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最終更新日:2021年12月4日

もうのうえん(もうほうえん)毛嚢炎(毛包炎)

毛嚢炎(毛包炎)

まとめ

黄色ブドウ球菌などの細菌感染により毛穴が腫れて赤くなり盛り上がった状態を毛嚢炎(毛包炎)といいます。毛包部にできた傷口から細菌が感染して起こります。盛り上がった部分が硬いしこりになり痛みがある状態は「せつ」(おでき)といいます。男性のひげのある部分にできた毛嚢炎は尋常性毛嚢といいます。

この病気の原因

毛包部にできた傷(引っ掻き傷、刺し傷、ひげそり後の傷)などにより、皮膚に細菌が侵入して炎症を起こします。原因となる細菌は黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌です。衛生状態がよくない入浴施設やプールで緑膿菌に感染してできた毛包炎は温浴毛包炎といいます。皮膚の常在菌のマラセチアにより起こる炎症はマラセチア毛包炎といいます。その他、ステロイドの外用薬によっても毛包炎になることがあります。

主な症状

毛穴が腫れ赤く盛り上がります。一箇所のみにできることもあれば、複数箇所にできることもあります。全身にできますが、首の後ろ、大腿部、臀部、性器の近くにできることが多いです。軽い痛みや痒みを伴います。毛包炎が悪化して膿疱が硬くしこりができると「せつ」といい、より赤みが強くなり、熱をもち、痛みや圧痛がみられます。男性のあごひげ部分に毛嚢炎ができると隣接する複数の毛包、リンパ節や組織にも炎症が拡大しやすく「よう」といわれます。強い痛み、発熱があり体調不良となります。

検査/診断の方法

問診、視診により診断します。毛嚢炎が再発を繰り返す場合は膿の一部を採取して培養し原因となる細菌を調べるため、細菌培養検査を行います。

主な治療方法

抗生物質を含む軟膏を患部に塗布します。症状がひどい場合は抗菌薬を服用します。軽症であれば治療を行わず、皮膚を洗浄し清潔を保ったり、市販の抗菌薬配合の外用薬の塗布のみで軽快しますが、市販薬で効果がなかったり、悪化した場合は皮膚科を受診し、発症の原因菌に合わせて抗菌薬の外用・内服を行います。膿があり赤くなっている場合は皮膚を切開して膿を出し、出した場所を洗浄します。せつ、ように進行している場合は皮膚科を受診して治療します。

治療後に注意すべき点/予防対策

日頃から皮膚を清潔に保ち、炎症を予防します。アトピー性皮膚炎の人は毛嚢炎になると治りにくいため、注意します。ひげそり後の部分に毛包炎ができた場合は、治まるまでひげそりは控えます。脱毛を自分で行う場合は肌を清潔に保ち、処理後は保湿クリームを塗りましょう。栄養バランスのよい食事や睡眠をしっかりとり、健康を保つことも大切です。