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最終更新日:2022年10月14日

さかご(こつばんい)逆子(骨盤位)

こちらの記事の監修医師
柴田産婦人科医院
柴田 浩之

概要

妊娠が成立すると、胎児は母親の子宮の中で、出産に向けて成長していきます。このときの母親の子宮の中における、子宮の縦軸と胎児の縦軸との位置関係を「胎位」といいます。通常であれば、胎児が成長するにつれて頭部が重くなり、胎児の頭は子宮口のある下を向いた状態になります。このような、頭が下を向いた一般的な胎位は「頭位」と呼ばれます。それに対して、「逆子」とは、お腹の中で胎児の頭が上にある状態のことをいいます。逆子は胎位の異常に分類され、「骨盤位」などとも呼ばれます。しかし一時的に逆子(骨盤位)となっても、多くの場合は発育に伴って自然に頭が下になっていき、分娩時に逆子である確率は約3~5%とされています。逆子の出産では母体と胎児の双方にリスクが伴うため、自然分娩ではなく帝王切開が検討されることが多いです。

原因

妊娠30週ぐらいまでは、胎児は母親の子宮の中で動く余裕があるため、くるくる回り、逆子(骨盤位)となることがあります。また経産婦の場合は、妊娠10か月でも産道の高い所に胎児が位置して、骨盤位になったり治ったりすることがあります。ほかにも、羊水量が通常よりも過剰となる羊水過多や、胎児の形態異常である無脳症、多胎妊娠などにより胎盤が子宮の低い位置に付いている場合など、胎児や母体に何らかの要因がある場合もあります。

症状

分娩時に児の頭が母体の骨盤に引っかかり出てきづらくなり低酸素状態になるリスクもあります。そのため逆子の出産は自然分娩ではなく帝王切開も検討されます。

検査・診断

逆子(骨盤位)などの胎位の異常は、超音波(エコー)検査で調べることが出来ます。超音波検査は妊婦健診で行われている一般的な検査です。子宮に超音波を当てて胎児の発育の経過を観察するとともに、体の位置や向きなどの異常も調べることが出来ます。また、一時的に胎児が逆子になっても、多くの場合は分娩までに自然と頭位へ戻っていきます。分娩時に逆子である確率は約3~5%とされています。そのため逆子の診断は妊娠30~34週を目安に行なわれます。

治療

逆子(骨盤位)になったときの対処法として、「外回転術(骨盤位外回転術)」があります。外回転術とは、医師が妊婦のお腹の外から胎児を回転させて、逆子の状態を回避する矯正法です。医学的根拠に基づいた方法で、かつ成功率が高いとされており、先進諸国で推奨されています。また、必ずしも効果が期待できるとは限りませんが、民間では逆子体操などが指導されることもあります。もし逆子のままで出産することになる場合は、帝王切開が検討されることが多いです。医療機関で適切な説明を受けて対処しましょう。

予防/治療後の注意

一時的に逆子(骨盤位)となっても、発育に伴って自然に頭が下になっていくことがほとんどです。そのため胎児の向きについて過度に神経質になる必要はなく、通常通りに過ごしましょう。また、もし医師から逆子体操などを指導された場合には、無理のない範囲で試してみましょう。また、逆子だと分かったことで、胎児の健康状態についても心配になるかもしれません。しかし、胎児が逆子であるからといって、胎児の形態異常の確率が上がるわけではありません。胎児の形態異常が原因で逆子になることはありますが、逆子であるからといってその確率が高いとはいえないため、過度に心配したり、ストレスを抱え込み過ぎないようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

柴田産婦人科医院

柴田 浩之

〇診療科目 :産婦人科

《 経歴 》
1992年 獨協医科大学卒業
獨協医科大学付属病院第一麻酔科
日本医科大学附属病院産婦人科
日本赤十字社葛飾赤十字産院
下都賀総合病院産婦人科
東京都立墨東病院周産期センター産婦人科
2003年 柴田産婦人科医院 副院長
2019年 柴田産婦人科医院 院長(2月)

《 資格・所属 》
日本産科婦人科学会専門医
厚生省認定麻酔科標榜医
母体保護法指定医師
日本医師会認定健康スポーツ医
八王子市立中学校医
日本能力開発推進協会認定幼児食インストラクター
上級幼児食インストラクター