最終更新日:2023年2月18日
こうせんかびんしょう(にっこうあれるぎー)光線過敏症(日光アレルギー)

こちらの記事の監修医師
成増駅前かわい皮膚科
河合 徹
概要
光線過敏症(日光アレルギー)とは、日光などの照射を浴びることで免疫が過剰な反応を起こし、皮膚に炎症が生じる疾患の総称です。代表的なものとして多形日光疹・日光じんましん・薬剤性光線過敏症があります。その中で多形日光疹は10~30歳での女性に好発します。外に出た際にある程度の紫外線であれば誰でも日焼けとして炎症が引き起こされます。しかし、光線過敏症(日光アレルギー)の人は通常なら反応が起きない紫外線量で過敏に反応し、炎症が引き起こされます。また、紫外線だけでなく特定のアレルギーや体質・薬剤の影響を所有する人が日光を浴びることで引き起こされる場合もあります。可視光線といった人の目で見える光でも炎症があらわれるため、夏場以外にも引き起こされます。
原因
光線過敏症(日光アレルギー)の原因は、外因性と内因性に大きく分けられます。外因性では、内服薬や化粧品・日焼け止め、果汁・植物エキスなどに含まれる物質が免疫反応を起こすことが原因となる光アレルギー性とそういった特殊な物質に日光があたることによって直接肌に炎症反応を引き起こす光毒性があります。内因性では、詳しい原因が解明されていないものが多いが、特定の遺伝子疾患・代謝疾患の異常が関係しているとされています。
症状
多形日光疹は、日光を浴びた部分に痒みを伴う赤いブツブツが主に腕に出現し、水膨れになることもあります。耐性が出来るようになると症状は出にくくなります。だいたいは日光を浴びた30分~数時間で症状があらわれますが、数日間症状が出ない場合もあります。日光じんましんは、日光を浴びた直後に痒みを伴う赤いじんましんが出現します。ひどい場合には、みみずばれ状態にもなりますが、通常は数分~数時間で消失します。症状が進行すると、頭痛・めまい・吐き気・脱力・気道が狭くなりぜいぜいとした呼吸を併発します。薬剤性光線過敏症は、内服薬・外用薬を使用することで顔・首・胸部・手の甲などが赤く腫れます。
検査・診断
光線過敏症(日光アレルギー)は、視診や問診で病歴、内服薬・外用薬の確認、使用している化粧品や日焼け止めなどのヒアリングをします。光パッチテスト・光テスト(反応再現検査)なども行い、ほかの疾患との関連性を調べるために血液検査も行います。
治療
光線過敏症(日光アレルギー)は、外因性の場合には原因となる物質(内服薬・外用薬・化粧品など)を避けることで症状の発症を抑えることができます。また、内因性の場合では疾患によっても治療方法が異なってきます。多形日光疹の治療としては、基本的には何もしなくても数日でよくなります。ステロイド外用薬を使用することで回復力が増加します。日光じんましんの治療としては、日光を浴びないようにすることで自然に症状が消失することもあります。しかし、じんましんが続く場合には抗ヒスタミン薬を使用し、それでも改善が見込まれないと免疫抑制剤が使用されます。疾患によって様々な治療法になるが、基本的には遮光の実施と伴に原因となる疾患の治療を行います。
予防/治療後の注意
光線過敏症(日光アレルギー)は、遮光が重要になります。日焼け止めや帽子・日傘・長袖の着用をし、日頃から直射日光を浴びないように気を付けましょう。日焼け止めに関しては、光線過敏症(日光アレルギー)を誘発する可能性が高いUVAは避け、PA(+)~PA(+++)などの製品が良いとされています。もし日光を浴びた際に光線過敏症(日光アレルギー)と思われる症状が出現した場合には、症状出現のタイミング・服薬内容・使用している化粧品などをメモし、患部の写真を撮っておくとスムーズな診断に繋がります。

こちらの記事の監修医師
成増駅前かわい皮膚科
河合 徹
【経歴】
・台湾生まれ、東京都板橋区出身
・台湾大学医学部卒業
・日本国医師免許および台湾医師免許のダブルライセンス
・東京大学医学部皮膚科助教(2017年〜2019年)
・2020年 成増駅前かわい皮膚科開業
【資格】
皮膚科専門医・がん治療認定医・産業医