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最終更新日:2022年4月16日

恐ろしい…死亡率約40%の「心筋梗塞」、早期発見につながる「6つのサイン」

こちらの記事の監修医師
国家公務員共済組合連合会 大手前病院 救急科 
甲斐沼 孟

(写真=PIXTA)

心筋梗塞は、発症した場合の死亡率が40%ともいわれる死に至りやすい危険な病気です。一方、日常生活のなかで少し意識して気をつけることにより、充分に予防できると、国家公務員共済組合連合会大手前病院の甲斐沼孟医師はいいます。心筋梗塞の特徴や初期症状のサイン、治療法についてみていきましょう。

元気な人でも突然発症…「心筋梗塞」の特徴とは

心筋梗塞は、主要な症状として急に胸に激痛が起こり、胸に締めつけられるような圧迫感を覚える危険な心臓の病気であることが知られています。

発症した場合には、すぐに救急車で病院に担ぎ込んで早急に治療を施さないと、死亡率約40%と死を招きやすいことでも広く知られており、多くの人を前触れもなく襲う恐ろしい病気といえるでしょう。

心筋梗塞という病気は、心臓を養う冠動脈という血管が突然ふさがり、冠動脈疾患を起こすことによって心筋の一部への血液供給が大きく減少、遮断されて発症します。心臓への血液供給が数分以上にわたって大きく減少するか中断されると、心臓の横紋筋の筋肉組織が壊死することに繋がることから、大変危険です。

心臓のポンプ機能は、心筋が収縮と拡張を繰り返すことで維持されているため、心筋梗塞を起こして心筋の一部が機能しなくなって死んでしまうと、ポンプ機能が正常に働かなくなり、心不全などを引き起こしてしまうのです。

また、急性心筋梗塞では、同時に心室細動という危険な不整脈を合併しやすく、そうなった場合には特に迅速で適切な治療の有無が生死を分けることになります。実に、亡くなる人の半数以上が、発症後1時間以内に集中しているという統計もあるなど、大変恐ろしい疾患です。

心筋梗塞を引き起こすとされている主な要因としては、高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、ストレス、喫煙、家族歴などが挙げられますが、心筋梗塞が起こる前には予兆があるとされており、この病気を適切に治療する方法もあることから、早期発見が命運を分けるといえるでしょう。

心筋梗塞に「なりやすい人」と「そうでない人」の違い

食習慣

心筋梗塞になりやすい人の特徴のひとつとして、ラーメンやうどんといった麺類の汁を飲み干すなど、日常の食生活において塩分を過剰に摂取している人が挙げられます。

血液中に塩分が増えてしまうと、必然的に血圧が上がり、血圧が高い状態が続くと血管壁はその圧力に耐えようとして生理的に厚く硬くなってしまうため、動脈硬化が進行します。

塩を使う代わりに酢やレモンなどを活用するなど、普段から調理法を工夫している人は心筋梗塞になりにくいと考えられます。

次に、野菜や海藻から日常的にミネラルやビタミン群を摂っている人は心筋梗塞になりにくいといえるでしょう。

一般的に、血液中のカリウムが増えると、ナトリウムが排出され血圧が下がる傾向が指摘されています。カリウムを豊富に含むのは、トマト、カボチャ、ほうれん草、サトイモなどの野菜類、バナナ、シイタケ、納豆などが代表例であり、こうしたカリウムを多く含む食品の摂取は高血圧を予防して心筋梗塞の発症リスク低減に直結すると考えられます。

また、カルシウムの摂取が少ないと、骨などからカルシウムが溶け出て血液中のカルシウムが増え、血栓ができやすくなるといわれています。そのため、カルシウムを豊富に含む牛乳や小魚、大豆製品、ヒジキや昆布などの海藻類を食事に取り入れることも効果的です。

野菜に含まれるビタミン群は、動脈硬化を促進する活性酸素を除去してくれます。したがって、野菜類、海藻類、大豆製品などは、体に大切なミネラルやビタミンの宝庫であり、急性心筋梗塞を未然に予防してくれますので、普段から心掛けて摂取しましょう。

運動習慣

心筋梗塞の予防には、食生活における工夫と並んで、習慣的な運動が効果的であり、ウォーキングなど有酸素運動を1回当たり30分程度、週に3~4回と無理のない範囲で実践している人は、心筋梗塞になりにくいと考えられます。

