最終更新日:2021年8月24日
インフルエンザの症状を解説!主な感染経路は?感染後の対処法や予防接種の費用もあわせてご紹介します
こちらの記事の監修医師
フリーランス
末光智子

インフルエンザは空気が乾燥し始める秋口から流行しはじめ、1月から3月が流行のピークです。
「寒い時期に流行する」というイメージがありますが、年によっては春先まで感染が続くこともあります。
インフルエンザの症状は風邪とよく似ているため感染に気付きにくく、広い範囲に感染を広げてしまうことが少なくありません。
まずはインフルエンザの症状を知っておくことが大切です。
インフルエンザの特徴的な症状や感染経路、万が一感染した場合の対応や予防接種の費用まで幅広く解説します。
インフルエンザの主な症状

インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3型が存在し、同じ型でもタンパク質の構造によって更に種類分けされます。
たとえば変異しやすいA型の場合は140種類以上、B型は今のところ2種類です。
変異の頻度が大きく異なることから、A型とB型は全く別の性質を持つかのように感じるかもしれません。
しかしA型もB型も感染・発症時の症状には大きな違いがなく、どちらも風邪の症状によく似ています。
そのため普通の風邪とインフルエンザでどこが違うのかを知っておきましょう。
38℃以上の高熱
インフルエンザの症状の特徴として「高熱」が挙げられます。
風邪で高熱が出ることも稀にありますが、一般的には微熱程度から38℃前後で落ち着くことがほとんどです。
また最大の特徴は熱の「上がり方」にあります。インフルエンザでは体調に異変を感じた時点で38℃以上の熱が出ていることが多く、短時間で40℃前後まで上昇することも珍しくありません。
急に発熱して一気に高熱に至るのがインフルエンザの特徴といえます。
関節痛や筋肉痛

発熱に伴って生じるのが強い倦怠感や関節痛・筋肉痛です。
人間の体はウイルスと戦うために免疫系が動き、体温を上げるために筋肉を細かく震わせます。
発熱時には筋肉が懸命に動いており、その結果関節の痛みや筋肉痛が生じ、怠さにつながるのです。
風邪で熱が上がるときにも同じ症状が出現しますが、熱が急激に上がるインフルエンザでは短時間で筋肉を酷使するため症状が強く出ます。
頭痛や倦怠感
頭痛や倦怠感も風邪と共通する症状です。熱が上がっている最中にも、熱が下がった後にも頭痛が見られる点も共通しています。
そのためこれらの症状だけで風邪とインフルエンザを見分けるのは難しいでしょう。ただしインフルエンザは熱が高い分、強い症状が出る傾向です。
インフルエンザの主な感染経路

インフルエンザのような症状が出た場合、多くの方がマスクを着用して病院に向かいます。また実際にインフルエンザだと分かれば出勤停止・出席停止です。
これらによってインフルエンザの感染経路を断ち、周囲に感染を広げないようにしています。
インフルエンザウイルスの感染経路は大きく3つに分類されますが、どれも特別な経路ではなく日常生活の中での感染です。
代表的な感染経路を確認し、インフルエンザ予防につなげましょう。
飛沫感染
インフルエンザウイルスの感染経路として最も頻度が高いのは飛沫感染です。
感染者が咳やくしゃみをするとインフルエンザウイルスを含んだ飛沫が放出されます。
目に見える飛沫であれば防げるかもしれませんが、目に見えない小さな飛沫も放出されているのです。
これらを呼吸によって吸い込んでしまうと粘膜にウイルスが付着し、感染が成立します。
飛沫を吸い込まないように口や鼻をガードすれば問題ないかというと、そうではありません。実は目の粘膜からの感染も確認されています。
飛沫はそう遠くまで飛び散ることはなく、目安としては2メートル以内です。
しかし家庭内で2メートルの距離を取るのはなかなか難しいため、メガネやマスクといった物理的な防御が必要になってきます。
接触感染

感染者が吐き出した飛沫は床や家具などに付着します。またウイルスが付着している手で誰かに・何かに触ると同じくウイルスが付着するでしょう。
乾燥を好むウイルスはすぐに死滅しません。環境が良ければかなり長時間生存することが知られています。
ウイルスが付着していることを知らずに共有物に触る、あるいは感染者と接触することによって接触感染が起きるのです。
空気感染
ウイルスを含んだ飛沫は水分を含むため床や家具などに落ちますが、その前に水分が蒸発するとウイルスが空気中を漂うことになります。
身軽になったインフルエンザウイルスは空気の動きとともに移動できるため、人が動けばその分ウイルスも遠くまで移動可能です。
たとえ感染者から2メートル以上離れていても、感染者が飛沫を出すたびに空気中のウイルスが増えていき、空気を介して感染するリスクが高まります。
このようにして空気感染が起きるのです。
これまでインフルエンザウイルスは空気感染しないといわれてきましたが、換気をしっかり行わなければ空気感染が起きることが分かっています。
インフルエンザの検査方法

