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最終更新日:2022年3月4日

しんきんしょう心筋症

こちらの記事の監修医師
おおつか医院
大塚 亮

概要

心臓の筋肉が異常を起こし、心臓の機能が低下してしまう病気になります。心筋症には、心臓の収縮能が低下し、特徴的な拡張を現す「拡張型心筋症」が主にありますが、他に心筋の肥大が特徴的な「肥大型心筋症」、心筋の拡張が高度に障害される「拘束型心筋症」と大きく3つに分かれています。一部では、ウイルス感染や遺伝子の異常・免疫反応などが原因と言われていることもありますが、多くは原因不明のままです。心筋症になると多くの場合、心臓から必要な量の血液が送り出されなくなり、息切れや浮腫、疲労といった心不全の症状が現れます。一部では、胸痛・失神・不整脈などの症状が起こることもあり、突然死に至ってしまう場合もあります。心筋症は国で定める特定疾患の難病指定されているものもあり、医療費の補助なども整備されています。以前までは「不治の病」と言われていましたが、今では医療の進歩により、ペースメーカーや有効な薬物療法も進んでいます。人により症状やタイプ・重症度が変わるため、きちんとした医師の診断と治療が必要となります。

原因

心筋症は、タイプにより原因が変わってきますが、はっきりとした原因がわからないケースが多いです。特発性拡張型心筋症は、2000人に1人程度いると言われており、20%から40%は遺伝子の変異が原因と言われています。遺伝子とは別で、心臓の筋肉がウイルス感染・免疫異常を起こしているのではないかと関連性を疑われていますが、明らかな原因はまだ分かっていません。一方、肥大型心筋症は、心臓の筋肉が収縮するのに必要なタンパク質の遺伝子変異が主な原因と分かってきました。半数の方は、家族に同じ病気を持っていたり、多くは遺伝子異変と考えられています。一部では、家族にこの病気を持つ人がいない場合も遺伝子の変異が関係していることもあります。

症状

タイプにより、症状や症状の出方は変わります。主に心不全の症状が現れ、軽症の場合は生活に支障はないですが、進行するにつれ息切れ・動悸・足がむくむ・夜横になると咳が止まらず、息苦しくなるなどの症状がではじめます。さらに進行してしまうと重篤化し、食欲がなくなり、室内を歩行することができなかったりします。寝たまま動けなくなる、酷い倦怠感、冷や汗が出る、脈の乱れにより気を失うこともあるので、注意が必要です。

検査・診断

心電図や超音波検査・胸部X線検査などさまざまな検査を行い、心臓の大きさや形、心筋の厚さ・収縮力を調べます。また、胸部CT検査・MRI検査・心臓カテーテル検査・心筋シンチグラフィーなどが行われることもあります。重症不整脈を合併すると、突然死の原因となることがあるので、不整脈の評価は大切です。

治療

特発性の場合は特別な治療法はなく、まず薬物治療が選択されます。軽度の肥大型心筋症では、無治療で経過観察をする場合もありますが、基本的には薬物治療が行われます。閉塞性の場合で薬物治療に抵抗がある時には、手術治療なども考えられます。拘束型心筋症では、有効といわれる治療法はいまだ確立されていないため、対症療法が無効な場合、心臓移植も含めた検討をしなければなりません。

予防/治療後の注意

治療後は、心臓に負担をかけない生活が必要です。生活習慣病なども関係してくるため、十分な睡眠をとることや、正しい食生活・適度な運動などを取り入れ、肥満を避けるなどの考慮も必要となります。水分・塩分の摂取し過ぎは、心臓への負担となるため注意しましょう。一度なってしまうと完治が難しい病気なので、医師の判断に従い長い期間に渡りますが、薬を飲み続けることが重要となります。早期に発見・診断し、適切な治療を行うことが病気の進行を抑えることにつながります。

こちらの記事の監修医師

おおつか医院

大塚 亮

〇アクセス:奈良県生駒市あすか野北1-2-12
〇診療科 :循環器内科 , 内科 , 小児科

《略歴》
1996年大阪市立大学医学部卒業、淀川キリスト教病院等で研修。
2002年大阪市立大学大学院医学研究科循環器病態内科学修了
2002年Columbia Presbyterian Medical Center, Adult cardiology
2005年大阪市立大学医学部附属病院循環器内科 博士研究員
2008年大阪市立大学医学部附属病院循環器内科 病院講師
2010年西宮渡辺心臓脳・血管センター 画像診断部部長
2014年当院の非常勤勤務から院長となる。

《資格》
日本循環器学会認定 循環器専門医

《所属学会》
日本内科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本抗加齢医学会

治療に適した診療科目

循環器内科

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