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最終更新日:2022年11月29日

はいりゅうしゅ稗粒腫

こちらの記事の監修医師
いなばクリニック
稲葉 岳也

概要

稗粒腫(はいりゅうしゅ)とは、皮膚の表面にできる1~2mmの硬い丘疹(ブツブツ)をいい、外観は白~黄白色で、硬い塊の中にはケラチンと呼ばれるタンパク質が含まれています。眼の周囲や頬、陰部などによくみられ、様々な年齢層で生じる可能性がありますが、新生児や成人女性にみられることが多いです。特別な原因なく生じる原発性稗粒腫と、熱傷や外傷、皮膚が剥がれるような疾患や、皮膚を削り取る手術後などに生じる続発性稗粒腫があり、どちらのタイプも見た目はほとんど同じです。痛みや痒みはなく、健康被害を引き起こすこともありません。感染性の病気ではないので周囲の人にうつすこともありません。しかし、白ニキビのように見えたり、目の周りに多発すると隠すのが難しいなど、美容的な観点から治療を希望される方も少なくありません。

原因

原発性の稗粒腫の原因は、胎児のときに、皮膚に嚢腫という袋状の構造物が作られることによると考えられています。続発性の稗粒腫は、やけどや水ぶくれ、針での刺し傷、擦り傷など外傷などをきっかけにして生じることがあります。皮膚の治癒過程で、皮膚に元々存在する汗腺や毛穴などを起源として稗粒腫が生じるとされています。また、まれですが薬剤や先天性疾患と関連して稗粒腫が発症することもあります。稗粒腫は老若男女問わずみられますが、加齢が原因の場合や、皮膚の新陳代謝が滞ることでできやすくなるとも言われています。

症状

皮膚に1〜2mm程度の大きさ、白色〜乳白色の、ブツブツとした丘疹状の隆起が生じます。目の周囲や鼻先、顎などによくできますが、体中どこでも生じる可能性があります。また、1~2個だけの病変ではなく、多数の盛り上がりが集まる形で集積していることもあります。赤ちゃんは生まれつき鼻や目元に稗粒腫がみられることが多いですが、数週間の経過で自然に消失することがほとんどです。外傷をきっかけとして発症した続発性の稗粒腫は、自然に消失することもあれば、長期間残ることもあります。稗粒腫は見た目の変化を伴いますが、かゆみや痛みなどの自覚症状はなく、健康被害を引き起こすことはありません。また良性腫瘍ですので、放置してもがん化することもありません。また感染性の病気ではないので、周りの人にうつす心配もありません。

検査・診断

稗粒腫の診断は、皮膚の外観を詳細に確認することで診断ができます。特別な検査をすることなく診断することが可能な場合が多いです。その他の皮膚病変と見極めるために生検が行われることもあります。

治療

稗粒腫は健康被害を引き起こすことはなく、新生児期にみられるものを含めて、自然に消えていくことも期待できるため、特に処置を行わずに経過観察することも少なくありません。しかし、見た目の変化が気になるなど美容的な観点から治療を検討することもあります。その場合には、病変に小切開を加えて内容物を圧出したり、炭酸ガスレーザーやケミカルピーリング、液体窒素を用いるなどして治療を行います。基本的には皮膚科で治療ができますが、美容の一環として美容クリニックでも治療を行っているところもあります。

予防/治療後の注意

稗粒種を自分で押し潰してしまうと、傷跡が残ったり、炎症を引き起こしたりするおそれがあります。綺麗に治すためには、自己流で処置をせずに病院で相談するようにしましょう。また、稗粒腫は一度治療をしても、同じような部位に再発することがあります。再発予防のためには、皮膚を清潔に保ち、しっかり保湿を行うこと、皮膚の新陳代謝を整えることが大切です。また、紫外線による肌への外部刺激も稗粒腫の原因となるため、日傘や日焼け止め、帽子などで紫外線を防ぐのも効果的です。

こちらの記事の監修医師

いなばクリニック

稲葉 岳也

【専門】
耳鼻咽喉科、皮膚科、アレルギー疾患のレーザー治療等

【経歴】
慈恵医大卒
慈恵医大付属病院聖路加国際病院で勤務

【資格】
医学博士
日本耳鼻咽喉科学界専門医
日本レーザー医学会認定医
日本アレルギー学会専門医

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