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最終更新日:2021年12月7日

かんえん肝炎

肝炎

まとめ

ウイルスなどが原因で肝機能障害を発症する肝炎には急性肝炎と慢性肝炎があります。原因となる肝炎ウイルスはA、B、C、D、E型があります。ウイルスのほか、漢方、サプリメントを含む薬剤が原因の薬物性肝炎や、免疫異常によるに自己免疫性肝炎があります。重症化すると劇症肝炎、急性肝不全を引き起こします。A型、E型肝炎は急性肝炎、B型、C型肝炎は急性肝炎、慢性肝炎いずれも発症する場合があります。D型肝炎はB型肝炎と同時あるいはB型肝炎感染後に続いて感染します。

この病気の原因

肝炎ウイルスが血液や体液から感染して肝細胞に侵入し、他の肝細胞へ感染を拡げます。B型肝炎は感染者との性交による感染例が多いです。かつてB型肝炎では出生時の母子感染がみられましたが、出生後の感染予防対策により感染例は減少しました。C型肝炎は医療行為などで感染者の血液に触れることや、滅菌不十分な器具でピアスや入れ墨を入れる、などによる感染例がみられます。A型肝炎はA型肝炎ウイルスにより汚染された食品や生ガキの生食による感染や性交による感染があります。D型肝炎はB型肝炎と同時、あるいはB型肝炎発症後に続いて発症しますが、その理由はD型肝炎ウイルスはB型肝炎ウイルスにより増殖するためです。E型肝炎はシカ、イノシシ、ウシ、ブタなどの動物がE型肝炎ウイルスに感染して、その動物を食べて感染した人の糞便から感染します。

主な症状

初期症状は発熱、頭痛、倦怠感など風邪に似た症状がみられますが、自覚症状を伴わない場合もあります。ビリルビン値上昇により肌が黄色く見える黄疸、尿の色が濃くなります。症状が進行すると黄疸が進み、皮膚や白目も黄色くなり、尿の色もより濃くなります。食欲不振や吐き気もみられます。ウイルス感染後から発症までの潜伏期間は3週間から2カ月です。A型肝炎は急性症状がほとんどで、慢性には移行しません。B型肝炎は乳児期に感染すると慢性肝炎としての経過をたどります。無症状で経過し、10歳~30歳代で肝炎を発症します。発症者の8、9割はB型肝炎の陽性抗体を持ち、それ以外の1、2割が肝硬変に進行し、さらに肝臓がんを引き起こすことがあります。成人期にB型肝炎に感染した場合は急性肝炎の経過をたどり、感染後1~6カ月で肝炎を発症しますが、7、8割は自覚症状なしで経過をたどり、残りの2、3割に吐き気、倦怠感、黄疸の症状がみられ、その中の一部が肝不全に進行します。C型肝炎に感染すると3割は自覚症状がなく、7割は慢性肝炎を発症します。その後肝細胞が破壊され肝硬変に進行し、肝がんを発症します。E型肝炎は軽症で治ることもありますが、重症化すると回復まで数カ月かかることがあります。妊婦ではより重症化のリスクが高くなります。

検査/診断の方法

血液検査にて肝機能検査を行います。異常がある場合はALT・ASTの著明な上昇、ビリルビン値の上昇がみられます。血液検査の結果から、感染が疑われる場合はウイルスに特異的な各種血液検査を行い、原因となるウイルスを特定します。B型肝炎、C型肝炎では抗体検査、抗原検査、核酸増幅検査を行います。A型肝炎では抗体検査を行います。E型肝炎では抗体検査、核酸増幅検査を行います。また、B、C型肝炎では超音波検査、CT・MRI検査の画像検査を行い、肝臓の状態を観察します。

主な治療方法

A、E型肝炎は特別な治療法がなく、対症療法を行います。E型肝炎が劇症化した場合は血漿交換療法、人工肝補助療法などの治療を行います。B型肝炎は核酸アナログ製剤内服による抗ウイルス療法や肝庇護療法にて治療します。C型肝炎は抗ウイルス薬にて治療します。近年まではC型肝炎の主な治療はインターフェロンの注射でしたが、治療期間が長期にわたることや、副作用が強いことから途中で治療を中断せざるを得ない症例がありました。抗ウイルス薬の登場以降は副作用が少なくなっています。しかし、C型肝炎の抗ウイルス薬は発症初期の人、慢性に経過した人について使用可能で、C型肝炎が進行した人についてはインターフェロンによる治療を行ったり、超音波、CT、MRI、採血の各検査を定期的に受け肝臓がんを発症していないか経過観察を続けます。

治療後に注意すべき点/予防対策

A型肝炎、B型肝炎(D型肝炎)はワクチン接種にて発症を予防します。C型肝炎、E型肝炎にはワクチンがありません。A、B、C型肝炎の予防として、感染者の血液、体液に触れないように注意します。感染者が使用した歯ブラシ、カミソリに触れないようにして、医療行為などで血液に触れる際は必ず手袋を着用します。入れ墨やピアスをする際は消毒された器具で行います。E型肝炎の予防として、生水、生肉、生野菜など非加熱の食品などからの感染リスクがあるので、加熱処理をしたものを食べます。海外、特に衛生状態の悪い地域を訪問する場合、生水、生食は避けます。A、B型肝炎は性交による感染が多いため、コンドームを使用して感染予防をします。