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最終更新日:2023年1月11日

がんや感染症から身を守る、「免疫」の重要性

こちらの記事の監修医師
伊東くりにっく
伊東 信久

ペストや天然痘、スペイン風邪など、人類は幾度となく生存を脅かす感染症にさらされながらも生き延び、現在まで脈々と命をつないできました。

まだ医療も薬もない時代でさえ生き残ることができたのは、私たちの体に病原体を排除して病気から身を守る免疫システムが備わっていたからにほかなりません。

本記事では、免疫がどのようにして病原体から私たちの体を守っているのか、免疫の重要性について解説いたします。

免疫細胞は非自己と認識した異物に攻撃

病原体だけではなく臓器でも血液でも、とにかく「自分(自己)」と「自 分ではないもの(非自己)」を認識し、自分以外のものをすべて排除しようとすることで、 自分を守るシステムが免疫の基本になっています。

免疫システムは、自然免疫と獲得免疫という2段階で構成されています。自然免疫は生まれつき備わっている防衛部隊で、獲得免疫は生まれてから経験を通して備えていく特殊部隊です。 

自然免疫と獲得免疫の違いを簡単にいうと、「記憶」の有無ということになります。記憶がなくても異物(非自己)であれば即攻撃をするのが自然免疫、異物を記憶して戦略的に攻撃するのが獲得免疫です。

ウイルスや細菌などの表面には、私たちの細胞とは明らかに違う目印がついているため、免疫細胞は自己か非自己かを見極められます。 

私たちヒトの細胞のすべてには、「私」であるという自己同一性を示す「目印」(主要組 織適合抗原:MHCクラスI分子、ヒトではHLAクラスIと呼ぶ)がついています。約37兆個といわれるヒトの細胞の一つひとつに、「私」を示す同じ印がついているというこ とです。この印が免疫でいう「抗原(免疫作用を起こす物質)」となります 。 ヒトとウイルスの「抗原」は異なるため、免疫細胞は簡単にウイルスを異物として見分 け、排除することができます。

私たちの体は、こうして免疫という厳しいセキュリティーシステムによって守られているからこそ健康でいられるのです。そのため、免疫システムが正常に機能しなくなると簡単に不審者の侵入を許してしまうこととなります。 免疫細胞の数も活性(攻撃力)も十分で、細菌やウイルス、がん細胞といった異質なものを排除できる状態にしておかなければ健康は守りきれなくなります。 

免疫細胞はどこで作られるのか?

免疫を担っているのは免疫細胞といわれる白血球です。血球には赤血球、白血球、血小板という3種類の細胞があり、赤血球は体内の各臓器に酸素を運び、白血球は病原体から体を守り、血小板は出血を止めるという、そ れぞれが特有の役目を担っています。これ らの3種類の血球は、「造血幹細胞」と呼ばれるたった1種類の細胞から作られています。

骨髄の中で造血幹細胞が白血球に分化し、B細胞などそれぞれの役割を担った免疫細胞は、そのまま骨髄にとどまって成熟していきますが、T細胞だけは生まれた場所を離れて未熟な状態で胸腺に移動し、胸腺の中で成熟していきます。
 
成熟したT細胞は、血液に乗って全身をパトロールして回ったり、リンパ節や脾臓などの免疫を担う臓器へ移動したりして、免疫システムの一翼を担って活躍をしています。 

がん細胞はあらゆる手段で免疫の監視をすり抜き増殖する

もともと自分の一部であった細胞でも、異質なものに変異することがあります。それは、B型肝炎やC型肝炎などのウイルスに感染した細胞やがん化した細胞です。
 
免疫細胞は、がん細胞としての異質な抗原を目印にして攻撃をしかけて排除します。ところが、がん細胞も生き残りをかけて必死なので、もともとの正常細胞の抗原を維持することで免疫細胞の監視をすり抜けたり、免疫細胞に認識されないようにがん細胞としての異質な抗原を隠して獲得免疫から逃れたりすることもあります。 