特に歩くことは健康維持の基本であり、歩行時に筋肉を使えば使うほど基礎代謝が上がり、血液の循環がよくなって動脈硬化を予防することに繋がりますので、日常生活ではなるべくエスカレーターやエレベーターには乗らず階段を使うなど、意識的に歩くことを心がけましょう。

該当したら迅速に病院へ!心筋梗塞にみられる6つのサイン

心筋梗塞では入院前に亡くなる人が多い疾患であり、心筋梗塞を発症した場合、その死亡率は約40%とされています。他方、近年の治療成績は向上しつつあり、心筋梗塞で入院した場合の院内死亡率は10%以下です。

心筋梗塞を発症した人はその半数以上が発作前に前兆症状を自覚しているといいます。そこで今回、心筋梗塞の疑いがある初期症状などのチェックリストをみていきましょう。

  1. 胸痛、胸部圧迫感や絞扼感
  2. 胸焼け
  3. 肩・歯・下顎部にかけての放散痛
  4. 痛みが数分程度で治まる
  5. 胸痛発作などの症状をたびたび繰り返す
  6. 階段や坂道を昇降する際に胸部症状を起こしやすい

これら心筋梗塞の疑いがある初期症状を認めた場合、迅速に専門医療機関を受診して的確な治療を受けることをお勧めします。

心筋梗塞に対する主な治療法としては、冠動脈を閉塞している血栓を溶かすために血栓溶解薬を注射する薬物療法、あるいは比較的低侵襲にカテーテルを使って閉塞病変を解除する冠動脈血行再建法、そして外科的治療としての冠動脈バイパス術などが代表的です。

特に高齢で合併症が多い場合、カテーテルを用いた冠動脈血行再建法では、細いチューブ状のカテーテルを血管に挿入して冠動脈の病変部まで進ませて、バルーン(風船)や再狭窄を予防するための薬剤が塗布されている筒状の金属ステントを用いて血管を拡張します。

一方で、多枝病変を有する患者さんや手術リスクが低いと思われる人、薬物療法で十分な効果が得られない、もしくは冠動脈血行再建法が実施困難なケースでは、外科的な冠動脈バイパス手術が選択肢として挙げられるでしょう。

手術治療においては、冠動脈の狭窄部位や閉塞部分を迂回するように、基本的には自己血管を駆使してバイパスを作成し、心筋への十分な血流を確保する治療手段であり、昨今では長期的な成績も上昇傾向にあります。

症状が悪化する前に…一度病院で診察を

心筋梗塞は、死に至りやすい危険な病気です。

その原因のほとんどは血管の動脈硬化にあるといわれており、動脈硬化そのものは食事や運動などを中心に普段の生活のなかで少し意識して気をつけることで充分に防げます。

まずは食事の内容に気をつける、意識的に体を動かすことなどを心掛けましょう。

万が一、胸部症状を自覚して前兆があった場合、この段階で循環器内科や救急医療機関を受診することにより、心筋梗塞による死亡を最大限防ぐことが可能です。

もしも心当たりがある場合には、近くの医療機関や専門クリニックに受診されることをお勧めします。

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こちらの記事の監修医師

国家公務員共済組合連合会 大手前病院 救急科 

甲斐沼 孟

専門分野:救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

平成19年に大阪市立大学医学部医学科卒業。初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科で日々修練しております。令和3年より、同院救急科医長、令和4年現在に至る。

保有資格:
日本外科学会専門医
日本病院総合診療医学会認定医
日本救急医学会認定ICLSコースディレクター
厚生労働省認定緩和ケア研修会修了医
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本感染症学会認定 Infection Control Doctor
日本静脈経腸栄養学会認定TNT研修修了医
日本救急医療財団認定医師救急医療実務実地修練課程修了医
日本救急医療財団認定病院前医療体制における指導医等研修課程修了医
日本脳卒中学会認定脳梗塞rt-PA適正使用講習会修了医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本医師会認定死体検案上級研修修了医
日本医師会認定生涯教育医
日本医師会認定かかりつけ医機能研修制度修了医
ACLS大阪認定コースディレクター
日本職業・災害医学会認定労災補償指導医
日本職業・災害医学会認定海外勤務健康管理指導者
大阪府知事認定難病指定医
エピペン処方登録医
ブプレノルフィン適正処方医
大阪府医師会指定学校医
大阪市地域メディカルコントロール協議会検証会議委員
大阪市消防局高度専門教育訓練センター救急救命士養成課程病院実習指導医
看護師特定行為研修指導者講習会修了医
日本老年医学会認定高齢者医療研修会修了医(総合機能評価加算に係る研修修了)

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