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最終更新日:2022年10月2日

あみろいどーしすアミロイドーシス

こちらの記事の監修医師
TMG宗岡中央病院
小室 哲也

アミロイドーシス

概要

アミロイドーシスとは、「アミロイド」と呼ばれる異常蛋白質が、脳や心臓、腎臓、消化管、神経などが、全身の様々な臓器に沈着することで引き起こされる機能障害の病気の総称になります。そのアミロイドが、複数の臓器に沈着するものを、全身性アミロイドーシスといい、一つの限局した臓器に沈着するものを、限局性アミロイドーシスといいます。原因となる異常蛋白質の種類は複数あります。そして、アミロイドーシスには、遺伝性・非遺伝性のものがあります。治療法の選択につながる種類分けが難しいことから、専門医の診療を必要とする病気になります。例として、ALアミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチーはそれぞれ国内に数百人の患者がいると推測されています。また、脳アミロイドーシスの過半数を占めているアルツハイマー病の患者は国内に約200万人存在するとされております。高齢化社会が進む中で、今後もその数はさらに増加していくものと考えられています。ALアミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチー、老人性全身性アミロイドーシスは、厚生労働省の特定疾患(指定難病)に指定されており、公費から医療費補助を受けることができます。

原因

アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常蛋白質が、全身の様々な臓器に沈着することで引き起こされます。その原因となる異常蛋白質が生じる過程についてのメカニズムはいまだに不明になっています。

症状

アミロイドーシスは、全身の様々な臓器に沈着することで機能障害を引き起こします。心臓の障害では、心不全症状や不整脈があります。腎臓の障害としては、ネフローゼ症候群や腎不全といったものがあり、消化管の障害では、下痢・嘔吐・便秘・腸閉塞・呼吸不良症候群などがあります。また、末梢神経障害では、多発するしびれや麻痺・立ちくらみ・排尿の異常などがあります。その他では、舌・甲状腺・肝臓や脾臓の腫大や、皮膚の限局性肥厚などがあります。全身性アミロイドーシスでは、多臓器での障害がみられるようになり、初期症状は全身の倦怠感・体重減少・貧血症状・浮腫といった、非特異的な症状もあります。

検査・診断

アミロイドーシスは、症状を元にして、採決・採尿、画像検査や内視鏡検査を行い、機能障害を詳しく診ていきます。また、原因蛋白質によって病型が分けられているため、分類によって治療方針が変わります。その判断材料として、血清アミロイドAの測定・尿中免疫グロブリンの軽鎖測定も実施します。遺伝・非遺伝を確認するため、遺伝子検索を含む病型を分けるための検査も同時に行います。そして、確定診断をするために、胃十二指腸粘膜や腎などの病変の組織を採取する生検を行います。コンゴーレッド染色を行いアミロイド沈着が確認し、それぞれのアミロイド蛋白が特異的に染色される抗体を用いた免疫染色という検査をします。それにて、どの種類のアミロイドなのかを突き止め、沈着したアミロイド蛋白の種類を決定いたします。

治療

アミロイドーシスの治療法は、アミロイドの沈着過程を修飾する治療の抗アミロイド療法・根本療法と臓器症状に対する治療法の2つに分けられます。今まではそれぞれの症状に対する2つの対症療法が中心になっていましたが、アミロイドーシスの種類によっては根治的治療法が発展してきたものがあります。その例としては、家族性アミロイドポリニューロパチーに対して肝臓移植、ALアミロイドーシスに対しては自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法などになります。

予防/治療後の注意

機能障害を引き起こしている臓器によって、生活上の注意点も変わってきます。消化管や腎臓に機能障害がある場合には、食事制限を受ける可能性があります。

こちらの記事の監修医師

TMG宗岡中央病院

小室 哲也

〇病院名 :TMG宗岡中央病院
〇医師  :小室 哲也
〇アクセス:埼玉県志木市上宗岡5丁目14−50
〇診療科 :総合内科

【経歴】
2004年埼玉医科大学卒業。
総合内科専門医、循環器専門医、集中治療専門医の3つの専門医資格もっており、現在は内科を中心とした総合診療行っている