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最終更新日:2021年8月24日

水ぼうそうの症状を解説!主な原因や感染経路・潜伏期間は?水ぼうそうの治療法や予防法もあわせてご紹介

こちらの記事の監修医師
長浜赤十字病院
安齋祐子

水ぼうそう(水疱瘡)とは10歳以下の子供によく見られる感染症で、正式名称は水痘(すいとう)です。
感染力が強く5歳までに80%の子供が発症するといわれています。
成人になって発症すると重症化する可能性が高い感染症です。
また、1度感染するとウイルスが体内に潜伏し、高齢になってから帯状疱疹(たいじょうほうしん)として皮膚発疹や帯状疱疹後神経痛を発症する可能性があります。今回は水ぼうそうの症状や原因、そして治療法などについて詳しく確認していきましょう。

水ぼうそうの主な症状

水ぼうそうの症状にはいくつかの特徴があります。
以下の項目を参考に、水ぼうそうの症状を把握しましょう。

発熱

水ぼうそうに罹患すると37〜38度の発熱が生じます。発熱は通常3日から4日ほど続くのが特徴です。
その後に発疹・水ぶくれが出現するケースが多いです。人によっては感染しても発熱が発生しない事例も稀にあります。

水疱を伴う発疹

水ぼうそうの症状の特徴として、身体全体に痒みを伴った紅斑(赤くて小さな発疹)が現れ、それが、水疱になりかさぶたになるので、紅斑、水疱、かさぶたと不均一な発疹が頭皮を含めた全身に出現します。口の中にできると口内炎症状で経口摂取がしにくくなったり、外陰部にできると排尿痛を伴い排尿時に泣いたり、排尿を嫌がったりします
この紅斑は胸やお腹を中心に、頭皮や足、顔、口の中など全身に広がるのが特徴です。
水ぼうそうと似た疾患の1つに手足に水疱(水ぶくれ)ができる手足口病があります。
しかし水ぼうそうの場合は、胸や背中など体幹部分に発疹が出ることが多いのが特徴です。
その後1週間ほどかけて痒みを伴う水疱、かさぶたへと変化していきます。

全身の倦怠感

水ぼうそうを発症すると、発熱と同時に倦怠感(だるさ)や食欲不振などの体調不良が伴う症状が出ることがあります。
この倦怠感は発熱と同様に3日前後続くケースが一般的です。

水ぼうそうの症状の割合

次に、水ぼうそうの症状の割合について紹介します。
水ぼうそうは大人と子供では症状の出方や感染率が異なる病気です。
以下の項目を参考に、水ぼうそうの知識を深めましょう。

子供の場合

水ぼうそうは10歳以下の子供が感染するケースが多く、感染者の約9割を10歳以下の子供が占めます。
特に1歳から4歳頃での感染率が高いです。
また水ぼうそうは感染力が強いため、次々と人にうつります。
そのため保育園や幼稚園などで集団感染してしまうケースも多いのが特徴です。
家庭内においても90%以上の確率で発症した子供の兄弟・姉妹は感染してしまうといわれています。
学校保健安全法でも、水ぼうそうを発症した場合は全ての発疹がかさぶたの状態になるまでは出席停止の期間を設けるのが一般的です。
家族が感染している場合でも、感染する可能性が消失するかさぶたの状態になるまでは出席停止になります。

大人の場合

大人の水ぼうそうは子供に比べて発症率は高くありませんが、子供の時に罹ったことがなければ、ウイルスに感染し発症する危険性があります。
大人が水ぼうそうを発症すると、子供が発症する以上に症状が強い傾向です。
大人の水ぼうそうは発疹よりも子どもの感染に比べて熱が高く、水疱は痒みよりも痛みを強く感じるケースが多いといわれています。
水痘肺炎肝炎・髄膜炎・脳炎などの重い合併症を伴い、重症化するケースも多いので気をつけましょう。
また妊娠中の女性が水ぼうそうを発症した場合は、様々な危険性があります。
母体においては重篤な水痘肺炎を引き起こす危険性があり、母体死亡率は13~14%と高いです。
お腹の胎児にも感染し、妊娠20週までに水ぼうそうを発症すると先天性水痘症候群を患うリスクも生じます。
また帯状砲身を発症した場合は、流産や子宮内胎児発育不全などで胎児が死亡するケースもあるので危険です。
妊娠時には予防接種を受けることができないので、妊娠中はくれぐれも感染しないように気を付けてください。
過去に水ぼうそうを発症したことのある人は体内にウイルスが潜伏しており、加齢により免疫力が低下した時に帯状疱疹を発症する危険性があります。
帯状疱疹は胸など胴体に出るケースが多いですが、顔や足に出ることもあるのが特徴です。
目の周りに出た場合は失明する可能性もありますので、早急に治療をするようにしてください。
また足に出た場合は歩行が困難になることもあります。
特に高齢者の場合、長期間歩けなくなり、そのまま寝たきりの状態になってしまう危険性も高いです。

