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最終更新日:2021年9月26日

体にできた「盛り上がったやわらかいしこり」の適切な治療方法

こちらの記事の監修医師
ふるばやし形成外科粉瘤クリニック 総括医
古林 玄

蕁麻疹と診断される3つのポイントと治療における重要ポイント
(写真はイメージです。/PIXTA)

人の体にできる腫瘍には、良性から悪性までさまざまな腫瘍があります。そのなかでも粉瘤は比較的できやすく、10人に1人は体のどこかに粉瘤ができるといわれています。ふるばやし形成外科粉瘤クリニックの古林玄先生が粉瘤の症状や治療法、予防法について解説します。

目次

  1. 皮膚にできた「盛り上がったやわらかいしこり」の正体とは
  2. 粉瘤を取り除く手術…くりぬき法と切開法
    1. 〈くりぬき法のメリットデメリット〉
    2. 〈切開法のメリットデメリット〉
  3. 粉瘤ができないようにするためには

皮膚にできた「盛り上がったやわらかいしこり」の正体とは

粉瘤(アテローム)とは、表皮嚢腫(のうしゅ)ともよばれる良性の腫瘍のひとつです。人の体にできる腫瘍には、良性から悪性までさまざまな腫瘍があります。そのなかでも粉瘤は比較的できやすく、10人に1人は体のどこかに粉瘤ができるといわれています

粉瘤ができる原因は皮膚のなかに皮膚組織が埋入し、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まっていくことです。最初はあまり目立たないので、ニキビや小さなしこりのように見えますが、徐々に大きくなり、皮膚が隆起してきます。

この状態で放置してしまうと、臭いや細菌などの感染による炎症が発生してしまいます。とくに、お尻や脇で炎症すると座れなくなったり、腕が動かせなくなったりと、日常生活を快適に過ごせなくなってしまうのです。

そして、炎症によって化膿し、強い痛みや腫れを生じている場合には、できるだけ早い処置が必要です。

炎症を起こすと中身の老廃物が排出されて、一度小さくなり、炎症は治まります。しかし、腫瘍自体は残っているため、再度徐々に大きくなり、炎症を繰り返してしまうため、手術により、腫瘍を取り除く必要があるのです。

また、よく自分で粉瘤を潰してしまう患者さんがいますが、炎症の原因は粉瘤の袋が壊れ、なかの老廃物がカラダのなかで漏れ出し、異物反応を起こすことです。自分で潰すと炎症を自ら起こしてしまうことになりますので、潰してはいけません。

粉瘤を取り除く手術…くりぬき法と切開法

粉瘤ができたしまった場合、基本的には皮下に埋まった袋を取り除く手術が必要です。粉瘤を取り除く手術には、腫瘍の上に切開を加え、腫瘍を一塊に摘出する切開法と小さな傷から腫瘍を摘出するくりぬき法があります。腫瘍はできる場所や深さ、大きさなど千差万別なのでその人に合った治療法を選択されます。

〈くりぬき法のメリットデメリット〉

くりぬき法は、傷跡を小さくでき、5分~10分程度で手術が終わります。しかし、腫瘍を少しでも取り残すと再発してしまう可能性があるため、手術の難易度が少し上がります。そのため、手術は症例数の多い先生や熟練した先生に行ってもらう必要があります。

〈切開法のメリットデメリット〉

切開法は、腫瘍をしっかりと切除することができるため、再発率は低くなりますが、術後に傷跡が大きくなってしまうというデメリットがあります。

炎症を何度も繰り返している場合や、大きい腫瘍、余剰皮膚が出てしまうような場合では切開法での手術が必要です。
手術後、取り出した内容物の処理や消毒について
これらの方法で摘出した腫瘍は、基本的に病理検査※にだします。その検査によって、まれに悪性腫瘍だとわかる場合があるので、結果をきちんと把握する必要があります。また、腫瘍もさまざまあり、その他の腫瘍の診断にも役立ちます。
※病気の診断や原因の究明のために、手術で採取された組織を対象に顕微鏡などを使ってくわしい診断を行うこと。

手術後は、術後に消毒するのが当たり前でしたが、最近では消毒などをする必要はなく、シャワーなどでしっかり洗浄すれば問題ありません。洗浄後は軟膏などで少し湿潤状態にして傷の経過を診ることになります。

また、従来はまず、切開を行い、袋のなかの膿を排出して、毎日外来で洗浄することが基本でしたが、洗浄の際に毎回強い痛みがあるうえに、なかの袋が残った状態ではなかなか炎症が治まりませんでした。

しかし、くりぬき法や切開法で、内容物と袋をしっかりと取り切り取れば、術後の外来通院は必要なく、家庭でシャワー洗浄すれば痛みは2~3日で勝手に治まります。

また、炎症している粉瘤は炎症が治まってから手術をすることが当たり前でしたが、最近では、当日手術を行っている病院もあります。

粉瘤ができないようにするためには

粉瘤は体質でできることが多いですが、ウィルスやケガも原因のひとつであるといわれています。

体質でできる場合には予防することは難しいですが、ニキビによる組織の破壊と治癒を繰り返すことで、粉瘤ができる場合もあるため、ニキビの治療をしっかり行うことも大事です。ニキビが腫れる原因も粉瘤と同様なので毛穴に老廃物が溜まらないようにすることが大切になります。

昔はビタミンCの内服や抗生剤の経過で様子を診ることが多かったですが、現在ではピーリング作用のある薬や、殺菌作用のある塗り薬が保険適応としてよく使われています。角質をとることで皮膚の老廃物が溜まりにくくなり、皮膚の状態を正常化することができるのです。

市販などではあまり効果のない治療薬が沢山販売されているので、しっかりとクリニックで診断を受け、予防していくのが重要です。

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こちらの記事の監修医師

ふるばやし形成外科粉瘤クリニック 総括医

古林 玄

大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学付属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医としてさまざまな手術を経験。
豊富な経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、見た目にもきれいな仕上がりで再発の少ない治療を提供している。
YouTube「ふるばやし形成外科粉瘤クリニック 東京新宿院_大阪梅田形成外科粉瘤クリニック」でも情報発信を行っている。

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