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最終更新日:2021年12月4日

ちゅういけっかん・たどうせきしょうがい注意欠陥・多動性障害(ADHD)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

まとめ

注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは、年齢や発達にふさわしくない行動、たとえば物事に意識を集中できなかったり、衝動的で落ち着きのない行動をとることにより、学業や日常生活の様々な場面で困難が起こっている状態が続いている状態です。症状が現れる原因は解明されていませんが生まれつきの障害であり、男児の発症率が高く、女児の3~5倍とされます。ADHDは早期介入が重要で、症状に気づかなかったり適切に対応しないと攻撃的な問題行動を起こしたり、学習の遅れが発生します。また、大きなストレスを溜めることでメンタルヘルスの問題が起こりやすくなります。

この病気の原因

原因不明で、遺伝的要素、環境的要因、周産期の問題などの要素が複合的に関連して症状が現れるといわれます。脳の機能に問題がある生まれつきの障害であり、現在も研究が進められています。

主な症状

ADHDの症状は「不注意」と「多動・衝動性」の2つにわけられます。不注意がみられやすいタイプ、多動・衝動性がみられやすいタイプ、不注意と多動・衝動性の両方が混在するタイプの3つの型があります。不注意に関連した行動では、学習中に不注意な間違いをすることが多い、学習中、遊ぶ最中で注意力が持続しない、学習課題を順序立てて行ったり、指示に従いやりとげることが難しい、忘れ物・なくし物が多い特徴がみられます。多動・衝動性に関連した行動では、授業中そわそわしたり、勝手に席を立ってしまう、走り回る、何かに突き動かされるように行動する、順番を待てない、他人の妨害をする、などがあります。

検査/診断の方法

本人および保護者への問診を行い、日常生活で困難を感じていることを確認します。ADHD Rating Scale-Ⅳなどによる自己評価、親・学校の教師による子どもの行動のチェック、WISC-Ⅲなどによる知能・学習能力の評価、CT、MRI、脳波検査、血液検査を行い、その検査結果から総合的に診断します。

主な治療方法

心理社会的治療と薬物治療の2つがあります。心理社会的治療では、本人が生活しやすい環境を周囲が整える環境調整を行います。学習に集中して取り組めるように机周りは勉強関連以外のものを置かない、忘れ物がないように必要なものを前日にリストアップするよう促す、学校では先生の近くの席に座り、クラス全体への指示が分からなかったときに質問して授業の進行についていけるようにする、などです。また、保護者・学校関係者などもADHDの子どもの特性を理解し、彼らの行動に対して適切な対処ができるようADHDについて学習します。好ましい行動はささいなことでも褒め、攻撃的な行動をとっているときはまずその場から離れさせ、クールダウンさせるなどです。薬物療法で使用される治療薬は、ドパミンとノルアドレナリンの作用を強め集中力を高めるメチルフェニデート、ノルアドレナリンの量を増やすアトモキセチン、ノルアドレナリンによる神経伝達の環境を調整するグアンファシンがあります。各治療薬にはそれぞれ食欲低下、頭痛、眠気、血圧低下などの副作用があるため、日常生活への支障がでないよう、投与量は慎重に調整されます。

治療後に注意すべき点/予防対策

ADHDは早期介入が重要といわれます。放置すると心身への影響が広がります。対人への不安や緊張が高まり不登校につながったり、反抗的・暴力的行動がみられることもあります。ADHDは家庭内だけではなく幼児健診や保育園・幼稚園の集団生活で気づかれることもあります。気がかりな行動などがあれば早めに自治体の保健福祉に関連する窓口(発達支援センター、家庭支援センター、保育園、幼稚園、保健所、児童相談所など)に相談します。公的な保健福祉の窓口では必要に応じて地域の児童精神科の紹介が可能です。ADHDを診る医療機関は児童精神科あるいは小児科ですが、医師の数が少なく受診までに時間がかかることがあります。ADHDは本人と周囲が付き合っていく必要があります。本人および周囲の人が特性を理解し、適切な行動をとれるようサポートすることが重要です。本人の自己肯定感を高めるため、得意なことに気づき、やればできることに気づかせることが重要です。自分に自信がつけば周囲の人とも良好な関係をつくることもできます。