最終更新日:2022年6月17日
目の中に白い塊ができる原因とは?主な症状と対処法を解説
こちらの記事の監修医師
元町マリン眼科
蓮見 由紀子
目の中に白い塊ができた場合、いくつかの原因が考えられます。時間の経過によって自然に改善していくケースもありますが、治療が必要なこともあるので注意してください。もし痛みなどの症状があるなら、眼科を受診しましょう。目の中に白い塊ができる原因と対処法についてまとめました。
ゴロゴロする目の中・目の周りにできる白い塊は何?
何かしらの病気にかかることで、目の中、目の周りに白い塊ができる場合があります。原因によって白い塊の正体は異なりますが、脂肪やタンパク質が固まったものであることも多いです。
すぐに治療を受けた方が良いケースもあるため、白い塊ができたら専門医の判断を仰ぎましょう。
特に「ゴロゴロする」など目に違和感や痛みがある人、白い塊以外の症状もある人は眼科を受診するようにしてください。
目の中・目の周りに白い塊ができる主な原因
目の中や目の周りに白い塊ができる主な原因としては、次のようなものが考えられます。
- マイボーム腺梗塞
- フリクテン性角結膜炎
- 瞼裂斑
- 結膜結石
- 稗粒腫
- 麦粒腫
- 霰粒腫
白い塊ができる原因は複数考えられますが、「塊ができる場所」「症状」などに違いがあります。また、対処法も異なるので、自己判断はしないようにしましょう。
次に目の中や目の周りに白い塊ができる原因について説明していきます。
マイボーム腺梗塞
マイボーム腺はまつ毛の生え際辺りにある油分を分泌する皮脂腺です。マイボーム腺から油分が分泌されることで、涙は蒸発しにくくなります。
しかし、マイボーム腺の機能が低下した場合、分泌された油分が皮脂腺の出口で固まってしまうケースがあります。このような状態がマイボーム腺梗塞です。
まつ毛の生え際辺りに白い小さな塊ができていたら、マイボーム腺梗塞の可能性が高いと思ってください。
白い粒は固まった油分なので、ホットタオルなどで温め、優しくマッサージすることで改善される場合もあります。ただし、間違った方法でのケアは、症状が悪化する原因になります。
マイボーム腺梗塞による自覚症状があるときは、眼科で相談しましょう。
マイボーム腺梗塞には目の乾き、異物感といった症状のほかにも、別の眼病にかかりやすくなるなどのリスクもあります。
フリクテン性角結膜炎
フリクテン性角結膜炎は細菌に対して起こる免疫反応が原因の病気です。角膜、結膜で起こり、黒目(角膜)の際あたりに黄色味がかった灰色をした小さな水疱ができます。フリクテン性角結膜炎の主な症状は、目の異物感、かすみ、充血などです。また、普段よりも光を眩しく感じることもあります。
自然に回復するケースもありますが、再発する可能性もあるため注意しましょう。治療には抗菌点眼薬のほか、内服薬が用いられたり、患部の清拭が行われたりもします。
瞼裂斑(けんれつはん)
瞼裂斑(けんれつはん)は黒目の両端から白目にかけて黄みがかり、隆起した状態のことです。隆起する原因は脂質、タンパク質の沈着で、高齢者、紫外線や潮風にあたる機会が多い人、コンタクトレンズを使用している人に起きやすい症状です。
瞼裂斑は自覚症状がなく、軽度なものなら治療の必要もありません。ただし、炎症を伴う瞼裂斑炎は、充血や痛みなどの症状があり、治療が必要なケースもあります。
治療には点眼薬が処方されることが多いですが、状態によって異なるので、目に違和感があるなら眼科で相談してください。
結膜結石
まぶたの裏の粘膜にできる白や黄色の塊が結膜結石です。結膜結石は分泌物が固まったもので、深い場所にできた小さなものなら症状はありません。
しかし、結石が浅い位置に移動すると、角膜が傷つく原因になります。
