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最終更新日:2021年12月7日

がん

癌

まとめ

異常細胞が周囲に広がり浸潤し、他の臓器などに転移して臓器や生命リスクに悪影響を及ぼすものを悪性腫瘍といいますが、体や臓器の表面(上皮細胞)にできるのが癌です。悪性腫瘍ができた臓器別に、大腸癌、胃癌、肺癌、乳癌、子宮癌、肝臓癌、膵臓癌などに分類されます。発生部位、種類、進行度、転移などの状況により経過は異なります。がんは日本人が生涯で2人に1人が診断される疾患です。早期発見・治療であるほど生命予後は高くなるため、定期的に癌検診を受けることが大切です。

この病気の原因

癌はさまざまなリスクが重なり発症するといわれます。喫煙、飲酒、赤身肉、加工肉、塩分の高い食品を多く摂取し続けると発症リスクが高まるとされます。不規則な食生活、不眠、ストレスもリスクとされます。大腸癌は高脂肪食、低繊維食により発症リスクが高まります。肺癌の原因で最も多いのは喫煙です。女性に多い乳癌は、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、妊娠歴がないなど、月経時に分泌されるエストロゲンの影響を長期に受けると発症リスクが高まります。ウイルス感染により発症する癌もあります。子宮頸がんではヒトパピローマウイルス、胃癌ではヘリコバクター・ピロリ、肝臓癌ではB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)です。エストロゲン、プロゲステロンなどの性ステロイドホルモンは乳癌、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌のリスクを高めます。その他、癌の発症原因には遺伝性も指摘されています。家族内で若くして癌を発症、複数回発症、特定の癌に罹患する人が複数名いると家族内の人は発症リスクが高いとされます。

主な症状

細胞の遺伝子が傷つくと異常細胞ができる前癌病変となります。その後、異常細胞が増加して塊となり周囲に広がりやすい上皮内新生物となります。異常細胞が細胞の基底膜を越えて周囲に広がる浸潤を起こし、血管から全身に転移すると浸潤癌となり、癌が進行します。悪性腫瘍が生じる臓器では臓器機能が失われることで、さまざまな症状がみられますが、初期段階では自覚症状がほとんどないこともあります。日本人に最も多い大腸癌では初期症状はほとんどなく、進行すると血便、下血、腹痛、便秘、下痢などの症状がみられます。胃癌でも進行するまで自覚症状がみられず、進行するとみぞおちの痛み、胸やけ、不快感などがみられます。肺癌は他の呼吸器疾患の症状にもみられる咳、痰が出る、動悸、胸痛がみられます。男性に多い前立腺癌は前立腺が尿道を圧迫するため残尿感、頻尿がみられます。女性に多い乳癌は乳房のしこりができるため、乳房マッサージによるセルフチェックである程度は確認することができます。

検査/診断の方法

各種癌検診や定期健診で異常がみられた場合は精密検査を行い、超音波検査、CT・MRI検査などの画像診断にて進行度を確認します。大腸癌検診ではで便潜血検査を行い異常がみられた場合は注腸造影検査、大腸内視鏡検査、生検、CT・MRI検査などを行い、病変の有無、位置、大きさ、形状、他の臓器への転移を観察します。胃癌検診ではエックス線検査や内視鏡検査を行います。血液検査によるヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無などを調べるABC検診も行われます。異常がみられた場合は、エックス線検査のみの場合は内視鏡検査を行い、生検にて病変の有無や位置を調べます。癌の進行度を確認し、治療方針を確定するため、さらにMRI・CT検査などを行います。肺癌検診では胸部エックス線検査や喀痰検査を行い、異常がみられたらCT検査や気管支鏡検査にて腫瘍の有無、PET/CT検査にて転移の状況を調べます。肺癌検診では腫瘍マーカーによる検査を行い、異常がみられたらMRI検査、生検などを行い、確定診断します。乳癌検診ではマンモグラフィや超音波検査にて病変の有無を確認します。異常が疑われる場合は病変の一部を採取して顕微鏡で観察する細胞診、組織診も行います。

主な治療方法

癌の進行度や体の状態などから治療法を決定します。切除可能な場合は手術が第一選択となりますが、広範囲に転移して手術不可の場合もあります。大腸癌では腫瘍が切除可能な症例では内視鏡手術、腹腔鏡下手術およびリンパ節郭清、開腹手術を行います。切除不可の場合は抗癌剤による薬物療法を中心に行います。胃癌の治療には内視鏡手術、腹腔鏡下手術およびリンパ節郭清、外科手術、薬物療法があります。手術療法では癌が周辺臓器(肝臓、横隔膜、膵臓など)に転移した場合はその部分も切除します。胃の切除範囲により、胃と腸を繋ぐ再建術を行います。薬物療法には抗癌剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬などがあります。肺癌では手術治療を行い、手術不可の場合は放射線治療を行います。薬物療法は手術および放射線治療と組み合わせて行います。前立腺癌では手術療法、放射線療法のほか、ホルモン治療(注射、内服)を行います。乳癌では乳房の一部、あるいは全摘出手術を行った後、乳房の再建術を行います。放射線治療は乳房の部分切除後に行います。薬物療法は手術療法と組み合わせて行います。

治療後に注意すべき点/予防対策

禁煙、節酒、食習慣の見直しや改善、適度の運動によりある程度の予防は可能ですが、癌の発症を完全に防ぐことはできません。定期的に癌検診を定期的(年1回、2年に1回など)に受けます。無料で検診を実施している自治体もあるため、健康管理のため積極的に検査を受けましょう。また、癌検診の精度は完全ではなく、見逃される場合もあるため、日頃から自身の健康に気を配り、気になる体の不調がみられたら放置せずに受診することが必要です。癌の手術後の生活は、手術前と大きく変わることがあります。胃癌手術後はダンピング症候群が起こりやすく、食生活も切除後の胃に合わせて1日5~6回に分けて食事をとります。大腸癌で人工肛門(ストーマ)をつくった場合は便の排出やストーマの管理を行います。治療後も定期的に受診し、再発の可能性が高い時期は数か月ごとに検査を行います。治療後も規則正しい生活を送り体調を良好に保ち、禁煙、節酒につとめ、栄養バランスのよい食事をとり、適度な運動を行います。癌は再発・転移することがあるので、治療後も定期的に病院を受診することが必要です。