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最終更新日:2022年10月28日

なぜ、やせた女性が糖尿病に?食後高血糖となる耐糖能異常が7倍

こちらの記事の監修医師

佐藤 文彦

(写真=PIXTA)

食後高血糖となる「耐糖能異常」がやせた若い女性に多いことが明らかになってきました。やせていても、「脂肪組織の異常」が起きており、肥満者と同様の体質になっている場合があるといいます。日本では、やせた若い女性も十分な栄養と運動により筋肉の量と質の向上を心がける必要があります。

やせた女性は、約7倍食後血糖スパイクが生じやすい

一般的に、「やせているから、糖尿病とは無縁」と思っている女性も多いかもしれませんが、最近の日本人における研究によれば、意外なことに、やせていても肥満者と同じように2型糖尿病のリスクがあることが分かってきました。

わが国では、女性の「やせ」(BMI:18.5kg/m2未満)が進んでおり、日本人女性の8人に1人、そして特に20代女性では5人に1人以上が「やせ」と、先進国の中でも最もやせの比率が高くなっています。

この日本で行われた臨床研究では、18~29歳の女性で、BMI:18.5~23.0の標準体重者と、BMI:16.0~18.49のやせ型女性とにおいて、耐糖能異常(いわゆる食後血糖スパイク)に違いが認められるかについて調査を行いました。

調査の結果、驚いたことに標準体重群に比べ、やせ型の女性では耐糖能異常の割合が約7倍高い(13.3% vs 1.8%)結果でした。しかもその比率は、米国の肥満者における割合(10.6%)よりも高値でした。

やせた女性の多くは「エネルギー低回転タイプ」

さらに、これらのやせた女性の中で、特にどのような人がより高血糖になりやすいか解析を進めたところ、エネルギー摂取量が少なく、日頃の運動活動量が少なく、全身の筋肉量が少ない人ほど、血糖値が高いことが明らかになりました。また、血液中の遊離脂肪酸濃度も高値を示していました。

骨格筋は人体の中でブドウ糖を貯蔵する最大の臓器です。やせていて筋肉量が少ない女性では、食後に十分な量のブドウ糖を筋肉内に取り込むことができず、食後高血糖が生じやすいと考えられます。加えて、脂肪についても同様に、十分量を筋肉内に取り込むことができないために、血液中の遊離脂肪酸濃度も高値を示していました。

つまり、高血糖・高遊離脂肪酸を生じやすい筋肉の「質」になる可能性が高まるのです。

このように、筋肉の「量」の低下や「質」の低下に陥りやすい状態になってしまう原因として、やせた女性の多くは、食事量が少なく、しかも運動量も少ないという「エネルギー低回転タイプ」が特徴となっていることが分かりました。

やせた女性が、糖尿病にならないために

(1)運動の習慣化

「エネルギー低回転タイプ」を改善するためには、主に筋肉の「量」を増やす「レジスタンス運動」と、「質」を高める「有酸素運動」の取り組みの双方を行うことが重要となります。

つまり、筋肉の「量」を増やすにはレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)が、そして、筋肉内の脂肪を燃やして「質」を高めるにはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が、大変有効です。

(2)バランスのとれた食事

このように積極的な運動を行うことに加えて、栄養摂取不足になってしまっているやせ型女性の場合、健康を維持するために、バランスのとれた食事を適量摂ることも必須となります。

例えば、若い女性でダイエットのために極端な炭水化物制限を続けていると、身体に必要なブドウ糖を産生・供給するために筋肉が分解されてしまうことや、不適切な食事によるタンパク質の摂取量不足により、筋量が低下し、高齢者で認められる筋量の減少(サルコペニア)のレベルにまで筋量が低下するリスクがあります。

以上のように、「やせていれば健康」ということでは必ずしもなく、やせすぎた女性は、太った女性と同様に、糖尿病の発症リスクが高くなる可能性があることが分かってきました。やせ状態が続くことで、将来的に骨粗鬆症・サルコペニアだけでなく、新たな疾患リスクにつながることも懸念されるのです。

したがって、日頃から適度な運動を行い、バランスのとれた食生活をすることで、筋肉の「質」と「量」を守ることを心がけ、何歳になっても元気で健康なからだを維持していきましょう。

Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 2021 Apr 23;106(5): e2053-e2062.
https://www.juntendo.ac.jp/news/20210216-01.html

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こちらの記事の監修医師

佐藤 文彦

Basical Health株式会社 代表
日本糖尿病学会専門医・研修指導医、日本肥満学会専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医などの資格をもつ内科医・産業医。

1998年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学 代謝内分泌学 助教などを経て、2012年41歳の若さで順天堂大学附属静岡病院 糖尿病・内分泌内科 科長(兼 准教授)に就任。同院で、「地方病院の医局員たちの残業の多さを何とか改善できないか」と考え、「医師の働き方改革」に着手。コーチングの手法を活用し、現場の要望を聴き出し、それを反映させた組織開発を独自で行う。3年目には医局員全員が定時に帰宅できる体制を作りあげる。その後、日本IBM株式会社で専属産業医を2年弱務めた後、2018年に独立。現在、健康保険組合やその関連企業での健康増進・予防医療などのコンサルタント業務を行いながら、糖尿病の外来診療、嘱託産業医としても活動する。今年度より、厚生労働省医政局委託事業「医療従事者勤務環境改善のための助言及び調査業務」委員会の委員に就任するなど、日本中の医師が安定的に働き続けられる環境作りに取り掛かっている。趣味は音楽。高校3年生時には、全日本吹奏楽コンクール(普門館)にて金賞受賞。担当楽器はチューバ。

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