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最終更新日:2022年7月6日

さるとうサル痘

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

サル痘

概要

サル痘はサル痘ウイルスによる発疹性感染症です。主にアフリカ中央のコンゴ盆地から西アフリカにかけての熱帯雨林地域で発生している感染症ですが、日本ではまだ1例も報告されていません。サル痘は天然痘と症状が似ており、水疱が顔から全身に広がります。しかし、致死率は低く、先進国での死亡例は報告されていません。サル痘はアフリカへの渡航歴や症状、およびPCR検査などで診断されます。サル痘の特異的な治療法はなく、対症療法が行われています。また、サル痘に特化したワクチンはありませんが天然痘ワクチンで一定の予防効果がみられるとされています。2022年5月頃から欧米諸国を中心にサル痘流行地への渡航歴のない患者が増加傾向であり、流行状況を監視していく必要があります。

原因

サル痘はサル痘ウイルスによる発疹性感染症です。実験動物のサルから最初に発見されたため、サル痘と呼ばれています。自然界では、リスやネズミといったげっ歯類に感染しているウイルスと考えられていますが、サルを介してヒトにも感染します。サル痘は、主にアフリカ中央のコンゴ盆地から西アフリカにかけての熱帯雨林地域で発生している感染症です。感染したげっ歯類やサルにかまれることで感染したり、げっ歯類やサルの血液や体液に触れることで感染したりします。まれには、げっ歯類を加熱が不十分なままで食べることにより感染することもあるそうです。また、感染した患者に接触することでも感染しますが、連続してヒトからヒトへ感染した事例は報告されていません。流行地から輸入されることがありますが、日本ではまだ1例も報告されていません。

症状

サル痘は天然痘と症状が似ています。潜伏期間5~21日(大部分は7~14日)であり、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節腫脹、身体のだるさで発症します。リンパ節の腫脹が天然痘との鑑別に有用です。発症から1~3日後に水疱が顔から全身に広がります。水疱は手のひらや足の裏に発生しやすく、口の中、目、生殖器にも見られるのが特徴です。水泡は10日ほどでかさぶたとなり、3週間くらいで消えます。アフリカでの致死率は数%から10%ですが、先進国での死亡例は報告されていません。

検査・診断

流行地への渡航歴と症状からサル痘を疑います。さらに、最寄りの保健所を経由して国立感染症研究所で検査し、診断します。検査法は、水疱擦過物の塗沫、痂皮、血液を用いたPCR検査などです。

治療

現在のところ、サル痘の特異的な治療法はなく、対症療法が行われています。シドフォビルなどの抗ウイルス薬が動物実験で有効性が確認されていますが、ヒトでの有効性は確認されていません。

予防/治療後の注意

サル痘に特化したワクチンはありませんが、天然痘ワクチンで一定の予防効果がみられるとされています。ただし、天然痘ワクチンは市場に出回っておらず接種機会は限定的です。サル痘は4類感染症であり、診断した医師はただちに保健所に届け出る必要があります。サル痘が疑われる患者が出たら、接触感染対策および飛沫感染対策が必要です。世界保健機構(WHO)によると、2022年5月頃から欧米諸国を中心にサル痘流行地への渡航歴のない患者が増加傾向であり注意が必要です。報告された感染者には男性間で性交渉を行う者が多く含まれていること、最初に見られる発疹の場所として肛門周囲が多いこと、セックスパートナー以外への継続的な感染は見られないことから、性的接触が主な原因ではないかと考えられています。いずれにしても今後世界的に感染が拡大しないようにしっかりと監視していく必要があります。

こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝

〇診療科:内科・感染症内科・小児科・アレルギー科・トラベルクリニック

【学歴 】
私立駒場東邦中・高等学校(1982-1988)
昭和大学医学部医学科(1988-1994)
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科(熱帯医学専攻)(1998-2003)
長崎大学熱帯医学研究所(1999)
(Diploma in Tropical Medicine)
タイ王国マヒドン大学熱帯医学部(2001)
(Diploma in Tropical Medicine & Hygiene; DTM&H)
バングラデシュ国下痢症疾患研究所(2002)
(Workshop on Emerging and Re-emerging pathogens)
連合王国ロンドン大学公衆衛生・熱帯医学部(2005)
(Travel Medicine Short Course)

【職歴】
東京慈恵会医科大学付属病院 臨床研修医(1994-1996)
東京慈恵会医科大学付属柏病院・第三病院 小児科助教(1996-1998)
東京慈恵会医科大学付属病院 感染制御部 診療医員(2003-2004)
国立国際医療センター(現:国際医療研究センター)国際医療協力局 厚生労働技官(2004-2005)
国立国際医療センター病院 国際疾病センター(現:国際感染症センター)厚生労働技官(2005-2010)
外務省 在ベトナム日本国大使館 一等書記官兼医務官(厚生労働省より出向)(2007-2009)
国際協力機構(JICA)感染症顧問医(2009-2017)
厚生労働省羽田空港検疫所 非常勤医師(2011-2019)
東京医科大学病院 感染制御部・渡航者医療センター 准教授(2010-2018)
東京医科大学病院 感染制御部 部長(2013-2015)
東京医科大学病院 感染症科 診療科長(2013-2015)
東京医科大学病院 国際診療部 部長(2016-2018)
一般病院・診療所 非常勤医師(2017-2019) 東京都(杉並区、新宿区、葛飾区、世田谷区、千代田区、調布市)、神奈川県(横浜市、川崎市)、千葉県(松戸市、流山市)、埼玉県(所沢市、三郷市、蕨市、羽生市、吉川市、上尾市)、栃木県(真岡市)、群馬県(渋川市)、茨城県(古河市)、山形県(庄内町)、岩手県(奥州市)、北海道(旭川市、釧路市、月形町、江差町)、熊本県(天草市)

【役職】
日本感染症学会評議員
日本熱帯医学会評議員
日本化学療法学会評議員
日本渡航医学会評議員
日本臨床寄生虫学会評議員
日本小児科医会国際委員長
国際協力機構海外協力隊派遣前訓練 感染症講師
株式会社 わらべや日洋ホールディングス釧路工場 嘱託産業医
株式会社JM 嘱託産業医
社会福祉法人ちとせ交友会 嘱託医
株式会社 電通 感染症対策アドバイザー
東京都三鷹市 感染症対策アドバイザー
認定資格
日本感染症学会認定感染症専門医・指導医
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本医師会認定産業医
日本感染症学会推薦インフェクションコントロールドクター(ICD)
身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
国際渡航医学会認定医(CTH® )
米国熱帯医学会認定医(CTropMed® )
一般旅行業務取扱管理者
PADIスクーバダイビングインストラクター(OWSI)
日本臨床内科医会認定医(~2013)日本人間ドック学会認定医(~2014)日本温泉気候物理医学会温泉療法医(~2015)日本化学療法学会抗菌化学療法指導医(~2017)

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