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最終更新日:2021年12月7日

かんせんせいちょうえん感染性腸炎

感染性腸炎

まとめ

腸管が細菌、ウイルス、寄生虫などに感染して発症するのが感染性腸炎で、一般的には食中毒とよばれる疾患です。細菌が付着した食物の摂取により発症する細菌性腸炎は、一般的には夏季の発生が多いです。一方、冬季から春先にかけての発生が多いのがウイルス性腸炎で、原因ウイルスとして感染力の強いノロウイルスが良く知られます。

この病気の原因

感染性腸炎の原因には細菌により汚染された食品や水の摂取による経口感染のほか、ヒトからヒト、ペットからヒトへの接触感染もみられます。ヒトの皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌は素手で調理した食品(おにぎり、寿司、サンドイッチなど)に付着することで食べた人が感染します。魚介類には腸炎ビブリオ菌が付着し、魚をよく洗浄せずに調理したり、魚の調理後によく洗浄せずまな板を使うことで他の食品に付着して感染します。その他、卵や鶏肉、ウナギ等に付着しているサルモネラ菌、食肉の常在菌のカンピロバクターがあります。腸管出血性大腸菌(O157など)は感染力が強く、汚染された水や食品を介して発症します。ノロウイルスは牡蠣に付着しており、生食による経口感染のほか、感染力が強いことから、感染者の唾液や糞便に触れたり、乾燥した飛沫を吸い込むことでも感染します。乳幼児に多いロタウイルスによる胃腸炎は乾癬所の唾液、糞便により感染します。チフス菌、パラチフス菌は患者の糞便により汚染された食品を介して発症することがあり、海外渡航者が現地で感染することが多いです。腸炎を発症する寄生虫には魚介類の内臓に生息するアニサキス、クドア・セプテンプンクタータがあります。

主な症状

感染した病原体により感染性腸炎の症状には個人差がありますが、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐の症状がみられることが多いです。また、感染後の潜伏期間が病原体によりそれぞれ異なります。高熱が出て水様性の下痢がみられるのはサルモネラ菌、カンピロバクター、ロタウイルスなどです。ノロウイルスは下痢・嘔吐が主症状で、高熱は出ないことが多いです。ロタウイルスは乳幼児が感染しやすく、下痢や嘔吐がみられます。重症化して肝機能異常、脳症、心筋炎を合併すると死亡リスクが高まります。チフス菌、パラチフス菌では発熱が主症状です。腸管出血性大腸菌やアニサキスでは激しい腹痛がみられます。

検査/診断の方法

黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、アニサキスの潜伏期間は2日程度で発症し、食中毒に気がつくことが多いです。腸管出血性大腸菌、カンピロバクターは潜伏期間が長い場合は8~10日のこともあり、他疾患の鑑別が必要であったり、感染経路を辿るのに時間がかかることもあります。カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、病原性大腸菌による腸炎は血便がみられることがありです。チフス、パラチフスはアジア諸国などの海外渡航歴のある人に発症しやすいため、渡航歴を確認します。病原体が付着しやすい食品や発症時期から原因を特定するため、問診では食肉、魚、卵、レバーなどの摂取時期を確認します。細菌性腸炎では患者から採取した便や腸液を培養して細菌検査を行います。ウイルス性腸炎では患者の吐しゃ物、便などからウイルスが含まれる物質や遺伝子を検出します。

主な治療方法

感染性腸炎の治療は対症療法を基本とします。下痢症状がひどいときは点滴治療を行います。下痢症状があっても体内に有害な物質を溜めることになるため、止痢薬は基本的には使用せず、腸の働きを整える整腸剤を使用します。抗菌薬は原因となる病原体により投与するかを決定します。チフス、パラチフス、赤痢菌では抗菌薬の投与が必要です。腸管出血性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、サルモネラ菌などは症状や状態をみて抗菌薬を投与します。判断基準としては高熱、下痢の回数、血便の状態のほか、抵抗力の弱い乳児、高齢者、人工弁、人工関節、人工血管を使用している人などです。

治療後に注意すべき点/予防対策

感染性腸炎の予防として、肉は中心部までしっかり火を通し、肉や魚を調理したまな板や包丁はよく洗浄し消毒して細菌、ウイルスなどの感染を防ぎます。調理者は調理前後には手洗いを敢行し、日頃から体調管理に気を配ります。ノロウイルスは幼稚園・保育園などの施設で集団感染し、さらに家庭内に持ち込まれて感染が広がることがあります。ノロウイルスに感染した幼児の嘔吐物・排泄物の処理について、床に付着した場合などは拭き取った後に塩素系漂白剤を希釈した液にて消毒します。ノロウイルスが残留していると乾燥後に空気中に浮遊し、それを吸い込むことにより感染するため、処理を行う人はマスクや使い捨ての手袋、ガウンを付けます。乳幼児が感染しやすいロタウイルスにはワクチン接種にて予防します。海外渡航者は旅行前に腸チフスワクチンを接種して感染予防を行います。滞在先では生もの、生水を摂らないように気をつけます。