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最終更新日:2022年4月14日

にんしんとうにょうびょう妊娠糖尿病

こちらの記事の監修医師
柴田産婦人科医院
柴田 浩之

概要

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて糖代謝異常と診断された場合をいいます。なお、妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠前に診断されていなかったものの糖尿病であった可能性がある“明らかな糖尿病”と診断された場合は妊娠糖尿病には含めません。しかし、これらは妊娠糖尿病より重度の状態ですので、血糖をより厳密に管理する必要があります。妊娠糖尿病は妊娠中の病気の中でも特に罹患率が高く、約12%、約8人に1人が診断を受けているとも言われています。妊娠糖尿病を放置していると、母体だけでなく胎児にも影響が出るため、妊婦健診を定期的に受けることが大切です。妊娠糖尿病では赤ちゃんの過剰発育や妊娠高血圧症候群、帝王切開、新生児低血糖などのリスクが高くなることが知られています。また、産後に改善したとしても2型糖尿病を発症するリスクが高いため、生活習慣に気を付けたほうがよいと考えられています。

原因

食べ物が消化吸収されると血糖値が上昇し、膵臓から分泌されるインスリンとよばれるホルモンによって血糖値は低下します。妊娠後半期(妊娠20週以降)には、胎盤から分泌されるホルモンによってインスリンの効きが悪くなると言われています。胎盤からインスリンの働きを抑えるホルモンが分泌されるため、血糖値が上昇しやすくなります。また、肥満の場合、家族に糖尿病の人がいる場合、高年妊娠(35歳以上の初産)、以前に4,000g以上の大きな赤ちゃんを出産したことのある場合などは、発症する可能性が高いため注意が必要です。

症状

妊娠糖尿病による自覚症状はほとんどないため、妊婦健診をしっかり受けて、血糖検査で早期に気付くことが大切です。

検査・診断

血によって調べます。50gブドウ糖負荷試験では、ブドウ糖の入った検査用の飲み物を飲んで、1時間後に採血で血糖値を調べます。スクリーニング検査で陽性になった場合、または尿検査で尿糖の陽性が続いた場合は、75g経口ブドウ糖負荷試験が行われます。

治療

食事、運動、薬物療法などを合わせて行っていきます。血糖値は食前100mg/dL未満、食後2時間120mg/dL未満を目標にします。運動は、食後に有酸素運動を行うのが効果的だといわれています。ただし、妊娠中は体調によって運動をしないほうがよいときもあるので、安全に治療を進めていけるように、必ず主治医に相談しながら実施しましょう。

予防/治療後の注意

妊娠糖尿病を予防するためには過度な食事を避け、栄養バランスのよい食事や、体調に合わせた適度な運動を心がけましょう。そして、体重増加を防ぐようにすることが大切です。そして、出産後6~12週の受診によりブドウ糖負荷試験を受け、病状の確認をすることが大切です。また、治っていても妊娠糖尿病のなかった人に比べ、約7倍という高頻度で糖尿病になりますので、その後も定期的な検診が必要です。産後に母乳で育てますと、母子ともに、将来糖尿病になる頻度が減ることが知られていますので、母乳栄養を心がけましょう。妊娠糖尿病は、妊娠中にいろんな合併症を起こすだけでなく、将来の糖尿病、メタボリック症候群発症にも関係します。妊娠時に糖尿病に対する正しい知識を持ち、医師の指導のもと、妊娠中だけでなく、産後も食事や運動などのライフスタイルに気を配るようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

柴田産婦人科医院

柴田 浩之

〇診療科目 :産婦人科

《 経歴 》
1992年 獨協医科大学卒業
獨協医科大学付属病院第一麻酔科
日本医科大学附属病院産婦人科
日本赤十字社葛飾赤十字産院
下都賀総合病院産婦人科
東京都立墨東病院周産期センター産婦人科
2003年 柴田産婦人科医院 副院長
2019年 柴田産婦人科医院 院長(2月)

《 資格・所属 》
日本産科婦人科学会専門医
厚生省認定麻酔科標榜医
母体保護法指定医師
日本医師会認定健康スポーツ医
八王子市立中学校医
日本能力開発推進協会認定幼児食インストラクター
上級幼児食インストラクター

治療に適した診療科目

産婦人科

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