結膜結石の主な症状は「痛み」「異物感」「充血」「涙目」などです。もしこのような症状が続くなら、結石を除去しなければならないケースもあります。自然に結石が取れることもありますが、自覚症状があるときは眼科を受診しましょう。
稗粒腫
稗粒腫(はいりゅうしゅ)は目の周辺のほか、頬の辺りにできるケースもあります。稗粒腫の原因は古い角質です。毛穴から皮膚に入った古い上皮が固まることで稗粒腫になります。
稗粒腫の大きさは直径1〜2ミリほどで、見た目以外に症状はありません。見た目が気になる場合は、皮膚科などで治療することもできます。
麦粒腫
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は「ものもらい」とも呼ばれ、まぶたのふちが腫れます。腫れによって痛みを感じることがあり、目の充血や発熱などの症状を伴うケースもあります。
麦粒腫の原因は、黄色ブドウ球菌などの菌の感染です。抵抗力が弱っているとき、目にケガをしているときは、感染のリスクが高くなるので注意してください。
通常は、数日で腫れから膿みが出て、回復に向かっていきます。ただし、治るのが遅いケース、一度治っても再発するケースもあります。
また、痛みが強いケースもあるので、そのような場合は眼科で相談しましょう。治療には抗菌作用のある点眼薬や軟膏、内服薬が用いられるほか、必要に応じて外科治療も行われます。
霰粒腫
まぶたにしこりを感じる場合、霰粒腫(さんりゅうしゅ)の可能性もあります。霰粒腫の初期段階は痛みが少なく、ほとんどは腫れもありません。しかし、前述のマイボーム腺梗塞を起こすこともあり、そこに細菌が感染すると腫れや赤みが生じます。
軽い症状なら抗菌点眼薬や軟膏などで治療可能です。一方、再発を繰り返す場合などは外科治療が必要になります。
白い目やに・糸状の目やにが増えるのは病気のサイン?
目やには誰にでもできるものですが、通常とは異なる色をしていたり、糸状になっていたりするなら注意が必要です。例えば、黄色ブドウ球菌などの細菌に感染している場合、白い目やにや糸状の目やにができます。
白い目やに、糸状の目やにに加えて、白目の充血や涙目などの症状があるときは、何かしらの眼病になっている可能性を考えましょう。
目の中に白い塊ができたときは市販の目薬で治る?
結膜炎や麦粒腫に対しては、抗菌作用のある目薬が市販されています。しかし、目の中や周辺に白い塊ができる原因は、ひとつではありません。市販の目薬で対処しようと考える人もいますが、原因が分からないのであれば専門医の判断を仰ぎましょう。
症状を放置すると悪化したり、治療が困難になったりすることもあります。特に痛みなどの症状があるときは、早めに眼科で診察を受けることが重要です。
目の中に白い塊ができたら早めに眼科を受診しよう
目の中に白い塊ができる原因は、フリクテン性角結膜炎や瞼裂斑、結膜結石などです。原因は複数あるため、すぐひとつに絞ることはできません。ただし、原因によって目の中や周辺にできる塊の大きさや形状、場所、色味などが異なります。
自己判断は危険なので、目の中の異物感や痛みなどの症状があるときは早めに眼科を受診しましょう。
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こちらの記事の監修医師
元町マリン眼科
蓮見 由紀子
〇診療科 : 眼科、美容皮膚科、泌尿器科(非常勤・週2回)
【経歴】
2001年 信州大学医学部卒業
2001年 横浜市立市民病院レジデント
2003年 藤沢市立市民病院眼科専修医
2005年 横浜市大大学院医学研究科博士課程
2007年 米国国立衛生研究所(NIH)研究員
2014年 横浜南共済病院、あおと眼科勤務
2016年 蒼風会追浜駅前眼科院長
2020年 元町マリン眼科 開院
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