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最終更新日:2022年10月2日

こうじんつう後陣痛

こちらの記事の監修医師
柴田産婦人科医院
柴田 浩之

後陣痛

概要

後陣痛とは、分娩後に妊娠中に起こった体の変化が妊娠前の状態に戻ろうとする子宮収縮に伴う痛みのことです。その子宮収縮を子宮復古と呼びます。子宮復古の期間は、約6~8週間続くとされ、その期間のことを産褥期といいます。約10か月間の間、赤ちゃんをはぐくんだ子宮容積は、妊娠前と比較すると約2,000~2,500倍になります。この大きく膨らんだ子宮によって、ほかの臓器も本来とは違う位置まで押し上げられます。後陣痛を発生させる子宮収縮により、胎盤剥離面からの出血が止まるようになる仕組みです。そのため後陣痛があることは、非常に重要な生理的現象となります。出産経験がある方の方が、後陣痛が強くなる傾向にあります。

原因

後陣痛の原因は、分娩後に妊娠にて大きくなった子宮が収縮することで痛みが発生します。分娩直後からもとの大きさに戻ろうと急激に収縮が始まり、激しい痛みを感じることもあります。子宮がもとの大きさに戻ると、この痛みはなくなります。

症状

後陣痛は、子宮収縮することで痛みが発生します。痛みの程度は人それぞれで違い、チクチク痛む場合・生理痛のような痛み・陣痛のような激痛など、様々になります。これは生理現象として必要な痛みになり、特に産後3日程度までが強い痛みを感じやすくなります。授乳によって、乳頭が刺激されることにより脳からオキシトシンと呼ばれるホルモンが分泌され子宮収縮が促進し、痛みが強まることもあります。また、分娩後には胎盤剥離面からの出血を抑えるために強い収縮が起き、悪露を伴います。経産婦や多胎児出産の場合は、痛みが強くなる傾向にあります。目安として産褥期1週目の退院のころには子宮の大きさも分娩時の半分程度まで収縮し、3週目ころには分娩時の約3分の1、4週目のころには妊娠前までの大きさに近づくとされています。

検査・診断

後陣痛は、重要な生理的現象になります。その生理的現象がうまく機能せず、子宮収縮の状態が悪く、子宮がもとの大きさに戻らない症状を子宮復古不全といい、その際はそのための治療が必要になってきます。

治療

後陣痛は、それ自体が分娩後には必要な痛みになります。しかし、痛みが強く身体が休めない状態が続く場合に処置や治療を行います。主に内服や坐薬の鎮痛剤使用になります。

予防/治療後の注意

後陣痛を緩和されるものとして、子宮収縮剤の内服の調整があります。医師に確認・相談した上で、子宮収縮薬の量を減らしたり、休薬したりするなどの対応があります。その他には、アロマオイルをなどのリラックスできるものを使用するのも良いです。後陣痛の痛みを気にしすぎることで緊張してしまい、かえって痛みに敏感になってしまいます。そういったことから、産後の乱れやすい精神安定のためにもおすすめになります。また、身体を温めることも良いとされていますが、お風呂に浸かることは、子宮口が閉じ切っていないため子宮内に雑菌などの侵入より別の症状を発生するおそれがあるため控えましょう。もし分娩後の下腹部や会陰創部の痛みが激痛の場合、鎮痛剤の効果が芳しくない場合は、子宮破裂・血種・細菌感染などの病態が潜んでいる可能性があります。そのため、分娩後の痛みが気になる場合は、医師・助産師に相談するようにしましょう。後陣痛が起こる産褥期は十分に休息をとる必要があります。睡眠をとれるときにはしっかりと睡眠をとりましょう。そして、退院後も無理をしないように夫や家族の協力を得ることも大事です。自治体によっては、産後のママに家事代行サービス利用の補助金制度もあります。お住まいの地域が、補助金を受けられるかどうか確認した上で、そういった家事代行サービスを利用することも得策になるでしょう。

こちらの記事の監修医師

柴田産婦人科医院

柴田 浩之

〇診療科目 :産婦人科

《 経歴 》
1992年 獨協医科大学卒業
獨協医科大学付属病院第一麻酔科
日本医科大学附属病院産婦人科
日本赤十字社葛飾赤十字産院
下都賀総合病院産婦人科
東京都立墨東病院周産期センター産婦人科
2003年 柴田産婦人科医院 副院長
2019年 柴田産婦人科医院 院長(2月)

《 資格・所属 》
日本産科婦人科学会専門医
厚生省認定麻酔科標榜医
母体保護法指定医師
日本医師会認定健康スポーツ医
八王子市立中学校医
日本能力開発推進協会認定幼児食インストラクター
上級幼児食インストラクター