最終更新日:2022年12月3日
ねんざ捻挫
こちらの記事の監修医師
新宿ホームクリニック
名倉 義人

概要
捻挫とは、関節を支えている靱帯や腱、軟骨などが、不自然な形で外力がかかることにより損傷するケガのことです。関節の靱帯や関節部分の血管が傷ついて内出血を起こし、損傷部分が腫れます。損傷の多くは、靱帯のゆるみや断裂です。全身のあらゆる関節部位で起こり、特に足首や指などに多くみられ、突き指も捻挫の一種です。きっかけは、スポーツ活動中の激しいぶつかり合いや走っている最中の急な方向転換、交通事故や転倒、高齢者が階段を踏み外して起こるケース等さまざまです。
原因
何かの衝撃やねじれ、転倒など関節に強い外力が加わり、関節が本来動ける範囲を越えて非生理的な運動が生じることで起こります。部位ごとに解説すると、例えば足首では内側に大きくひねるなど関節が不自然に曲げられすぎたり、伸ばされすぎたときに損傷します。このような捻挫は足関節内反捻挫と呼ばれ、スポーツ時や日常生活中などさまざまな場面で数多く発生しています。膝の捻挫の中でよく見られる内側側副靱帯損傷は、膝関節の外側から内側に向けて外力がかかることで起こります。これはスポーツ活動中のジャンプ着地や急なターン、相手選手のタックルを受けた際などに起こることがあります。肩の捻挫の1つで、肩甲骨と鎖骨の間にある肩鎖関節の捻挫もまた柔道やラグビーなど相手選手との接触を伴うコンタクトスポーツ時に起こりやすいです。他に交通事故や転落、転倒時に肩の外側を強打することなども原因となります。首の捻挫である頚椎捻挫は、いわゆるむち打ち損傷(正式名称は外傷性頚部症候群)の1つで、交通事故の際に首の損傷を避けるために筋肉を緊張させる防御反応が起こることが原因となっています。
症状
自覚しやすい主な症状は患部の痛みと腫れです。靱帯の損傷が大きいほど痛みと腫れの程度は強く生じます。ただし、膝関節捻挫の1つ、前十字靱帯での捻挫は損傷しても痛みを自覚しにくいです。このほかに捻挫の重症度や損傷部位により、関節のぐらつき(不安定性)や可動域の制限、内出血などが見られることもあります。捻挫による強い痛みや腫れなどの症状は、受傷してから数週間~数か月の間で和らいでいき、その後は運動時の痛みや不安定性が主な症状として自覚されます。この状態で無理をすると他の組織の損傷の起因となり、慢性的な痛みや関節の変形(膝の変形性関節症など)を生じることもあるため、捻挫をした時点で適切な診断と治療を受けることが重要です。
検査・診断
問診時に聴取する「受傷時の状態、捻挫をしたときの状況(関節に直接力が加わったのか、ジャンプの着地で捻ったなど間接的な外力によるものか)、関節がどのような角度で、どちらの方向に動いたのか」といった情報は正確に診断するための重要な要素となります。その後の診察では患部を押さえ、関節に力を加えたときの痛みの有無や靭帯の損傷による関節の緩みの程度を触診や徒手テストで確認します。またMRIは診断上に有用な情報が得られる検査であり、これらの情報を総合的に判断して診断します。
治療
受傷後すぐにRICE処置(①Rest 安静:固定②Ice冷却③Compression圧迫④Elevation挙上)という応急処置を行います。これにより腫れや損傷部位の拡大、内出血などを抑えることができます。その後、医療機関では損傷部位や重症度に応じて治療法を選択します。基本的には手術を行わずに患部を固定し、痛みや腫れがなければ受傷後なるべく早い段階で運動訓練を始める保存療法が選択されます。足関節捻挫の中で不安定性が残存する症例や、膝関節内にある前十字靱帯を損傷している場合には、靱帯を再建する手術が検討されます。近年は手術に関節鏡(内視鏡)を用いて小切開で行うものが多く、回復が早いです。スポーツ復帰を希望する場合は、復帰過程での怪我の再発を防止するために、基本的な身のこなしや敏捷性などブランクの間に低下した運動機能を再び獲得する必要があります。そのために術後数か月から半年かけ、アスレティックリハビリテーションと呼ばれる専門的なリハビリを行います。
予防/治療後の注意
捻挫の予防策として、運動前のウォーミングアップが重要です。身体を温めることで関節の可動域が広がり、柔軟性が向上し捻挫をはじめとするケガを予防できます。また、テーピングにより関節を安定させることも有効です。
こちらの記事の監修医師
新宿ホームクリニック
名倉 義人
《診療科》
内科・整形外科
《経歴》
平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事
平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間専門医として勤務
平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務
令和元年 新宿ホームクリニック開院
《資格》
救急救命専門医
《所属学会》
日本救急医学会
日本整形外科学会