水ぼうそうの主な原因

水ぼうそうを発症する原因はヘルペスウイルスの仲間である「水痘・帯状疱疹ウイルス」に感染する事が原因です。
このウイルスに免疫のない人が感染すると水ぼうそうを発症します。
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染経路は主に飛沫感染と空気感染の2パターンです。
咳やくしゃみをした飛沫を直接吸い込んだり、空気中に漂うウイルスを吸い込んだりすると感染します。
また帯状疱疹患者から、水痘・帯状疱疹ウイルスに免疫のない人が感染することで水ぼうそうとして発症する場合もあるでしょう。

水ぼうそうの感染経路や潜伏期間

水ぼうそうの感染経路や潜伏期間について詳しく解説します。
感染経路を把握することで、水ぼうそうの予防にも備えましょう。

飛沫感染と空気感染

水ぼうそうの主な感染経路は飛沫感染と空気感染です。
「飛沫」は人が咳、くしゃみ、唾といった話した時に口から放出される小さくて細かい水滴のことを指します。
この飛沫にウイルスが含まれることがあり、ウイルスを含む飛沫を吸い込んでしまうことで感染するのが飛沫感染です。
空気感染は前述した飛沫が飛沫核という微小の粒子になり、空気中に漂ったものを吸い込むことでウイルス感染することを指します。
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染経路の大部分がこの飛沫感染と空気感染です。
マスクを着用し、距離を取っていても同じ空間にウイルスが存在している以上は高い確率で伝染します。

潰れた水疱から接触感染の場合も

ウイルスにおける3つ目の感染経路が「接触感染」です。
水ぼうそうを発症した人の患部や、感染者が触れたものを触ることにより感染します。
また帯状包疹も同様に、発症している人の患部に触ることにより感染するのが特徴です。
ちなみに帯状疱疹は飛沫感染や空気感染をしない点では、水ぼうそうと異なります。
接触感染の場合、感染してから2週間前後で発疹が出始め発症するのが特徴です。
潜伏期間中は、ウイルスが血中やリンパ節で増殖し、ウイルスが増えることで発症します。
また発疹の出る1~2日前から発疹がかさぶたになるまでの期間が周囲への感染力が高まる期間です。
水ぼうそうを発症した人は、爪などで水疱を掻きむしることで、潰れた水疱から伝染性膿痂疹(とびひ)などの細菌感染を起こすこともあります。

潜伏期間は2週間程度

水ぼうそうの潜伏期間は一般的に感染から2週間程度といわれています。
潜伏期間も人にうつす可能性があるため、水ぼうそうの感染に気が付いたら、周囲に感染させないよう配慮が必要です。
身近に既に感染患者がいる場合は、感染の可能性も考えて外出や他者との接触を控えるようにしましょう。

水ぼうそうの流行時期

水ぼうそうは毎年11月頃から流行が始まり、一旦2月から3月にかけては少し落ち着く傾向があります。
しかし4月から5月にかけては再び増加するのが特徴です。
7月頃から減少し、8月から10月は最も発生数が少ない時期といえるでしょう。
一方、帯状疱疹は水ぼうそうとは逆に夏に多く発生し、冬は少なくなる傾向があります。

水ぼうそうの治療法

水ぼうそうに罹患した場合、体に現れている発疹や水疱の状態によって医師が診断をするのが一般的です。
重症化している場合は、2次感染の可能性などを調べるために必要に応じて血液検査やウイルス検査を行う場合があります。
基本的に水ぼうそうにかかったときは、現れている症状を緩和させる療法を行い、自然に症状が治まるのを待つのが治療法です。
水疱に対しては、カチリという白い塗り薬が処方されることが多く、水疱の乾燥を早めて伝染性膿痂疹(とびひ)を予防します。
かゆみを抑えるために「抗ヒスタミン薬」が処方され、発熱がひどい場合は解熱剤が処方されるケースが多いです。
また重症化が懸念される場合は「アシクロビル」という抗ウイルス薬が処方されることがあります。
いずれも医療機関に足を運び、症状に合わせて処方してもらいましょう。
患部が痒いときは、掻かずに保冷剤をタオルの上から当てて冷やしてください。
痒いからといって掻きむしると、傷ついた箇所から細菌の2次感染が起きる可能性があるため注意が必要です。
注意していても掻いてしまった時のために爪を短く整えておくと良いでしょう。
体中に水疱ができていても、体調が良ければシャワーを浴びても構いません。但し、入浴は避けましょう。
全身に発症した全ての水疱がかさぶたになった状態で、医師から許可が出れば再び入浴することができます。

