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最終更新日:2022年11月29日

かたげっけい過多月経

こちらの記事の監修医師
藤東クリニック
藤東 淳也

概要

過多月経とは、生理時の出血量が異常に多いことを指します。一般的に出血量が150ml以上のケースを指すが、実際に量を測定することは難しいです。そのため「血の塊が混じっている」、「昼間に夜用ナプキンを使用しなければいけない」といった症状も判断基準になります。また、過多月経により貧血を引き起こし外出が出来なくなるといった日常での不便を生じることもあります。過多月経は2種類に分けられ、子宮自体に形や大きさの異常にからくる「器質性過多月経」、子宮自体の形・大きさの異常からくるものではない「機能性過多月経」があります。

原因

器質性過多月経の場合は、婦人科疾患が原因で引き起こします。主な疾患では、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープといった良性腫瘍や子宮頸がん・子宮体がんなどの悪性腫瘍があります。これらの疾患の場合には、もととなる疾患が悪性かどうかを確認することも大切になります。機能性過多月経の場合は、女性ホルモンの異常が原因で引き起こします。主な要因となるものは、黄体機能不全や無排卵性周期症(きちんと月経のような出血はあるが、排卵をしていない症状)などにより破綻出血をすることで発生します。それ以外の原因としては、血小板の減少・血が固まりにくいなどの血液疾患があるために過多月経を引き起こすことがあります。

症状

過多月経の症状は、経血に血の塊が混じるようになったり、昼間でも夜用ナプキンを使用しなければいけなかったり、ナプキンが1時間も持たずに取り替えなきゃいけなかったりなどがあります。また、出血からくる貧血を引き起こし、倦怠感やめまい・立ちくらみなどの症状もみられます。

検査・診断

過多月経は、出血量が150ml以上のケースを指すとされていますが、出血量を正確に測定することは難しいです。そのために問診によって診断されることが多いです。また、過多月経の原因となる疾患を特定するために超音波検査・MRIなどが行われることがあります。

治療

過多月経の主な治療法が3つほどあります。まず、IUSという子宮内黄体ホルモン放出システムがあります。これは、子宮内に黄体ホルモンを出す装置をいれる治療法になります。一般的に、ミレーナと呼ばれており、一度の装着で5年間は有効とされています。ミレーナは2014年から過多月経治療に対して保険適用となっており、入院することなく外来にて挿入可能なものになります。また、この器具によって月経がなくなることもあるので、避妊療法としても活用されております。2つ目は、女性ホルモンの分泌バランスを調整投薬するホルモン療法になります。ホルモン療法で用いられる製剤は、黄体ホルモン・卵胞ホルモン混合剤(ピル)・黄体ホルモン製剤などがあります。そして、症状が重い場合や器質性過多月経の種類によっては手術が必要になってくることもあります。手術は、病巣がある部分だけを取り除く保存手術や疾患のある臓器そのものを摘出する根治手術があります。そして、新しい治療法として、マイクロ派子宮内膜アブレーション(MEA)と呼ばれる切開・切除等を行わない手術もあります。マイクロ派で子宮腔内を加熱することで組織を熱変性させ、出血量を抑える仕組みとなります。これらは、妊娠希望の有無や子宮温存の希望の有無によって、治療方針が変わってきます。

予防/治療後の注意

過多月経がいつもある場合には、その状態に慣れてしまっており、見逃してしまっていることが多いとされています。併発される貧血の悪化によって受診となる場合もあります。血の塊が混じっている・ナプキンの取り替え頻度が多い等がある場合には、一度受診をすることをお勧めします。

こちらの記事の監修医師

藤東クリニック

藤東 淳也

〇アクセス:広島県安芸郡府中町茂陰1丁目1-1
〇診療科 :産科・婦人科

《経歴》
医療法人双藤会 産科・婦人科 藤東クリニック 理事長・院長
1993年4月 東京医科大学病院 産科婦人科学教室 研修医
1994年5月 中野総合病院 産婦人科 医員
1995年6月 戸田中央産院 産婦人科 医員
1995年11月 東京医科大学 産科婦人科学教室 研究員
1997年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
1999年3月 東京医科大学麻酔科学教室
1999年7月 東京医科大学八王子医療センタ- 産科婦人科医長
2002年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
2002年5月 米国カンザス大学医学部 細胞生物学教室へ留学
2004年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 講師
2004年11月 東京医科大学病院産科婦人科学教室 医局長
2008年6月 県立広島病院 婦人科部長
2010年6月 産科・婦人科 藤東クリニック 院長
2015年11月 医療法人双藤会 理事長

【資格】
日本産科婦人科学会専門医
医学博士
細胞診専門医
バイオインフォマティクス認定技術者
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
婦人科腫瘍専門医
母体保護法指定医
新生児蘇生講習会専門コース修了