インフルエンザの検査には迅速検査キットが使われます。血液を採取せず、また検査結果が比較的短時間で出るのがメリットです。
この検査方法では発熱から12〜24時間経過している場合にウイルスを検出することができます。早い段階で検査をしてもウイルスの数が少ないため検出できません。
採血をしないので針刺しの痛みはありませんが、鼻から太めの綿棒を挿入して検体を採取するため人によっては多少の痛みを感じることがあります。
鼻水を取るだけなら綿棒でこすらずに鼻をかめばいいのではないか、と疑問に思う方がいるかもしれません。
実はこの検査の検体は鼻水ではなく喉の奥の「粘膜」です。1度で十分量採取できるよう、少しこするようにして検体を採取しています。
この検査によってインフルエンザの感染が分かった場合、感染を広げないために待合室ではなく別室待機となることが多いでしょう。
なお最近では検査精度の向上に伴って、鼻水からウイルスを検出する方法も開発されています。
インフルエンザ感染後の対処法

インフルエンザウイルスの感染が判明したら、まずは医師の指示に従いましょう。
発熱から12時間で検査した方と数日経過してから検査した方では対応が異なります。また他に併発している症状があれば、その対応も確認してください。
処方された抗インフルエンザウイルス薬を服用する
インフルエンザ感染が分かると抗インフルエンザウイルス薬が処方されます。よく知られているのはタミフルやイナビル・リレンザなどです。
どの薬もインフルエンザA型・B型どちらにも効果があり、投薬方法が異なります。
リレンザは液体の吸入薬でありイナビルは粉末吸入、タミフルは内服薬です。
患者さんの年齢や体質によって服用が難しい形状があれば、医師にご相談ください。
また家族の誰かが感染した場合には感染予防としてタミフルやリレンザが処方されることがあります。
熱が下がっても数日間は安静にする
抗インフルエンザ薬は効果が高く、投薬から2日もすると熱が下がることがほとんどです。
熱が下がると体も軽くなるため、登校や出勤など普段通りの生活に戻りたい方もいるでしょう。しかし熱が下がっても自宅安静を継続してください。
抗インフルエンザ薬はウイルスを消滅させるのではなく、今いるウイルスを増やさないことで症状を緩和しています。
そのため熱が下がっても体内にはウイルスが存在しているのです。
可能であれば熱が出てから1週間程度は外出を避けたほうがいいでしょう。
インフルエンザが重症化しやすい人の特徴

インフルエンザも風邪もウイルス感染による疾患であり、発熱や咳といった症状は共通しています。
しかし症状の強さや症状が悪化する速さが両者の大きな違いです。
そのため体力が低下している方や基礎疾患がある方がインフルエンザに感染すると、重症化する可能性が高くなります。
重症化リスクが高い方の特徴は以下の通りです。
5歳未満または65歳以上の方

免疫力が低く体力も低い方は重症化リスクが高くなります。年齢では5歳未満、あるいは65歳以上の方です。
特に2歳未満の乳幼児は体力がないのはもちろんのこと、自身の症状をうまく伝えることができません。
そのため喉の乾きや合併症の兆候が疑われる症状が出ても親が気付きにくいのです。
すでに何かしらの疾患を持つ方
インフルエンザの重症化リスクが高い疾患としては喘息などの呼吸器疾患や循環器系の疾患、腎臓疾患、糖尿病などが挙げられます。
また自己免疫疾患でステロイドを内服している方は、薬によって免疫力を少し下げている状態です。そのためインフルエンザの重症化リスクが高くなります。
妊娠中または産後の方
妊娠中や出産直後は疲れやすく、体力が落ちている状態です。またインフルエンザに感染した場合は胎児への影響を考えて投薬治療が行えないこともあります。
このことからインフルエンザに感染しやすい・治療しにくい状況になり重症化リスクが懸念されます。
インフルエンザの予防接種費用

インフルエンザの予防接種は医療機関にて毎年実施されています。開始時期は自治体によって異なるため、役所や保健所に確認しましょう。
予防接種の費用の平均はおよそ3,500円で、医療機関や地域によって前後します。
費用の助成制度についても自治体や年度によって変わりますので事前に確認が必要です。
なお健康保険組合で接種費用の一部を補助するケースもあります。
子供は2回の接種が必要ですし、家族で予防接種を受ける場合は負担が増えるでしょう。公的助成や健康保険の補助制度をうまく活用してください。
インフルエンザ診断後に登校または出社できるまでの期間

インフルエンザ感染症の診断が出た場合、学校への登校は禁止となります。これは学校保健安全法による規定です。
症状、つまり熱が出てから5日経過「かつ」熱が下がった後2日経過するまで登校できません。
では出勤はどうでしょうか。
感染症予防法では新型インフルエンザや鳥インフルエンザなど特定のインフルエンザに限って出勤停止措置を義務付けています。
しかし季節性のインフルエンザはこれに該当しません。
ただし会社という組織・集団で業務を行うため、その中で感染が拡大すると経営にも打撃を与えることになるでしょう。
そのため就業規則の中で出勤停止を定めている企業が多く、出勤停止期間については学校保健安全法を参考にしているケースが大半です。
まとめ

インフルエンザウイルスに感染すると急激な発熱によって全身の痛みや頭痛など様々な症状に見舞われます。
抗インフルエンザ薬を使えば症状が緩和されますが、まだウイルスを体内に保持した状態だということを覚えておきましょう。
つまり周囲にインフルエンザ感染を広げてしまう可能性があるのです。
また基礎疾患がある方や重症化リスクが高い年齢層の方は、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けましょう。
予防接種だけで感染を100%防げるわけではありませんが、発症したときの症状が軽く済みます。その分重症化リスクを低減することが可能です。
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末光智子
〇病院名 :フリーランス
〇医師 :末光智子
〇アクセス:
〇診療科 :内科
〇経歴:自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)
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