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最終更新日:2022年11月29日

おむつかぶれおむつかぶれ

こちらの記事の監修医師
女医によるファミリークリニック
大井 美恵子

概要

おむつかぶれとは、別名おむつ皮膚炎と言います。通常は、乳児にみられる皮膚炎のひとつになります。また、近年では、高齢化に伴いおむつを使用している高齢者や被介護者にもみられます。高齢者の場合においては、おむつかぶれを発症することで皮膚が褥瘡(床ずれ)に繋がることもあります。肛門・外陰部の周辺やおむつカバーが当たる太ももの付け根あたり、下腹部などに赤い発疹がみられる疾患です。

原因

おむつかぶれの原因は複数あるとされています。まずは、尿や便による汚れが原因となることです。尿にはアンモニアを含まれており、時間が経つことでアルカリ性となり皮膚への刺激物になります。また、便には大腸菌が含まれており、下痢になるとアルカリ性の消化酵素も混ざることでこれも皮膚への刺激物になります。こういったことから短時間でおしりがヒリヒリとし、おむつかぶれの発症となります。次の原因としては、おむつ自体のサイズが合わないことでゴムまわりが擦れてかぶれます。また、おしり拭きの擦れや、おしり拭き成分により接触性皮膚炎を引き起こすことがあります。最後は、おむつ内部の蒸れになります。高温多湿の環境や通気性のないおむつを履くことで発症することがあります。

症状

おむつかぶれは、おむつを外した際に、赤み・ブツブツ・ジュクジュクしたとしたただれが生じます。乳児はおしりを拭く際に痛がったり泣いたり機嫌が悪くなります。高齢者は、おむつかぶれの発症が原因で皮膚が脆くなり褥瘡にも繋がりやすくなります。また、脆くなっている皮膚にカビによる感染症であるカンジダ皮膚炎を併発することもあります。カンジダ皮膚炎の場合は、おむつが接していない部分にも炎症が起こる性質があり、おしりや陰部などの湿り気の多い部分・脇の下・背中などの汗をかきやすい範囲にも発症します。

検査・診断

おむつかぶれは、おむつが皮膚に触れる範囲にポツポツとした赤い発疹・ただれが生じるため、医師による視診や問診によって診断が可能になります。

治療

おむつかぶれは、皮膚用の保湿剤(ワセリン)と亜鉛華軟膏(ビタミンA、ビタミンD,ワセリン、亜鉛といった成分あり)を使用する外用療法を行います。ワセリンや軟膏は、皮膚とおむつのクッションのような役割をします。もし炎症も発生していれば、亜鉛華軟膏や非ステロイド系の抗炎症薬、弱いステロイド抗炎症薬にて対応していきます。また、重症化しカンジダ皮膚炎を引き起こす場合には、ステロイドを使用するとかえって悪化することがあり、この場合は抗真菌薬のクリームにて治療します。

予防/治療後の注意

おむつかぶれは、おしりを清潔に保つことが最も大切になってきます。こまめにおむつ交換をするようにし、サイズが合い・通気性のよいおむつを選びましょう。便が緩いと感じたら、便が出たらすぐ洗い流すようにしましょう。洗い流す際は、シャワー洗浄でぬるま湯が適切になります。しかし、洗いすぎると皮脂までも取りすぎるようになり、バリア機能が低下してしまいます。洗うときも拭くときも、ゴシゴシこすらないように気をつけましょう。また、高齢者は加齢により皮脂の分泌が減少しています。外部からの刺激を防ぐバリア機能がそもそも低下の状態となっています。そのため、物理的刺激で傷ができやすくなり治りにくいとされています。毎日、皮膚に赤くなっている部分がないか確認し、バリア機能を保つために清潔・保湿・皮膚をふやけさせないことを心がけましょう。また、市販のおしりふきは刺激成分が含まれていることがあり、それが原因となる場合もあります。その際は、使用を避けるようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

女医によるファミリークリニック

大井 美恵子

〇経歴:
難病指定医・キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医

《 所属学会 》
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会

広島大学附属幼小中高、金沢医科大学卒業
土谷総合病院にて初期研修、
広島市民病院小児科勤務を経て、姉妹で女医によるファミリークリニックを開業。小児科内科皮膚科アレルギー科の診察を行う。テレビ朝日、羽鳥慎一のモーニングショーやフジテレビLive NEWS イット!などに出演、ラジオ、テレビ、WEBなど幅広く医療情報を提供している。