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理容師を目指していたドクターは、どうして「日本で一番忙しい小児科医」になったのか?

最終更新日:2021年7月27日

鈴木 幹啓 先生の独自インタビュー取材記事

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木 幹啓
〇アクセス:紀勢本線(きのくに線) 新宮駅 徒歩14分
〇診療科 :小児科、アレルギー科
〇経歴  :自治医科大学卒業、三重大学小児科入局、三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急 を担当)、国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)、国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟 を担当)、山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急 を担当)、紀南病院(小児科医長)、平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院

 

「ザ・ドクター」は、フリーアナウンサーの松本志のぶさんが、医療の最前線で活躍するドクターをご紹介する番組です。

今回は、「すずきこどもクリニック 鈴木幹啓ドクター」にスペシャルインタビューを行いました。

 

ドクターを目指したきっかけ

松本志のぶアナウンサー(以下:松本アナ)

今回のゲストは、すずきこどもクリニック院長、鈴木幹啓ドクターです。どうぞよろしくお願いいたします。

鈴木幹啓ドクター(以下:鈴木ドクター)

よろしくお願いいたします。

松本アナ

鈴木ドクターは様々なメディアで、日本で一番忙しい小児科医とご紹介されていますけれども、和歌山県のクリニックで1日160人のお子さんを診ていらっしゃるそうですね。鈴木ドクターはいつ頃からドクターを目指したんでしょうか?

鈴木ドクター

中学校1年生までは家業の理容店を継ごうと思っていました。
私、中学校の時とか小学校の時とか成績は良かったんですけど、父親に倣って理容師になりたいと思っていたので、中学卒業した後に高校行かずに専門学校に行こうと思っていたんですね。そうしたら学校の先生から「ちょっと考えた方が良い」って言われて。じゃあ何になりたいの?って言われたので、サラリーマンって言ったら、サラリーマンにも色々な種類があるんですけどって言われたので、それから職業について考えるようになりました。
職業って私たちが子供の時って得られる手段があまり無かったので、テレビに映る職業がやっぱり目に入って来て、そこで医者が非常に人を助けたりだとか割かし良いように描かれていたので、そこに憧れました。

松本アナ

びっくりしました。幼少の頃から人を助ける、ドクターになるんだって夢を描いていらっしゃったのかなと思ったら、そういうこともあるんですね。その中で特に小児科を選択されたのはどうしてなんでしょうか?

小児科を選択した理由

鈴木ドクター

研修医の時代は色々な課を回ります。内科だとか外科だとか産婦人科だとか麻酔科だとか。研修医と言えども人間ですから、人の死と向き合うということは最初はやっぱり抵抗があったんですけれども、だんだんとプロとして自覚を得ていくと、良い意味で慣れてきます。しかし子どもの死と対面した時にどうしてもちょっと耐えられなかったんですね。子どもの命の尊さというか、重さというのを痛感しまして、こういった道で自分は活躍したいという風に思い小児科に進みました。

松本アナ

子どもは自分からなかなか体の中の小さな変化を表現できないですよね。
もっと早く発見できなかったのはどうしてなんだろうって悩んだりもする時に、やっぱり小児科の先生が頼りで、そういうところを早く見つけてくださる先生というのはありがたいと思うんですけれども。その最初の発見って大変ですよね?

鈴木ドクター

そうですね。まず命に関わることなのか、そうじゃないのかというのは見極めないといけない。
もし命に関わらない、そしてこれは症状として軽いと判断した時に、でもお母さんとしてはとても心配しているっていう状況もある訳なんですよね。そうするとそこではお母さんに対して如何に不安を抱かないように病院から帰って頂くかということも大切になってきますので、そういったことを心がけております。

松本アナ

なるほど。それはやはり言葉での伝え方でしょうか?

鈴木ドクター

例えば、「これは風邪でしょうか」という質問が来たりする訳なんですよね。曖昧に答えちゃうと、なかなか患者さんとして不安に思っちゃうんですね。例えば、多分そうだと思うけれどもとか、恐らく風邪でしょうというようなことを言うと、言葉尻で患者さんって不安になっちゃうんです。だからこれは風邪だって確信を持てる場合には、風邪ですよ、安心してくださいというような言葉をかけますね。

松本アナ

ありがたいです。そういったはっきりとしたお言葉。
オンライン診療を鈴木ドクターは始められていますけれども、このオンライン診療導入のきっかけというのは何かあったんでしょうか?

