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手荒れ(進行性指掌角皮症)【イシャチョク】

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最終更新日:2022年11月29日

てあれ(しんこうせいししょうかくひしょう)手荒れ(進行性指掌角皮症)

こちらの記事の監修医師
いなばクリニック
稲葉 岳也

概要

進行性指掌角皮症とは、いわゆる「手荒れ」のことをいいます。主婦、美容師、飲食店員など、頻回に手を洗う機会のある水仕事をする職業の人によくみられます。また、事務職や銀行員の人にもよくみられ、紙幣をよく扱うために手指の皮脂が減る上に、繰り返し指先に刺激が加わることによるものと考えられます。また、体質的に、幼少期にアトピー性皮膚炎があり皮膚のバリア機能が弱い人にみられやすい病気です。主に利き手の指先から起こり、皮膚が乾燥して皮が剥けたり、さらに硬くなってひび割れたり、指紋がなくなったりするといった症状がみられます。悪化すると両手の平全体にまで広がります。冬には症状が悪化しますが、夏にはよくなることが多いようです。さらに進行すると、赤みや痒み、さらには小さな水ぶくれやひび割れもみられるようになっていきます。

原因

進行性指掌角皮症は、水や洗剤、消毒液などの使用により皮膚のバリア機能が低下して、手の皮膚に炎症が起こることによると考えられています。また紙や段ボールをよく扱い、頻繁に指先に刺激が加わる人も発症しやすいです。人間の皮膚の表面は、角質層と皮脂膜で保護されていますが、指先と手掌は皮脂を分泌する皮脂腺が少なく、皮膚膜が薄い状態です。角質層は比較的厚くできですが、頻繁な水仕事により段々と水分が失われていきます。さらに元々手指は外的刺激を受けやすい部位であることも原因の一つです。

症状

進行性指掌角皮症は、主に利き手の親指、人さし指、中指から発症します。皮膚が乾燥してはがれ落ち(落屑)、さらに硬くなったり(角化)、ひび割れをして指紋がなくなったりするといった症状がみられます。一旦皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激で容易に再発し、症状が慢性化しやすい傾向にあります。さらに進行すると指先から手掌に広がり、さらには手首や腕にアレルギー反応(自家感作性皮膚炎)を起こし、全身に広がるおそれがあります。また冬は夏に比べて、気温が低いため皮脂の分泌も低下し、発汗も減るので皮膚表面が乾燥しやすくなり、症状が悪化しやすい傾向にあります。

検査・診断

進行性指掌角皮症は、皮膚の状態や職業などにより総合的に診断されます。

治療

進行性指掌角皮症の治療では、皮膚を保湿する塗り薬やクリーム、痒みや湿疹を抑えるお薬などを用います。手荒れが進行して皮膚炎を起こしている場合には、適宜炎症を抑えるステロイドのお薬を用います。手は常に刺激を受けやすい部位であるため、治療とあわせて日々のスキンケアも重要です。また、一旦皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激で容易に再発して症状が慢性化しやすい傾向にあるため、治りかけても油断せずに治療を継続し、完治させることが重要です。

予防/治療後の注意

進行性指掌角皮症の予防のためには、日頃からスキンケアに取り組むことが重要です。手を使う作業をする際には、指先を直接刺激しないよう木綿の手袋などを着用しましょう。水仕事の際にはその上にゴム手袋などを着用して、直接洗剤に触れないようにするとよいでしょう。素手で石けんや洗剤を使用する場合は、適宜薄めて使うようにしましょう。またシャンプーやボディソープ、ハンドソープなどもなるべく低刺激性のものを選びましょう。手を洗う時は洗い流しがないように水でしっかり洗い流しましょう。ただ何度も手を洗うと症状が悪化しやすいため、手の洗いすぎには注意が必要です。保湿剤や外用薬を塗るときは、ゴシゴシ刷り込まず優しく塗るようにしましょう。症状が軽くなっても油断せず、再発しないためにも普段から皮膚を保護するよう心掛けることが重要です。

こちらの記事の監修医師

いなばクリニック

稲葉 岳也

【専門】
耳鼻咽喉科、皮膚科、アレルギー疾患のレーザー治療等

【経歴】
慈恵医大卒
慈恵医大付属病院聖路加国際病院で勤務

【資格】
医学博士
日本耳鼻咽喉科学界専門医
日本レーザー医学会認定医
日本アレルギー学会専門医