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日本小児アレルギー学会理事長 藤澤 隆夫ドクターが語る「小児アレルギー研究」の重要性とは 

最終更新日:2022年3月14日

藤澤 隆夫 先生の独自インタビュー取材記事

〇診療科:小児科
〇役職:日本アレルギー学会(アレルギー専門医・アレルギー指導医)
    日本小児科学会(小児科専門医)

松本志のぶアナウンサー(以下:松本アナ)

こんにちはドクターインタビューの時間です
今回のゲストは国立病院機構三重病院名誉院長藤澤隆夫ドクターです。
本日はよろしくお願いいたします。

藤澤 隆夫ドクター(以下:藤澤ドクター)

よろしくお願いします。

松本アナ

三重大学大学医学部を卒業後、アメリカメイヨークリニックを経て現在は国立機構三重病院名誉院長でいらっしゃいます。
ご専門は小児科一般、とくにアレルギー分野においては日本で長らく研究に尽力されており日本小児アレルギー学会においては理事長を務めていらっしゃいます。
最初の質問で突然なんですけれども、ドクターはもともと趣味がエアロビクスだという風にお聞きしました。

藤澤ドクター

踊るのが大好きなんです。子供たちとどうやって病気と付き合いながら、そして自分の目標を持ってもらうかというような教育をするんです。具体的にはキャンプなんですね。喘息とか糖尿病とかの子供たちと一緒にキャンプ場に行って生活を一緒に生活しながらそこでいろいろな問題が起こってきます。

こういう問題が起こった時に一体どうしたらいいんだっていうことをその現場で子供たちと教えていく、そこで子供たちと一緒に運動しようと言って、エアロビクスをたまたま自分がスポーツクラブで覚えてきたもの、それに振り付けをつけてオリジナルのダンスを作っていて子供達と一緒に楽しんだっていうことです。

松本アナ

お写真がこちらにあるんですが

藤澤ドクター

日頃から一緒にダンスを練習してきた私の患者さんですがその子たちと日頃の練習の成果を皆さんの前で披露しました。

日本小児アレルギー学会理事長としての活動

松本アナ

藤澤ドクターの小児科の中でも小児アレルギー研究において多大なる成果を残していらっしゃいますけれども現在は日本小児アレルギー学会に理事長も務めるに至っていらっしゃいますけれども、こちらと学会ではどのような活動をされているのでしょうか?

藤澤ドクター

学会ですからまず研究ですね。小児のアレルギー疾患の原因とか治療法を研究すること、それを推進するのがまず第一番です。それから、もう一つは診療ガイドラインっていうのがあるんですね。この病気はこういう治療が今の標準的治療ですよっていうのガイドラインを出版してそれで、多くのお医者さんに読んでいただいて最新の正しい治療をしていただく、そういうものを出してるんですけどそのためにはエビデンスが大事になってきまして。

エビデンスっていうのは自分たちの研究だけではなくて世界中の研究をすべて網羅的に精査してそれで、この治療が一番いいんだということを見つけるわけですね。でそれをガイドラインっていう形でまとめるので、そのエビデンスを精査するそういう仕事ですね。それが2番目ですね。

3番目は患者さんにその成果を生かしていかないといけないですから、どういう医療供給をしていくのかっていうことを検討することになります。
4番目は交流ですね. 会員同士が情報交換をしやすいようにする。
そして国際交流ももちろんやります。
いろんな国の同じ研究をしてるドクターたちとの交流の機会を作ってそして5番目は教育ですね. 若いお医者さんたちの臨床の能力とか研究の能力も上げていくための取り組みをすればそんなようなことですかね。

東日本大震災や熊本地震での活動

松本アナ

ドクターは東日本大震災や熊本地震の際にも現地でもご尽力されたと伺いました。

藤澤ドクター

大規模災害が起こると何が困るかいろいろな問題が起こってきますが、アレルギーの関連でいうと食物アレルギーの患者さんなんですね。でも食物アレルギーの患者さんは食べられないものがあるわけです。しかし避難所に命からがらとにかく避難所に着いた最初に配られるものはパンとかおにぎりとか出来合いのものが配られるわけですけどそうすると私はこのアレルギーになって食べられないということになるわけです。

たくさん食料は届いているけれど食べられないっていうことは、その人にとって大変なことなんで、どうやったらアレルギー対応の食品を配ることができるかということを学会として考えようということになりました。

それが東日本大震災で始まって、熊本なんかの例だったら確かに備蓄はしてあったんですが、他のことで忙しくてどこにあるかわからないそうなような状態が起こったんですね。それで、じゃあその部分だけはこちらでやろうっていうことで、そういうアレルギー対応食品を提供してくださる会社とかそういうところにお願いをして送ってもらう。アレルギーだけではもちろんないので、いろいろなところで今どうやってその連携体制を作っていくかということを考える機運は出てきました。

