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胆管閉塞(胆道閉鎖症)【イシャチョク】

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最終更新日:2021年12月14日

たんかんへいそく(たんどうへいさしょう)胆管閉塞(胆道閉鎖症)

胆管閉塞(胆道閉鎖症)

まとめ

胆道閉鎖症とは、生まれつきあるいは生後すぐに胆道が閉じてしまっているため、肝臓でつくられた胆汁が十二指腸に排出できない疾患です。稀な疾患ですが、国内には少なくとも3500人程度の患者がいて、女の赤ちゃんの発症率が高いです。出生直後は無症状のため診断ができないですが、徐々に進行していき、発見が遅れると命に関わります。親が赤ちゃんの様子を普段からよく観察し、長く続く黄疸や便の色に気づくことが重要となります。

この病気の原因

発症原因は不明ですが、胎内で作られた胆管がウイルス感染や何らかの原因で炎症を起こし閉塞するのではないかと考えられています。胆管がうまれつき、あるいは生後間もなく閉塞しているため、胆管から十二指腸に排泄されるべき胆汁が肝臓に溜まり、肝機能に異常がみられます。

主な症状

胆汁が腸に排泄されないため、ビリルビンが体内に溜まり、体の皮膚や白目が黄色っぽくなる黄疸が現われます。便はやや白っぽいか、薄い黄色になるため、複数回は観察します。「便色カラーカード」を用いて、便の色をカードの番号と比べて白っぽいかどうかを判断して、気になる点があればすぐに受診するようにします。尿は濃い黄色になります。進行するとお腹の右上にある肝臓が硬く触れます。胆汁が排泄されないことでビタミン欠乏が起こり出血しやすく脳出血がおこることがあります。診断が遅れ放置すると症状が進行し、肝硬変、肝不全、脳内出血などを引き起こして死亡のリスクが高まります。

検査/診断の方法

血液検査、尿検査を行います。血液検査ではビリルビン値、胆道系の酵素、AST・ALTが上昇します。腹部超音波検査にて胆のう内腔の有無、胆管の状態を確認します。十二指腸液検査、胆管道シンチグラフィにて胆汁が流れているか確認します。確定診断は腹部CT検査での胆道造影や開腹手術にて閉塞の状態を確認します。

主な治療方法

胆道閉鎖症が強く疑われる場合は、できるだけ早期(生後2~3カ月)に手術を行います。胆管の閉塞は肝臓の出口部分で閉塞していることが多いため、胆管を切除して肝臓の出口部分に小腸を覆うように吻合し、胆汁を排泄できるようにする葛西手術を行います。術後、胆管に細菌感染が生じることでおこる胆管炎を予防するため、腸の内容物が肝臓へ逆流することを防ぐため弁をつくる手術を同時に行う場合もあります。

治療後に注意すべき点/予防対策

原因不明の疾患のため発症予防策はありませんが、出生後は便の色をよく観察し、「便色カラーカード」と比較します。黄疸の症状にも注意します。気になる点があればすぐに受診しましょう。術後は定期的に生涯通院を続け、経過をチェックします。胆汁がうまく排泄されず、黄疸の状態が続き、悪化して肝硬変となると肝移植が必要になります。術後の合併症には胆管に細菌感染がおこる胆管炎や、肝臓に線維が溜まり硬化して血流が悪くなる門脈圧亢進症があります。その他、肝内結石症をおこすこともあります。