余命は2019年と比べ女性で0.9年、男性で1.2年短縮していた。著者らによると、2020年12月までのデータに基づくと、それぞれ1.0年、1.3年短縮したと推定される。筆頭研究者のJose M. Aburto氏は「男女とも平均余命が1年短縮し、過去10年間の平均余命の延長が消滅した。特に男性で大きく短縮したのはこれまで前例がないほどの大損失だ」と指摘した。

 同氏らは「超過死亡と平均余命への影響を定量化すると、COVID-19の死亡による影響を包括的に把握できる」としながら、「パンデミックが続く状況下で多様な介入が行われているため、今後、死亡率がベースラインに回復するか、下回るかは不明だ」と述べた。

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