小児アレルギー研究の重要性

松本アナ

藤澤ドクターは、長らく子どものアレルギーと向き合っていらっしゃいますけれども、小児アレルギー研究の重要性ではどういったところになりますでしょうか。

藤澤ドクター

まずアレルギーっていう病気はとても多いんですね。例えば簡単なところからいえば花粉症というのは今3人に1人あるいは半分近くになるのではないかと言われているわけですねで命にかかわるような重症な場合はそれほどないんですが、とにかく数が多いということは困っていらっしゃる方がたくさんいるということですので、そういう人たちに、ちゃんとした治療法を届けることが大事だとだからその研究を力を入れてやっていることになります。

松本アナ

子どもの時にいろいろな食べ物ですとかさまざまなアレルギーを持っていても大人になるにつれ治っていってほしいなもしくは治ったっていう話もたまに聞くんです。けれどもこれはやっぱり治る可能性というのはあるのでしょうか。

藤澤ドクター

子どものアレルギーっていうのは思春期によくなって軽くなって治っていくのが結構いますただ治らない人もそれ結構いて最近わかってきたのは新しい研究で50年ぐらいずっと追跡をするような研究の結果が出てきているんですね。そうすると子どもの時に例えば喘息があったっていうと高齢になってからいろいろ他の肺の慢性疾患が起こってしまうということがわかってきたんですね。私たち小児科はそういう50年先を見て子どもたちの治療しないといけないなそんなことを今考え始めたところ小児期というのはすべての始まりの時期ですからいいものも始まるけれども悪いものも始まるので悪いものには早めに対応していかなきゃいけないというのが今の新しい小児科の考え方になりました。

ドクターになって喜びを感じる瞬間

松本アナ

ドクターになって喜びを感じる瞬間はどんな時でしょうか?

藤澤ドクター

どのドクターでも同じように病気が治すことができたらうれしいっていうふうに思うんですが、実は本当に治る病気ってあまりないんですね。

松本アナ

ええそうなんですか!?

藤澤ドクター

アレルギー疾患で言いますと、私たちは治療という言葉と同時に「コントロール」という言葉を使うんですね。ちゃんとした生活ができるように病気をコントロールしていく、だからコントロールっていうのは治したと言ってないわけです。病気を持ちながらうまく自分の生活を作っていくっていうことが大事になってきます。それはどの疾患でもおそらくがんを持っている方でも、がんが完全に治ることもありますけど、それを持ちながら生きていくっていうことが必要なことがあるわけですね。

だからその生活に寄り添うっていうことが医者の大事な仕事だと思っています。だけどそこでちゃんと患者さんに寄り添うことができて、心が通いあっていれば「大変なんだね」ということがこちらもわかって、患者さんも「だから先生の言うことを聞かないといけない」と、わかってもらえると思います。そういう心の交流ができたときが一番嬉しいです。

藤澤ドクターが目指す医療

松本アナ

最後に藤澤ドクターの目指す医療どんなものか教えていただけますでしょうか。

藤澤ドクター

このやっぱりいろんな病気を治せるようにするっていうことですが、何なに病とかそういうのが今、病気の名前が付いているんですがこう研究が進んできますと、一つの病気でもいろいろなタイプが違うっていうことがわかってきてます。だから一人一人の患者さんが違うわけですので、その一人一人に合わせた治療っていうのをしないといけない。これは今半医者の勘みたいなとこでやってるわけですが、そこが何かの検査をするとあこの人は、こういうタイプだからこの治療をしなければこの薬がいいんだとかっていうことが、わかりこれは個別化医療とかテーラーメイド医療っていう風に言ってるわけですが、そういうものがこれからさらに進んでいくっていうことが大事だろうと思いますそれから働き方改革の問題があってお医者さんっていうのは9時5時で終わるわけにはいかないんですね。

右重症の患者さんがいるのに5時になったら帰ります。とかっていうことは言えないわけですから当然遅くまで仕事しなきゃいけないんですが一方で労働基準法っていうのがありますからそれを守らなきゃいけないだからそのお医者さんの忙しさを軽減するために医者じゃなくてもできるような仕事は例えばAIがやるとか、そういうところがより進歩してくると患者にとっても医者にとってもいい医療ができるんじゃないかということを思っています。

松本アナ

お忙しい中でしたけれども今回は子どもの病気と生活に寄り添い明るく未来を開いている藤澤隆夫ドクターにお話を伺いました。ドクター貴重なお時間本日どうもありがとうございました。

藤澤ドクター

ありがとうございました。

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