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最終更新日:2022年4月27日

安易に試すと危険!「豊胸サプリメントの闇」を医師が解説

こちらの記事の監修医師
南クリニック
南 晴洋

(写真=PIXTA)

動画サイトやSNSで目にすることの多い豊胸サプリメント。広告をクリックすると「飲むだけで2サイズアップした」「こんな簡単な方法があったなんて、もっと早く飲めば良かった」など、バストに悩む人にとって魅力的なレビューが並んでいます。

たいていの人は「そんなことあり得ない…」と頭では思うでしょう。しかし、「一度だけ試してみようかな」と、購入ボタンを押してしまった経験のある人も少なくないはずです。広告が掲載され続けているということは、それだけ購入者が多い証なのですから。

そこで今回は、豊胸サプリメントには本当に効果があるのか、ないのか。医師の立場から正直にお答えしていきましょう。

「サプリメント」と「薬」の違いは?

まず、知っておいてほしいのですが、サプリメントは「薬」ではなく「食品」です。英語では「supplements」と表され、「不足を補うもの」を意味します。ビタミンやミネラルなど、不足しがちな成分を濃縮しカプセルや錠剤にしたもので、「健康食品」という言葉も、ほぼ同じ意味で使われています。

ここまで聞くと「効果が期待できる!」と思われるかもしれませんが、残念ながら「効果」について明らかにはなっていません。だからこそ「食品」のカテゴリーなのです。薬や医薬部外品は、有効性と安全性を国が認め、許可されたものだけです。つまり、サプリメントも健康食品も効果は実証されていないのです。

サプリメントでホルモンバランスを変えるのは不可能

結論、サプリメントを飲むだけでバストアップすることは「100%ない」と言い切ることができます。それにもかかわらず、サプリメントにはかなり高額なものもあります。効能が期待できないものに、大切なお金を支払っている人たちがいると思うと残念でなりません。

多くの豊胸サプリメントは、女性ホルモンのエストロゲンと似た成分を持つ「大豆イソフラボン」を含有しているものが多いのですが、それだけでホルモンバランスが急激に変化することはありません。私たちの血液内に存在するホルモンは、50mプールにスプーン1杯の量を入れたくらい微量でありながら、体の機能を大きく変化させます。そのような繊細な働きをするため、医師が行うホルモン治療でも慎重を期して行われます。それなのに、ドラッグストアで誰もが簡単に手にできるサプリメントでホルモンバランスを変化させることができるとしたら非常に危険と言わざるを得ません。

つまり、サプリメントで女性ホルモンの数値を変化させることは無理なのです。

「海外では禁止されている成分」で健康被害が多発中

ただし、天然の植物の中には、女性ホルモンのバランスを変化させる強いパワーを持ったものがあります。植物の根を原材料にした「プエラリア・ミリフィカ」という成分がそれにあたり、豊胸だけでなく美肌やアンチエイジング効果をほのめかしサプリメントに含有させている商品が見受けられます。

しかし、非常に強いエストロゲン活性化作用を持つために、健康被害の報告が後を絶ちません。ホルモンバランスの乱れから、月経不順、消化器障害、皮膚障害などを訴える人が急増。厚生労働省でも専門家を集めた審議会が現在進行形で進められているのです。

諸外国ではプエラリア・ミリフィカを食品として許可していなかったり、含有量の制限が設けていたりするケースが多いのですが、日本では審議中ということもあり規制はありません。サプリメントとしてふつうに販売されていますから、消費者としては成分を確認して危険を避けるしかないのです。

単純にホルモンの値が上昇するから良いというわけではないのです。バストアップに限らず、女性ホルモンが関与する症状や体のことで悩んでいるのでしたら、医師に相談して科学的根拠、そして安全性が認められている薬を処方してもらうようにしてほしいと思います。

毎日少しずつ大豆製品を食べれば十分

サプリメントを全否定するつもりはありません。大豆イソフラボンという成分は、確かに女性ホルモンエストロゲンと構造が似ていますから、納豆、豆腐、豆類が苦手で食べられないという人にとっては重宝する可能性はあります。特に、更年期以降、女性ホルモンが枯渇してきた人には、毎日、ある程度の大豆イソフラボンの摂取は必須です。

とはいえ、食事で摂れていればそれ以上プラスする必要はありません。農林水産省も「大豆イソフラボンをはじめとする天然の食品成分に、様々な生理機能があることが明らかになりました」としつつも、「機能性成分も摂り過ぎるとヒトの体に悪影響を及ぼすことがわかってきました」とホームページではっきり注意喚起しています。

医師の立場で言わせていただくのであれば「サプリメントは気休め程度に考えて」もらい、効果が証明されている医療に頼ってほしいというのが切なる願いです。

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こちらの記事の監修医師

南クリニック

南 晴洋

南クリニック院長
日本美容外科学会(JSAPS)
日本形成外科学会
アメリカ美容外科学会
マニラ病院名誉顧問

京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。

平成元年3月 産業医科大学卒業
平成元年5月 京都第二赤十字病院形成外科勤務
平成7年4月 大手美容外科院長
平成9年10月 南クリニック開業

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