水ぼうそうの予防法

水ぼうそうの予防法についても紹介します。
水ぼうそうは感染力の高い病気のため、適切な予防をすることが大切です。

水痘ワクチンの予防接種を受ける

水ぼうそうの重症化を100%防げる方法がワクチンの予防接種を受けることです。
予防接種は受けてから約2週間で効果が表れ、接種後11年間にわたり効果が持続していると報告されています。
平成26年10月から水ぼうそうワクチンの予防接種が、接種対象者は無料で接種できるようになりました。
接種対象年齢は水ぼうそうの既往歴がない生後12ケ月から36ケ月に至るまでの間にある幼児で、接種回数は2回です。
2回目の接種は初回から最低でも3ヶ月以上の間隔をおいて接種する必要があります。
初回接種後6ヶ月から1年位までの時期に行うことが理想的です。
副作用は殆どないのが一般的ですが、稀に接種直後から翌日の間に発疹・じんましん・紅斑・痒み・発熱などの症状が出る人もいます。
また接種後1~3週間ごろに発熱、発疹がある人もいますが、そのほとんどは数日中に消失するでしょう。
1回だけの接種では数年以内に約20~50%の人が発症する可能性が高いといわれています。
しかし2回接種していれば95%以上の人が発症しません。
また仮に発症したとしても、ワクチンを接種している場合は自然感染するよりも症状が軽く済み、水疱の跡も残りにくくなります。また、他人に感染させるリスクも下がります。
3歳までの子供を育てている人は必ず子供に定期予防接種を受けさせましょう。
勿論、水痘ワクチンは希望すれば基本的には何歳の人でも受けることが可能です。
水ぼうそうの発症歴のない人やウイルスの免疫のない人はワクチンを2回接種することをお勧めします。
1歳未満で水痘に罹患したことがある場合は医師に相談をしてください。
ちなみに、水痘ワクチンの禁忌は下記の通りです。

・同ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある人
・妊娠していることが明らかな人
・明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者、および免疫力抑制をきたす治療を受けている人

なお、ワクチン接種後2か月間は妊娠を避けるようにしましょう。

予防接種をせずに感染した人を避ける

前述したように妊娠中の人や水痘ワクチンでアレルギー反応が出た人は予防接種を受けることができません。
予防接種ができない人は感染予防に細心の注意をはらう必要があります。
水ぼうそうの予防として、感染患者や水疱がある人への接触を極力避けましょう。
また、外出する際は飛沫感染と空気感染のリスクを極力減らせるようにマスク着用も心がけてください。

重症化しないためにも予防接種を検討しよう

既に水ぼうそうに自然感染した人や潜伏期間中の人であっても、予防接種の効果があります。
水痘ワクチンの予防接種を受けると、感染者との接触が3日以内であれば約80%の確率で発症が阻止されるといわれています。
この点でも水ぼうそうの重症化を100%防げる方法が水痘ワクチンの予防接種を受けることだといえるでしょう。
また水ぼうそう患者との接触後にワクチンを1回接種すると、72時間以内での発症阻止率は90%と高いのが特徴です。
水ぼうそうを発症した患者の家族で、水ぼうそうの発症経験がない人は速やかにワクチンを任意接種することを推奨します。
また帯状疱疹の予防としても50歳以上の人はワクチンの防接種が可能です。
水ぼうそうの発症歴のある方で、50歳以上の人もワクチンの予防接種をするようにしましょう。

まとめ

主に幼児がかかる感染症のイメージが強い水ぼうそうですが、免疫がなければ大人にとっても大変危険性のある感染症です。
正しい知識や考え方を持って、水ぼうそうの感染対策・予防をするようにしましょう。

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こちらの記事の監修医師

長浜赤十字病院

安齋祐子

〇病院名 :長浜赤十字病院
〇医師  :安齋 祐子
〇アクセス:滋賀県長浜市宮前町14番7号
〇診療科 :小児科
〇経歴: 2001年:自治医科大学卒業
2013~2016年:長浜赤十字病院小児科医長
2016年~2018年:上海グリーンクリニック
2018年~現在:長浜赤十字病院小児科部副部長

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