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症状でコロナ、インフル、かぜの診断はできるのか?【総合診療医が解説】【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月26日

症状でコロナ、インフル、かぜの診断はできるのか?【総合診療医が解説】

こちらの記事の監修医師
国際医療福祉大学成田病院 総合診療科
片山 皓太

(写真=PIXTA)

新型コロナウイルス感染症の第6波のなか、“かぜ診療”も変化しています。発熱、鼻水、のどの痛み、咳…などの症状で、新型コロナウイルス、インフルエンザ、かぜを診断することは可能でしょうか。“かぜ診療”について総合診療医が解説します。

かぜはウイルスによる感染症

読者のみなさんは、“かぜ”の原因がどんな微生物なのかをご存じでしょうか?

微生物には肺炎などを起こす細菌、カビといわれる真菌、新型コロナウイルスなどのウイルスが含まれます。“かぜ”は、ウイルスによる感染症です。肺に至るまでの空気の通り道である上気道(鼻からのどまで)がウイルスに侵された状態を“かぜ”と総称します。よくみられる症状は発熱、鼻水やのどの痛み、咳などです。

では、発熱、鼻水、のどの痛み、咳いずれかがあれば“かぜ”なのでしょうか? 答えはNOです。病院の外来には“かぜ”で受診される方が多くいますが、医師はほかの病気が隠れていないかをいつも注意して診療しています。

例えば、鼻水のほかに顔が片側だけ痛い場合は副鼻腔炎かもしれません。のどの痛みに加えて、食べ物を飲み込むときに痛みを感じたり、声が出にくかったりする(くぐもった声)場合は、放っておくと窒息してしまう急性喉頭蓋炎などの病気を考える必要があります。

発熱に加えて咳や痰のみが症状である場合は肺炎を必ず考えないといけません。これらの病気の多くの原因は細菌感染症です。細菌感染症の治療には抗菌薬が必要であり、場合によっては命にかかわる病気が含まれます。

このように鼻水、のどの痛み、咳があるからと言って必ず“かぜ”とは限りませんし、“かぜ”では鼻水、のどの痛み、咳が全てそろうことが多いです。なお、読者の多くの皆様はお気づきと思いますが、“かぜ”はウイルス感染症のため抗菌薬は無効です。

ここまで“かぜ”の話をしてきました。私たちは新型コロナウイルス感染症の第6波の真っ只中にいます。新型コロナウイルス感染症と“かぜ”は区別できるのでしょうか?

症状だけでコロナ、インフル、かぜの診断は?

今まで“かぜ”を診療する際には秋から春にかけて流行するインフルエンザの抗原検査をおこなっていました。インフルエンザもウイルスによる感染症です。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により“かぜ”の診療には新型コロナウイルス感染症のチェックが欠かせないものとなりました。新型コロナウイルス感染症のチェックとは、PCR検査や抗原検査です。これらの検査結果が出るまでに時間はかかりますが、最初におこなう検査として定着しつつあります。

加えて、医療者の感染防護の観点から患者さんに触れる診察があまりできなくなっています。その代わりに電話やオンライン診療で患者様のお話を伺う機会が増えました。

しかし、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ、そして“かぜ”を症状だけで区別するのは不可能です。いずれもウイルスが原因のため、様々な症状がみられます。新型コロナウイルス感染症の症状は発熱(52%)、呼吸器症状(29%)、倦怠感(14%)、頭痛(8%)、消化器症状(6%)、鼻汁(4%)、味覚障害(3%)と報告されています1)

インフルエンザでも鼻水、味覚障害以外はよくみられると言われています2)。新型コロナウイルス感染症の区別のためには、検査に頼らざるを得ないのが現状です。

ここまで“かぜ”にまつわる症状について説明してきました。では、“かぜ”に対して私たちにできることは何なのでしょうか。

マスク、手洗い、3密回避はかぜ予防に有効

私たちにできることは自分の体の状態を把握すること、予防をしっかりすることです。

自分の体のことは自分にしかわかりません。症状がいつから始まったか、発熱以外にどんな症状があるか、周囲に同じような症状の人がいるか、職場や学校などで流行している病気はないかなどを把握していただけると医療従事者は助かります。加えて、持病や治療中の病気の有無、アレルギーなどもまとめておくとよいでしょう。

“かぜ”の診療においては、命にかかわる病気を見逃さないことが重要になります。新型コロナウイルス感染症においては、ニュースなどでも注意喚起がなされているチアノーゼ(くちびるや指先が青紫色になること)や呼吸困難などは危険なサインです。医療機関受診や救急要請を検討する必要があります。

予防をしっかりすることも大事です。因果関係には議論の余地がありますが、新型コロナウイルス感染症の流行の一方でインフルエンザの発生はほぼみられなくなりました。これは“新しい生活様式”の成果のひとつとも考えられています。不織布マスクの着用、手洗い、3密の回避は、“かぜ”の予防にも有効。

新型コロナウイルス感染症のオミクロン株は感染力が強いことが明らかになってきました。今の時期は、普段一緒に過ごす人以外とのマスクをはずした接触は避けた方がいいでしょう。また、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、ワクチンで重症化予防ができます。これらのワクチン接種も検討してください。

まだコロナ禍は続きますが、しっかり予防して春を迎えたいですね。

参考文献:

1) 診療の手引き検討委員会:新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第6.2版. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html

2) CDC : Influenza(flu)Cold Versus Flu.https://www.cdc.gov/flu/symptoms/coldflu.htm

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こちらの記事の監修医師

国際医療福祉大学成田病院 総合診療科

片山 皓太

「地域の診療所から病院をカバーする総合診療医」を目指して日々診療している。
2021年4月より新設医学部要する国際医療福祉大学に赴任して、医学生の教育も担う。

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