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最終更新日:2022年4月13日

ぜんくじんつう前駆陣痛

こちらの記事の監修医師
柴田産婦人科医院
柴田 浩之

概要

陣痛には、前駆陣痛と本陣痛ともいわれる一般的な本格的な陣痛の2種類あります。前駆陣痛とは、出産に当たり実際に感じられる陣痛である本格的な陣痛とは異なり、妊娠中期から後期にかけて自覚されるようになる、分娩に至るほどではない陣痛に類似した痛みのことです。前駆陣痛は、子宮の筋肉が収縮することを原因として引き起こされ、お腹の張りや痛みとして自覚されます。正常の妊娠経過でも生じる反応であるため過度に心配をする必要はありません。

原因

前駆陣痛は、子宮の筋肉が収縮することを原因として引き起こされます。前駆陣痛が生じる原因は完全には明らかにされていませんが、収縮を誘発する因子がいくつか知られており、妊婦さんがとても活動的に動いたときや、膀胱内におしっこが多く蓄積されているとき、性交渉のあとや脱水傾向にあるときなど前駆陣痛が生じやすいと考えられています。こうした状況では胎児にストレスがかかりやすく、胎児への血流を保つために、子宮が収縮・弛緩し血液の調整をしている状況であるともいえます。また妊娠後期にさしかかると、こうした前駆陣痛は出産にむけての準備を表現しているともいえます。

症状

一般的には、前駆陣痛は不規則に起こるのが特徴と言われています。不規則というのは、痛みも間隔も不規則ということです。この不規則な前駆陣痛とは違い、10分以内に規則的に繰り返す子宮収縮が始まると本格的な陣痛に移行したと言われているようです。前駆陣痛は、お腹の張りや痛みとして自覚されます。前駆陣痛の痛みは本格的な陣痛と比べるとそれほど強くありません。陣痛の痛みは時間経過とともに増強しますが、前駆陣痛のそれは同じ程度に留まり、どんどんと強くなることは基本的にはありません。また、前駆陣痛の痛みはお腹の一部分であることが多いですが、本格的な陣痛の場合は痛みの場所がより広範囲であることがあります。陣痛の痛みは2分程度続きますが、前駆陣痛はそれよりも短いです。前駆陣痛の生じるタイミングも不規則であり、陣痛のように定期的に数分おきに生じるものでもありません。また、前駆陣痛は安静を保っていると次第におさまります。前駆陣痛は散歩など、からだを動かしている最中やその後によく起こります。また、夜間になると強く感じる人が多いです。しかし、しばらく安静にすると痛みがなくなることがほとんどです。ただし、人によっては忘れた頃にまた痛みが起こることもあります。

検査・診断

前駆陣痛では、特に検査を行うことはありませんが、本格的な陣痛であるのか、前駆陣痛であるのかの判断を行うことは重要です。そのため、持続時間の長さや、痛みの程度、どんどん増強する痛みかなどの種類や、痛みの持続時間の長さなどの具体的な症状で、本格的な陣痛の可能性も含めて判断します。そして、必要時、出産に向けて子宮収縮や胎児心拍陣痛図などのモニタリング、子宮口の状態の評価などが行われます。

治療

本格的な陣痛の可能性がある場合には病院を受診する必要があります。また、膣からの出血があるとき、破水を思わせる液体の流出があるときなどにも受診が必要です。 普段の妊婦健診を通して担当医とどのようなタイミングで受診をするべきかなど、具体的なことを事前に相談しておくことが大切です。

予防/治療後の注意

前駆陣痛を感じることそのものは、正常の妊娠経過でも生じる反応です。そのため、過度に心配をする必要はありません。前駆陣痛は、活動度が高いとき、おしっこが溜まっているとき、脱水気味であるときなどに生じやすいため、リラックスして安静を保つこと、水分摂取を心がけること、などで前駆陣痛に対処することが大切です。楽な姿勢を探し、痛みがひどいときには深呼吸をしてみましょう。お風呂に浸かるなど、体を温めるのもお勧めです。寝るときには、横向きの姿勢を保つことで楽になることもあるようです。この他、気が紛れるよう、音楽を聴いたり、リラックスできる時間を過ごしましょう。

こちらの記事の監修医師

柴田産婦人科医院

柴田 浩之

【経歴】
1992年 獨協医科大学卒業
獨協医科大学付属病院第一麻酔科
日本医科大学附属病院産婦人科
日本赤十字社葛飾赤十字産院
下都賀総合病院産婦人科
東京都立墨東病院周産期センター産婦人科
2003年 柴田産婦人科医院 副院長
2019年 柴田産婦人科医院 院長(2月)

【資格・所属】
日本産科婦人科学会専門医
厚生省認定麻酔科標榜医
母体保護法指定医師
日本医師会認定健康スポーツ医
八王子市立中学校医
日本能力開発推進協会認定幼児食インストラクター
上級幼児食インストラクター

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