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最終更新日:2022年10月2日

かびんせいはいえん過敏性肺炎

こちらの記事の監修医師
あおき内科・さいたま糖尿病クリニック
青木 厚

過敏性肺炎

概要

過敏性肺炎とは、真菌胞子などを含むチリやほこりなどの有機物の粉塵や化学物質といった抗原によって引き起こされるアレルギー性の肺炎です。原因となる抗原を繰り返し吸い込むことでアレルギー反応が生じ、肺胞(肺にある小さな袋)や細気管支(細い気管支)の中や周囲に炎症が起こります。感作された物質に再度さらされると、4~8時間以内に咳や息切れ、発熱、悪寒などの症状が現れます。胸部X線検査と肺機能検査を行って、肺に異常がないかを調べます。重症の場合には薬物療法や酸素療法が必要になることがあります。特に30~50歳代が多いといわれています。また、年間を通して発症しますが、なかでも春から秋にかけて多く見られ、特に高温多湿になる夏に多発します。過敏反応を引き起こしている物質は、ときに血液検査によって特定できることがあり、また患者が職場で病気になった場合は、産業衛生の専門家が職場を調べ、誘因の特定に努めることもあります。

原因

過敏性肺炎の原因となる抗原は300以上あるとされています。7割の頻度と言われるものにカビが挙げられ、特にトリコスポロンという真菌が原因になることが多く、これは主に6~10月にかけて木造の古い家に生息します。また、カビの生えた穀物や干し草の中にいる菌や、エアコンや加湿器に生じた菌など、さまざまな菌が抗原となりえます。菌は一般的に高温多湿の環境を好むため、過敏性肺炎は夏に頻発し、夏型過敏性肺炎と呼ばれています。そのほかの抗原として、きのこの胞子、鳥類の糞または羽に含まれるタンパク質、ポリウレタンの原料の1つであるイソシアネートなどが挙げられます。こ最近では羽毛布団による過敏性肺炎が注目されています。このような抗原を吸い込むことで、リンパ球が抗原に対して反応し、肺内にリンパ球が増えることによって炎症が起こると考えられています。一般的に急性過敏性肺炎は高濃度の抗原にさらされることで生じ、慢性過敏性肺炎は低濃度の抗原に長期間さらされることで起こります。

症状

過敏性肺炎は、症状が発現する速さに応じて急性、亜急性、慢性に分類されます。急性過敏性肺炎は原因となる抗原を吸い込んでから通常4~8時間後に発熱、乾いた咳、息切れ、悪寒、胸痛、嘔気や嘔吐、食欲不振など症状が現れ、亜急性過敏性肺炎では数日から数週間かけて発症します。慢性過敏性肺炎においては数か月から数年かけて繰り返し、低濃度の抗原長期間さらされることで、徐々に進行し、慢性的な炎症に伴って肺が厚く硬くなっていき(線維化)、咳や疲労、体重減少、運動時の息切れから呼吸不全に陥ることがあります。

検査・診断

問診と身体診察を実施します。胸部X線検査や胸部CT検査、呼吸機能検査、血液検査などを行います。過敏性肺炎があると、これらの画像検査でスリガラス陰影と呼ばれる淡い陰影が認められます。また、呼吸機能検査によって肺活量や酸素を取り込む能力などを調べ、肺がどのくらい機能しているかを評価します。また、血液検査にて、原因となる抗原の特定や他疾患との鑑別を行います。診断がつかない場合には気管支肺胞洗浄検査や肺生検が必要になることがあります。

治療

過敏性肺炎の治療は抗原を避けることが基本で、軽度の急性過敏性肺炎であれば一般的に抗原を避けるだけで改善します。再発予防としても抗原の回避が重要となるため、原因となる抗原が家や職場環境にある場合には転居や大掃除、転職など環境を変える対策が必要になるでしょう。中等度以上の過敏性肺炎ではステロイド薬を服用する必要があります。また、肺の酸素を取り込む能力が大きく低下している場合には、在宅酸素療法を行います。

予防/治療後の注意

予防は原因抗原からの隔離しかありません。原因が住んでいる家の場合は、大掃除を行なうなど、家のなかの環境を整えましょう。また、過敏反応を引き起こす可能性が高い物質を扱う労働者は、作業中にフェイスマスクなどの防護具を着用しましょう。再度さらされないようにすれば、通常回復しますが、肺の炎症を緩和するためにコルチコステロイド(体内の炎症を軽減するために使用できる最も強力な薬)の服用が必要になることもあります。

こちらの記事の監修医師

あおき内科・さいたま糖尿病クリニック

青木 厚

【経歴】
2002年 福井医科大学(現 福井大学)卒業
2002年 長野赤十字病院
2004年 川崎市立川崎病院 内科
2006年 自治医科大学附属さいたま医療センター 総合診療科
2008年 自治医科大学附属さいたま医療センター 内分泌代謝科
2010年 自治医科大学大学院 医学研究科 入学
2014年 自治医科大学大学院 医学研究科 卒業 医学博士 習得
2015年 青木内科・リハビリテーション科 開設