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最終更新日:2022年4月6日

じんぞうけっせき腎臓結石

こちらの記事の監修医師
医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック
中村 剛

概要

尿は、腎臓で作られてから尿管を通り、膀胱に流れ込み、尿道を通って体の外へ排出されます。排出されるまでの経路を尿路と呼びます。そのどこかでミネラルや有機物を含む物質が結晶のようになり、石のようになって尿路に存在する状態を尿路結石といいます。結石の多くは腎杯、腎盂、膀胱で形成され、結石が存在する位置により、名称が変わります。腎臓結石・尿管結石・膀胱結石などと呼ばれます。腎臓にある結石は、腎臓結石と呼ばれます。結石が尿路を塞ぐと、激しい痛みや細菌感染が起きると高熱が出ます。長期間放置すると腎臓に負担がかかり、腎機能が低下します。高齢の男性や閉経後の女性に多い疾患です。腎臓結石の原因は、尿路の狭窄や感染、骨折、寝たきり、食習慣の偏り、内分泌の異常などが考えられます。健診などの超音波検査で見つかることが多いといわれています。結石が大きい場合や腎機能低下が懸念される場合には、結石を砕いたり、除去したりするための積極的な治療が行われます。

原因

尿の中に含まれるカルシウムやマグネシウム、尿酸などの成分が過剰な状態になり、結晶化して発生します。約80%はカルシウム結石だと報告されています。何か一つの原因で起こるわけではなく、感染、寝たきりまたは骨折、食事(動物性タンパク質や脂肪の過剰摂取)、運動不足の生活習慣や、ストレス、内分泌・代謝異常などの体質など様々な要因が考えられます。また、薬の副作用(ステロイド、ビタミンD製剤、利尿剤)や、尿管狭窄や前立腺肥大など尿の通りが悪くなる要因がある場合や、結石を起こしやすい病気(骨粗しょう症、脂質異常症、クッシング症候群、原発性副甲状腺機能亢進症、高カルシウム血症、シスチン代謝異常など)も要因となります。

症状

結石の大きさと症状の重篤さは、必ずしも一致しません。腎内にある結石の多くは無症状で経過します。腎臓結石が移動したり、尿の通り道を塞いだりすると、わき腹や下腹部に突然激しい痛みが生じます。夜間や早朝に起こることが多く、痛みは2~3時間続き、その間は数分おきに痛みの強弱に波があるのが特徴です。痛みと共に、吐き気や嘔吐、冷や汗、血尿なども自覚する場合があります。また、尿路感染症を合併すると、高熱を伴い重篤な敗血症に至る症例もあります。

検査・診断

尿検査で血尿や尿路感染症の有無を確認します。そして、画像検査で結石の部位や大きさ、腎臓の形や機能や尿路への影響の把握を行います。代表的な検査は、単純X線写真(腎尿管膀胱撮影:KUB)ですが、小さい結石や尿酸結石、腸管内のガスが多い場合などは判断が難しいため、他の画像検査を併用します。超音波検査で、結石の同定や結石による尿路の閉塞の程度を調べることができます。排泄性腎盂尿管撮影単純X線写真で結石が確認しづらい場合に行います。CTでは小さい腎臓結石や腎臓結石による腎臓の構造の変化を確認できます。血液検査では、腎機能や尿酸、カルシウム、リンなど、さらにホルモンの数値を調べることもあります。結石分析により、成分を調べます。

治療

症状も閉塞も感染も引き起こさない小さな結石に対しては、通常、治療の必要はありません。痛みはあるが結石が1cm未満の場合は、十分な水分摂取と鎮痛薬や尿管の緊張を抑えるような薬、結石を出しやすくする薬を使いながら自然に排出されるのを待ちます。尿量を増やす目的で、輸液を行うこともあります。結石が1cmよりも大きいなど簡単には体外に出ない場合は、薬物療法だけでなく、外科的処置を実施します。第一選択となる体外から衝撃波を与えて結石を砕くESWL(体外衝撃波結石破砕術)や、尿道から尿管内に細い内視鏡を入れてレーザーなどを使用して結石を砕くTUL(経尿道的尿管結石除去術)、さらに、他の治療法で砕けないような硬い石や大きい石に対しては、背中から腎臓に1㎝の穴を開けて内視鏡を挿入し、結石を破砕し直接摘出するPNL(経皮的結石除去術)という3つの手術療法から選択します。場合によっては、組み合わせて治療を行います。

予防/治療後の注意

日常生活では2リットル以上の水分摂取、バランスの良い食事が予防法として推奨されています。また、石は尿中のシュウ酸という物質が固まってできるため、シュウ酸を多く含むほうれん草、キャベツ、緑茶・紅茶などの摂取を控えることも重要ですが、極端な制限は好ましくありません。また、塩分や糖分、プリン体が多く含まれる食品、ビール、動物性の脂肪やたんぱく質の過剰摂取を防ぐことも重要です。夕食は食べ過ぎずに就寝4時間前までに済ませるのが理想的です。再発率70%と繰り返す人も多く、結石の成分を調べることも有用です。 MSDマニュアル MSDマニュアル家庭版 (msdmanuals.com)  メディカルノート https://medicalnote.jp/disease/

こちらの記事の監修医師

医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック

中村 剛

〇診療科 :内科・皮膚科・泌尿器科
【経歴】
昭和62年 千葉大学医学部卒業
千葉大学医学部付属病院、東京厚生年金病院、社会保険船橋中央病院、松戸市立病院、東京厚生年金病院泌尿器科医長、部長を経て現在に至る。

【資格】
医学博士
1992年 日本泌尿器科学会専門医取得
1997年 日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

治療に適した診療科目

泌尿器科

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