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最終更新日:2022年11月23日

温泉でぐっすり眠れなかった?…疲労回復、深い眠りにつく方法

こちらの記事の監修医師
東京都市大学人間科学部学部長・教授
早坂 信哉

※画像はイメージです/PIXTA

「疲れた」と感じると、「温泉行きたいな」と思う人も多いのではないでしょうか。日本人にとって温泉は、とても身近で大切な癒しの空間です。でも、せっかく温泉に行ったのに「なぜか温泉にいくと眠れない」という人も多いといいます。ぐっすり眠れる温泉の入り方とは。

温泉でこんなこと、経験ありませんか?

コロナも少し落ち着いて様々な旅行支援も始まりました。しばらくぶりに心身を癒しに温泉に出かけてみようか、という方も多いことでしょう。ですが、せっかく温泉に行っても次のような経験はないでしょうか?

・温泉に泊まったのに良く眠れなかった。
・温泉に入ったのにかえって疲れた。

これらの症状は、温泉の入り方が間違っていたのかもしれません。

「楽しみにしていた温泉にお泊り!ぐっすり…のはずがさっぱり眠れなかった」

こうした経験は時々耳にします。温泉に浸かって、ぐっすり眠れるはずが、寝付けなかった、熟睡感がない、ということがあります。これは、温泉の使い方に問題があったせいかもしれません。

もともとヒトは概日リズム(サーカディアンリズム)という周期があって体温が変化しています。体温は朝低く、夕方高くなり、また就寝に向かって低下します。体温が下がることで眠りにつくことができるのですが、逆に体温が高いままだとうまく寝付くことができません。

ヒトは入浴後も体温が急に下がることでよい睡眠が取れます。通常、自宅など水道水の沸かし湯での入浴の場合、一旦入浴すると体温が0.5~1.0℃ほど上昇し、その後約1時間半かけて下がってきます。ジェットコースターのように、一旦体温が上がることでその後の体温が下る坂道が急になりますが、この体温が急に下がるタイミングで布団に入るとよい睡眠が取れることが報告されています。

温泉でぐっすりと良く眠るためには

温泉で良い睡眠を取るには入浴するタイミングが重要です。温泉はミネラル成分を多く含むため、家庭での水道水の沸かし湯で入浴するよりも体温の上昇や入浴後の保温効果が強いことが、数多くの実験から確認されています。そのため自宅で入浴するよりもずっと強く体温が上がりまた保温されていきます。

「せっかく温泉に来たのだから何度も温泉に浸かろう」、とか、「寝る前にひとっ風呂浴びてから寝よう」と考えがちですが、寝る直前に温泉に入ると体温がしっかり上がってしまい、しかも保温効果が高いため体温が高い状態が2時間以上も続き、すぐには寝付くことができなくなってしまうのです。結果として、せっかく温泉に来たのによく眠れなかった、ということになってしまいます。

このような理由から、温泉でぐっすりとよく眠るためには、寝る直前に入浴するのではなく、お布団に入る2時間前には入浴を完了させておく必要があります。その後、自然に体温が下がるのに任せます。就寝の時間を決めて、逆算して入浴の時間を決めると良いでしょう。

また、夜の入浴は睡眠や休息の自律神経である副交感神経のスイッチが入るように38~40℃の少しぬるめの浴槽を狙って入ると良いでしょう。入浴のタイミングを間違えなければぐっすりと眠れるはずです。実際に、私も調査を事務局として担当させていただいた環境省の「新・湯治」では、約12000人の調査で温泉地滞在によって79.7%もの人が良く眠れたと回答しています。

温泉に入ってかえって疲れる原因と対策は?

温泉に入ったら、疲れが取れるどころかぐったり疲れた、という経験をした人も多いことでしょう。これは昔から「湯疲れ」と呼ばれる現象で、熱中症の一種である「熱疲労」である可能性が高いと考えられます。熱疲労とは熱刺激にさらされることで、脱水症や疲労倦怠感、悪心、脱力感を感じるものです。

原因は「温泉に入りすぎ」です。せっかく温泉に来たのだからと、欲張って何度も温泉に入ったり、長時間にわたって入浴すると体温が上がりすぎて、熱中症になります。温泉は保温効果が高いので一度入ると体温がなかなか下がりません。その状態であまり間を開けずにさらに重ねて温泉に入るともっと体温が上がってしまいます。

対策は、温泉を欲張りすぎないことです。できれば温泉への入浴は1日1~2回とすればよいのですが、もっと何度も入りたくなる気持ちも分かります。その場合は1回の入浴時間を2~3分程度とすることです。体温の上がり方は湯温や泉質にもよりますので、長く入っても額に汗がにじんだら浴槽から出る、と覚えておきましょう。私も仕事柄、1日に何か所も温泉に入浴しなければならない時もありますが、1か所あたりの入浴時間は汗がにじむ前にはさっと浴槽から出ています。気に入った温泉や浴槽があれば、そこだけ後からじっくり入ればよいのです。

また、水分補給はとても大切です。外湯巡りには必ずペットボトルや水筒で水分を持参していきましょう。入浴の前後でそれぞれコップ1杯分以上は必ず水分補給をします。もし「飲泉」(飲用が公的に許可された温泉)がある場合は、温泉を飲んで水分補給も良いでしょう。

もうちょっと入りたいな、と思うくらいで温泉から出るのが、温泉を楽しむコツなのです。

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こちらの記事の監修医師

東京都市大学人間科学部学部長・教授

早坂 信哉

東京都市大学人間科学部学部長・教授
博士(医学)、温泉療法専門医。
高齢者医療の経験から入浴の重要性に気づき20年にわたり3万人以上の入浴を調査した入浴や温泉に関する医学的研究の第一人者。「世界一受けたい授業」などのテレビ出演、執筆や講演など多方面で活躍中。著書「おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術」(山と溪谷社)など。

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