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最終更新日:2022年9月28日

眠れない人が急増中!長時間持続する緊張感は有毒で、脳を破壊する

こちらの記事の監修医師
桜並木心療医院
遠山 高史

(写真=PIXTA)

眠れない現代人が激増しているといいます。それは情報量が人間の脳の処理能力を超えているからともいえますが、情報が途切れることなく届く一方で、持続する緊張感も脳の機能に影響を及ぼします。どのように対処すればいいのでしょうか。精神科医が解説します。

眠れない現代人が激増している理由

渋谷ハチ公前で石を投げたら、眠れない人にあたる確率は以前4人に1人ぐらいであったが、最近はもっと増えているかもしれない。不眠で通ってくるIT系の会社の社員Dさんに聞いたところ、眠剤(睡眠薬)をのんでいる社員は社長を含め二人に一人ぐらいだという。少し多すぎやしないだろうか。

眠れない人が激増している。ストレス社会だから仕方がない、眠剤でも貰おうかと、病院に行くと、以前は、案外あっさりと処方してくれた。しかし最近は、以前ほど簡単ではない。依存性があり、乱用のおそれもある眠剤が多い。特に飲みやすい眠剤ほどやめにくい。そこで、処方に制限が加えられるようになったが、そのおかげで、短いスパンで病院通いを延々としなくてはならなくなった。

なぜ眠れない人が激増しているのか。

情報量が人間の脳の処理能力を超えているからであるとおもえるが、そもそも、昨今、情報が人間の体内時計を全く無視して届けられることも原因の一つと言えよう。地球の裏側と夜中会議をしなくてはならないとか、テレビも面白い番組は夜遅く放映される傾向があるし、子供たちもベットの上でパジャマ姿でスマホでやり取りしたり、もちろん夜の仕事はますます増えている。

持続する緊張は「有毒」である

オンザアラート(on the alert)、警戒態勢を長時間続けることが脳の機能を壊します。

寝るホルモンと覚醒ホルモンも体内時計に従って分泌されるが、夜の情報のやり取りが増えれば、覚醒ホルモンが夜に分泌されるようにもなる。

これに追い打ちをかけるのが、ランダムな情報の到来である。決まった時間に決まった情報が届けられるなら、ある程度は対応可能であるが、いつ情報がやってくるかわからないとなると、オンザアラートがずっと続くことになる。これが大きなストレス因になる。

一回の強いストレスよりも、弱いがいつやってくるかわからないストレスへの対応は緊張を持続させ、脳を疲弊させる。

運送会社でトラックの配車をやっている働き者の女性Bさんが、眠れないといってやってくる。

私の知る限り、トラックの配車係はかなりの気力のいる仕事である。荒くれた運転手に、行き先や、トラックに乗る場所を指示しなくてはならない。しかし、近場なら行くが遠くは嫌だ、突然休んだ運転手の代わりを、なぜ自分ばかりやらねばならないのか。

こうした不満をなだめたり、高速道路を使いたいといった要求をはねのけたり、いろいろ運転手の不満をまず受けねばならない。それでも学生時代はソフトボールのキャッチャーで、もう少しでオリンピック代表になれたかもしれない、体育会系の女性である。荒くれたトラックの運転手たちを、あしらうのがうまい。そこを買われて配車係になった。

なぜ配車係が眠れなくなったのか

しかし、その彼女がどうにも眠れなくなったのである。かつて眠れないなどといったことが一度でもあっただろうか。

運転手からの電話は夜中でも休みの日でもかかってくる。

運転手の朝は、午前3時だったり4時だったり。それでも決まってその時間に電話があるのならよいが、いつかかってくるかわからないとなると、一日の内、リラックスできる時間が無くなる。いつもどこか緊張しているから、睡眠も浅くなる。これが、つづくと、ストレス耐性が下がり、より些細なことにも過敏となる。

このことは動物実験するとすぐに証明される。いつ襲われるかわからないというストレスを動物に与え続けると、たいしたストレスでもなくても、21日目に吐血して死ぬという有名な実験がある。いつ襲ってくるかわからないゲリラを相手にするためには、十倍の兵力が必要というのが、軍隊での常識である。

ずっと緊張を続けると、脳の危機センサーである偏桃体が肥大し、情報処理をする海馬が委縮する。これにより、重要でもない情報にも過敏となり、睡眠が阻害される。

睡眠にはレム睡眠と徐波睡眠がある

睡眠にはレム睡眠と徐波睡眠という二つの相がある。

レム睡眠の時に情報をシャッフルして(この時いろいろな夢を見ている)、重みづけして、徐波睡眠の時に必要なものを残し一斉削除していると考えられている。この作業は一定のリズムで行われるが、リズムが安定しないと、睡眠の質が落ち、徐波睡眠が消滅して、削除ができなくなる。どうでもよい情報が消えずに残り、正しい判断を阻害する。

情報の削除には徐波睡眠が必要である。

徐波睡眠は睡眠脳波を記録しているときに遅い波が出てくる相を言うが、これは深い睡眠のことで、浅い睡眠では出てこない。いつも緊張が続くために深く寝れず睡眠が浅くなり、削除されないどうでもよい情報に過敏になりやすく、それがさらに偏桃体という危機センサーの肥大過敏を招き、安心して、眠ることができなくなる。それは漠然とした不安を心に醸しやすくさせ、ますます眠りずらくなる。

不眠にはどう対処したらよいのか?

IT企業に勤めるDさんは言う、もし、深夜に及ぶ残業をへらせば、売り上げが半分に減る。それでも減らすしかない。

1日の内で 決めた時間にきちんと寝るために、その時は携帯のスイッチを切っておかねばならない。でも、朝、スイッチ入れた時の留守録を聞くのは恐ろしいとBさんはいう。それでも切ろう。

そして、定期的に自然と接する機会を作るべきである。それは、ちょっとした旅行というのではない。実際に土に触れ畑を耕したり、動物の世話をしたり、自然の中で設計図によらずにクリエイティブな作業をやるとよい。自然の特徴はファジー、曖昧さにある。

しかも、意味あるものを生み出す力を有している。それは、主として自然が持つ見えざるリズムによる。昨今の情報、契約社会はできるだけあいまいさを排除し、自然のリズムに全く配慮がされていない。それが脳を疲れさせるのである。生き物は一時も同じ物質でできておらず、時々刻々と流動する物質が、さまざまなリズムを調和させることで、音楽のように立ち上げられているのである。

それゆえ、生き物はリズムある自然の流れの曖昧さ、(曖昧さが調和を生むのである)に触れると気持ちがおちつくのである。しばし、自然の流れにコラボした時間に身をゆだねることが、押し寄せるキチキチ、デジタル的情報におぼれずに済むのである。どうぞおためしあれ。 

不眠は不幸の始まりなのか?

睡眠力は幸福力だと国民的漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の作者として有名な水木しげるはいった。

「人間は寝ることによってかなりの病が治る。私は“睡眠力”によって傷とか病気をひそかに治し、今日まで“無病”である。私は“睡眠力”は“幸福力”ではないか、と思っている」

(注)なお、渋谷で石を投げたりしないように。筆者 

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こちらの記事の監修医師

桜並木心療医院

遠山 高史

精神臨床医
精神臨床医歴45年。新潟県出身。自治体病院長を経て、東京近郊で心療内科を開業。第12回千葉文学賞受賞、時々農民をやっている。

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