最終更新日:2021年10月28日
高血圧の人は要注意!突然死リスクを爆上げする「魔の時間帯」がある

こちらの記事の監修医師
六本木・寺林治療院院長
寺林 陽介

寒さの厳しいこの時期、注意したいのが「血圧」です。血圧が上昇すると血管の壁に大きな負荷がかかるため、命に関わる病気につながります。血圧は睡眠中が最も低く、起床とともに上がり始めます。血圧の変動で最も重要なのは早朝で、午前6時から9時の間は血圧が急上昇しやすい、「魔の時間帯」と呼ばれています。血圧のメカニズムを学ぶと対処方法も理解しやすくなります。
血圧高めの人の「魔の時間帯」とは
朝起きて、何を着るか迷うこともなくなるほど寒くなってきました。
そうなると危ないのが血圧です。そして、高血圧の人は夜から早朝にかけての時間帯が脳卒中や狭心症の起こりやすい時間帯といわれています。
血圧とは「血管の中を血液が通る時にかかる圧力」、その際に「血液が血管を押す力」のっことです。心臓は通常1分間に60~70回ほど、ポンプのような要領で血管に血液を送り出します。
そして血圧は最高血圧と、最低血圧の数値があります。心臓がバクンと縮んで送り出された血液が、
・通る時に血管にかかる圧力が最高血圧。一般にいわれている「上の血圧」
・通った後にかかる圧力が最低血圧、「下の血圧」です。
血管をストローに置き換えて考えてみましょう。ストローといえばプラスチック製ですが、スターバックスコーヒーは環境保護のために紙製のものに切り替えていくという話がありました。これが全て完了すると年間約2億本のプラスチック製ストローの削減になるのだそうです。また、マクドナルドもその方針のようだという話がありました。
現在、紙ストローなのかわかりませんが、物のたとえとして今回はマクドナルドに行って飲み物を頼んだと仮定します。ジュースやウーロン茶でしたら楽に吸い込むことができますが、シェイクだとどうでしょう? 勢いよく飲もうと思ったら結構大変です。
同じ液体でも、サラサラしたものよりドロドロしたもののほうが管を通りづらいですからね。吸う自分も大変ですし、ストローにも負担がかかります。
血管も同じです。血液がドロドロだったりすると心臓は通常よりも強い力で血液を送り出さなければなりません。老廃物などで血管が詰まり気味なっていたら血管にかかる圧力、血圧が高くなります。
塩分をとりすぎると心臓が疲れる理由
塩分をとりすぎた時も血圧は高くなります。
血液中のナトリウムが水分を取り込んで、塩分濃度を薄めようとするため、血管内を流れる 血液の量が増えて、血管の壁を中から圧迫するからです。そして、送り出さなければならない血液の量が増えると心臓の負担も大きくなります。
大きな圧力がかかり続けると血管が破れないようにするため、体は血管を厚くします。しかし、血管の壁が厚くなるとそれだけ、血液の通り道は狭くなってしまいます。ストローの内側に砂糖などがこびりついてジュースが飲みづらくなる感じでしょうか。
狭くなった血管を通るため、血管には更に圧力がかかり、体はそれに負けないよう、また血管の壁を厚くして…、こうして動脈の壁が厚くなり、その柔軟性や弾力を失うことを「動脈硬化」といいます。
動脈硬化が起こると、血管はちょっとしたことで破れやすくなり、さまざまな病気を引き起こします。例えば脳の血管が固くなり、血流障害が起こると頭痛やめまい、痴呆などが起こりやすくなり、脳梗塞や脳出血につながる恐れもあります。
また、血栓もできやすくなります。血栓とは血液中の血小板が固まったものです。一時期、エコノミークラス症候群が問題視されましたが、長時間同じ姿勢のままでいて血流が悪くなっていたり、体が脱水状態だったりすると血栓ができやすくなります。
さらに血小板には切り傷ができてしまった時などに、血を固め、出血を抑える働きがあるのですが、血管に傷がついてしまった時にも、血管内部でかさぶた状のものを作って傷をふさごうとします。それが何度も繰り返されると、かさぶた状のものが重なっていき、血栓となる事もあります。
血栓によって血管が詰まってしまうと、そこから先に血液が流れなくなり、 やはり脳梗塞、心筋梗塞など重大な病気を引き起こします。
鍛えられないほうがいい筋肉がある
高血圧は血管だけではなく、心臓にも大きな負担をかけます。鍛えれば鍛えるほど筋肉が厚く、固くなるように、強い力で血液を送り出し続けると、心筋も厚く、固くなりますが、その半面、柔軟性が失われてポンプとしての機能は弱くなります。
そのため、少し体を動かしたりしただけでも息切れがしたり、動悸が激しくなったりしてしまい、最悪は心不全につながることもあります。
このようにサラサラでない血液は高血圧や動脈硬化の原因となり、血管や体に二重三重のダメージを与えます。血液中の老廃物をろ過して外に出し、きれいにしてくれるのは腎臓です。その腎臓も高血圧が長く続くと、腎臓の動脈にも負担がかかって固くなってしまいます。
そうすると、腎臓の血流量が減って、腎臓そのものが固くなり、血液をろ過する働きが落ち てしまいます。これを腎硬化症といいます。
腎臓が弱って働きが落ちる→老廃物を処理できず血液がドロドロになる→血圧が高くなって、血管がダメージを受け、更に腎臓の働きが悪くなる。
という悪循環が起こってしまうのです。
このような悪循環を避けるためには、できるだけ血液がドロドロにならないような生活習慣を心がけること、そして日頃から腎臓を労わってあげることが大切です。
ツボ押しなら「腎兪(じんゆ)」がオススメ
ツボ押しですと、腎兪(じんゆ)がオススメです。おへその横に親指を当て、脇腹に向かって外側へ→わき腹から背骨に向かって親指を動かし、背骨の両横の筋肉(脊柱起立筋)の所まで来たら止める。
その場所が腎兪です。ここを、フーッと息を吐きながら、8秒間かけて親指でグーっと押します。これを3セット。
夜、眠っている間は血圧が下がっていてくれないと心臓や血管に負担がかかってしまうので、寝る前にやってください。
そして朝、寒くて布団から出たくない。でも、もう起きなきゃいけない。そんなタイミングでもやってみてほしいです。
何度倒されても、起き上がるボクサーのように。8カウントで起き上がってください。 パッと起きられること受け合いです。
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こちらの記事の監修医師
六本木・寺林治療院院長
寺林 陽介
1996年にあんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師の国家資格を取得し、父の治療院で本格的に修業を開始。
24歳のときから一人で治療院を運営し、現在に至る。
2008年には南青山でも完全紹介制・完全予約制の治療院を開設し、2014年4月、東京都港区六本木に移転。
患者に心から満足してもらえる治療院を追求している。
どこに行っても楽にならなかったという患者ほど違いを実感する「疲れとりマッサージ」を行い、多くの著名人から評判を得ている。
著書『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム刊)は30万部のベストセラーになり、テレビ、雑誌など多数のメディアで注目を集めた。
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