オンライン診療を取り入れたきっかけ

鈴木ドクター

患者さんって本当は病院に行きたくないはずなんですよ。オンライン診療をすると、お母さんは着替えなくても良いし、メイクをしなくても良いし、違うお子さんを連れて来なくても良い。そういうのは非常に利便性が高いということをニーズとして捉え、そのニーズに応えるべく始めました。

松本アナ

逆に対面ですと、顔色一つ見れば何となく察知できるところを、オンライン診療だとそこまで分かってもらえるかな、どうかなという不安も少しばかり無い訳でもないんですが、その辺りはいかがでしょうか?

鈴木ドクター

もちろん聴診できないし、お肌を触ることもできないし体温をじかに感じることができないので得られる情報は限られているんですね。ただし、オンラインで診て心配かどうか、命に関わるかどうか、そうじゃないかというのは、これは画面越しでもすぐ分かります。また、オンライン診療と対面診療というのはセットでやらないといけないのでオンライン診療だけで解決できない場合は、実際に来てくださいと呼びかけています。

患者に対し心掛けていること

松本アナ

鈴木ドクターは患者さんと向き合う時に、どんなことを常日頃心がけていらっしゃいますか?

鈴木ドクター

お父さんお母さんと子どもっていう、この子どもだけを見るんじゃなくて、私は親も見ている訳なんです。小児科というのは親の不安を取り除く、そして子どもの苦痛を和らげるっていう両方の面をしっかりとやっていこうと思って取り組んでいます。

松本アナ

私たち親も見られているんですね。
必要の無い不安を抱く必要は無い訳ですものね。

鈴木ドクター

そうですね。逆に病院に行って不安になって帰って来るってパターンもありますので、そういったことは避けたいなと思っていますね。

松本アナ

私の娘だと担当の先生が大好きで、病院に行くと多分先生が「もう早くお帰りくださいって思っているだろうな」というような状態でも日々の報告をすごくしてしまうんですけど、そういった子どもたちというのはいらっしゃいますか?先生の周りにも。

鈴木ドクター

いますね。可愛らしいですね。本当に。

松本アナ

それは大丈夫なんでしょうか?

鈴木ドクター

大丈夫ですね。ものすごく可愛いと思いますね。

松本アナ

でも、それぐらい小児科の先生が大好きという、そういう先生は私たちにとってもありがたいので、きっと鈴木ドクターも和歌山の新宮市ではそういった存在なんだろうなという風に思っています。
鈴木ドクターはこれからどんなクリニックを目指していきたいとお考えでしょうか?

すずきこどもクリニックの未来

鈴木ドクター

地域からより信頼される医師になりたいと思っています。
私のところで最初に受けて、何らかの不安があって違うドクターのところに行くようなことって、無い訳ではないんですよね。私としては自分の未熟さを感じますし、そういったことが無いように私にかかった患者さんは私としてもずっと診たい。患者さんにとって不安を覚えさせないような発信をして、常に私のところに通って頂けるような、そういったドクターになりたいですね。

松本アナ

本当に様々な不安を親は抱いてしまいますけれども、信頼できるドクターに第一歩としてオンラインで気軽に気楽に相談をして、そして命に関わるのか関わらないのかを判断して頂き、その後引き続き実際にも診てもらえるという、その安心感をしっかりと得られるんだな、気楽に気軽に一歩踏み出して安心感を得られるんだろうなという風に今日は感じました。
今回はオンライン診療にも取り組んでいらっしゃいます、すずきこどもクリニック院長、鈴木幹啓ドクターにお話を伺いました。鈴木ドクター、お忙しい中本当にありがとうございました。

鈴木

ありがとうございました。


インタビュアー

松本志のぶ

静岡県浜松市出身。上智大学外国語学部卒業後、日本テレビに入社。「24時間テレビ」総合司会、「行列のできる法律相談所」レギュラーMCなどを務め、報道・情報・ニュース・バラエティ各種番組で活躍。2009年よりフリーアナウンサーとして、TBS「教科書にのせたい!」レギュラーMCなども務め、また、テレビだけでなく、報知新聞「報知映画賞」選考委員や、クラシックコンサートの司会、子どものための読み聞かせコンサートでの朗読など、活動の場を広げている。