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健康情報の一元管理が可能な「PHR」をご紹介 健康維持・増進を実現できる革新的な技術の現状とは?

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2021年12月9日

近年、モバイル機器・クラウドサービスを活用したデジタル技術PHR(Personal Health Record)が注目を集めています。今回は、PHRが注目を集めることとなった背景と、PHRによってどんなサービスが展開されているか、国や医療機関、企業の最新動向についてお伝えします。

目次

  • なぜPHRが注目されるのか
  • PHRとは?
  • 事業展開に向けた方針
  • 事業展開のプロセスと展望
  • 注目のPHR企業9選
  • まとめ

なぜPHRが注目されるのか

私たちは、病気やケガをすると、医療機関にいって診療を受けます。これまで、その診療記録は、診療を受けた医療機関にカルテとして保管されてきました。そのため、別の医療機関で診療を受ける際は、診療記録がないため、診療を受けた医療機関で紹介状を書いてもらうか、一から診療を行うしかありませんでした。

このような本来必要のない医療従事者の負担を削減するとともに、より最適な医療を提供できるようにするため、診療記録を医療機関同士が共有・活用するEHR(Electronic Health Rrecord)の導入が進められてきました。しかし、各医療機関で異なるシステムが導入されていてデータ連携が難しいこと、導入にコストがかかることなどから、EHRは一部の医療機関で導入されるに止まり、普及は進んできませんでした。このような課題を解決する手段として、PHR(Personal Health Record)が注目されるようになりました。

PHRには既存の医療機関のシステムによる制約がないため、個人のニーズに合わせて、手軽に柔軟に導入することができる技術です。スマホ・タブレットなどのモバイル端末の普及、次世代高速通信5Gのサービス開始などのデジタル技術の進化を背景に、PHRの普及は急速に進んでいます。

PHRとは

PHRはPersonal Health Recordの略後で、その名の通り「個人の健康情報に関する記録を個人で管理・活用するための技術」です。

PHRを利用すれば、自分の健康情報を自分で一元管理することができます。PHRで管理している健康情報は、モバイル機器・クラウドサービスを使っていつでもどこでも確認できるため、「自分の健康状態に合わせて、最適な医療・サービスを自由に選択できる」、「日々の生活の中で生活習慣を改善するための動機付けにつながる」といったメリットがあります。

また、ウェアラブル機器などを使えば、日常生活の中での健康情報をPHRに取り込むことも可能です。この情報を活用することにより、医療機関の検査だけでは発見できなかった体調の変化が確認できるようになるため、より精度の高い医療を受けることができるようになります。PHRは、これまで乗り越えることができなかった様々な課題を解決し、健康維持・増進を実現できる革新的な技術なのです。

事業展開に向けた方針

令和元年6月21日に閣議決定された「経済財政と運営の基本方針2019~「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦~」では下記のように明記されています。

「生まれてから学校、職場など生涯にわたる健診・検診情報の予防等への分析・活用を進めるため、マイナポータルを活用するPHRとの関係も含めて対応を整理し、健診・検診情報を2022年度を目途に標準化された形でデジタル化し蓄積する方策をも含め、2020年夏までに工程化する」

経済財政運営と改革の基本方針2019~「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦~(令和元年6月21日閣議決定)

この方針では、これまで学校・事業主・自治体・保険者・医療機関が個別に管理していた個人の健康情報について、マイナポータルやその他の仕組みを運用することによって、個人とその家族が健康情報を自ら管理し、自治体・民間PHR事業者のサービスを活用しながら、以下の①~④を実現し、健康増進に活用していくことを目標としています。

①個人の日常生活習慣の改善等の健康的な行動の醸成
②効果的・効率的な医療等の提供
③公衆衛生施策や保健事業の実効性向上、災害等の緊急時の利用
④保健医療分野の研究

図1 PHR全体のイメージ
*出典:「健医療情報の利活用に向けた工程表の策定について」

事業展開のプロセスと展望

PHRによるサービスを展開していくためには、PHRの活用を進めるための基盤づくりが必要となります。その手始めとして、「①個人の日常生活習慣の改善等の健康的な行動の醸成」を想定した健診情報等を活用するための仕組みづくりが進められています。 そして、②~④については、この仕組みを活用することで、実現する方向で検討されています。

平成28年度から平成30年度まで、日本研究医療開発機構(AMED)の研究開発事業において、①妊娠・出産・子育て支援、②疾病・介護予防、③生活習慣病重症化予防、④医療・介護連携にかかる新たなサービスモデルの開発等が実施されました。

令和元年度においては、 以下の事業の成果も踏まえ、PHRサービスの普及展開に向けて必要なルールの在り方などの検討も実施されています。

図2 PHRサービスモデル等の構築
図3 PHRサービスモデルの概要

 

PHRの市場規模は、 REPORTOCEANの報告(2021年4月23日)では、2020年に約707億米ドル(8.1兆円)と評価されていますが、2027年までに1,369億米ドル(15.6兆円)にすると予想されています。PHR関連のサービスは、今後も更に拡充される見込みで、私たちに身近な存在になりつつあります。

*出典:「総務省のPHRに関する取組」

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