がん細胞は生き延びるのに必要な栄養と酸素を得るために、自身の近くへと血管を引き寄せ、本来は体の中の健康を支える大切な役割を担っている細胞増殖因子やサイトカインが悪用されているのです。 
 
さらに、がん細胞は「特殊なメッセージ物質」=「エクソソーム」も駆使することで、免疫から逃れていることが最近の研究で明らかになってきました。 

このように、がん細胞もあの手この手を使って免疫をあざむき、どんどん増殖していきます。さらに進行してくると、がんの組織内でもがん細胞自体が変異していくため、免疫によって排除したり、治療を行ったりしても治すことが困難になっていきます。

生き延びた病原体を撃退する免疫機能を備える「腸」

腸には生き延びた病原体を撃退するための「腸管免疫」が備わっています。全身の免疫細胞の約6割が腸管に集結し、全身から集められた免疫細胞の戦闘能力を強化するための「パイエル板」と呼ばれる場所も用意浅れています。

教育を受けた免疫細胞たちが腸管免疫を担っているだけではなく、血液に乗って全身にも運ばれ、体の各所に配置されて病原体などの敵を見つけると戦士となって攻撃しています。

腸管免疫では「危険な細菌やウイルスなどを排除すること」と「食品や腸内細菌などの安全なものは排除しないこと(寛容)」を判断する役目も果たしており、その訓練も免疫細胞は受けています。 腸管免疫は腸内細菌に助けられて発達します。

免疫はストレスも手強い敵に!

免疫にとって警戒しなければならない敵は、細菌やウイルスなどの病原体だけではありません。実は、ストレスも手ごわい敵といえます。 

例えば、苦手な人とどうしても会わなければならないとき、憂うつな気分になるだけではなく、本当にお腹が痛くなるなど体調 が悪くなることがあります。 これは「嫌だな」という感情がストレスとなって体を緊張させ、自律神経のバランスを崩したことによって生じます。

自律神経は、生命活動に関わる全身の機能を調整している神経です。自律神経は体を活発に動かす方向に働く「交感神経」と体を休ませる方向に働く「副交感神経」の2種類があり、両者はア クセルとブレーキの関係にあって常にバランスを取っています。  
 
自律神経もストレスには勝てず、感情や周りの環境に影響されやすく、時には健康を損なうことがあります。ストレスは、自律神経のバランスを崩して免疫力を低下させ、さまざまな病気を引き起こす要因にもなります。
 
ストレスで交感神経が優位になると、 アドレナリンやノルアドレナリンの分泌が増加し、血管を収縮させ、血流が悪くなり、全身で血行障害が起きます。 血液は免疫細胞も循環させているため、血流が悪くなると NK細胞などの、特に自然免疫に関わっている免疫細胞のパトロールが手薄になり、発がん物質やがん細胞も発見されず、排除することができなくなります。

このように自律神経と免疫系は密接な関係がありますので、自律神経のバランスを整えて免疫機能を維持するうえでも、いかにストレスとうまく付き合っていくかが重要になってきます。

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こちらの記事の監修医師

伊東くりにっく

伊東 信久

医師。大阪大学国際医工情報センター招聘教授。 神戸大学医学部卒業後、大阪市立大学大学院医学研究科に入学。修 了後、大阪市立大学医学部形成外科を経て、麻酔科、脳神経外科、 整形外科など多岐にわたる医療現場で活躍する。「腰痛の悩みを抱え る患者が、原因や病名を正しく認知し適切な治療に臨めるように」 と椎間板ヘルニアをレーザーで治療する PLDD(経皮的レーザー椎 間板減圧術)専門クリニックの開院やがんの最先端治療の一つであ る NKT 細胞がん治療にいち早く着目するなど、「人生 120 年時代」 を見据えた最前線の医療の提供に尽力する。主な著書『椎間板ヘル ニア治療のウソ・ホント』など多数。

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